2002
at Antique GARAKUTAYA in Kokubunji,Tokyo




invitation card







今回はAntique GARAKUTAYA のオーナーの配慮で、店内ではなくカフェ、Café des Roseir での展示となった。
店内の雑多さに比べてスペースに余裕もあり、舞台装置の如き美しく重厚なバーカウンター等、通常のギャラリーでは望む事の出来ない展示となった。
バーカウンターが荘厳だったので教会に見立てて燭台や十字架などを配し、中央の人形を吊った。三美神やヴィーナスの誕生の構図が脳裏を掠めたのだ。


      



但し、カフェであるという事で難しかった面も多々あった。
お茶や食事だけが目的の人も居るし、人形を見に来ただけの人も居るのである。通常のギャラリーでもそうだが、何故か人の足は集中する傾向にあり、誰も居ない時間もあるのに人が来る時にはごった返してしまう。そんな時には誰がどちらが目的のの客かわからなくなってしまう。
同じく喫茶スペースを持つ昔人形青山では、展示空間が分かれている為に、其れ程感じなかった事だが、一つの空間に別の目的を持つ人々が集まるというのは画廊喫茶ならではの難しさかもしれない。
しかし、何事も一長一短というもので、先にも書いた通り、此れだけの舞台設定は普通の画廊でやろうとしても出来る事では無い。

貴重な体験だったと思う。



     

こちらは三ツ折人形である。
作順は真中が1番、左が2番、右が3番となる。
1番目の唇元がきついので、もう少し幼げになるよう、工夫をしてみた。
左のものはフラーティングアイと呼ばれる、左右に目の動く仕掛けを内蔵させた。
3番目のものは眉を出した貌にしてみた。
西洋のランプや磨きこまれた家具なぞにも違和感が無く、良く似合う。

ちなみに上段の、セーラー服の人形もフラーティングアイである。




 

 

フラーティングアイも含めて「動く」と云う事の魅力にとり憑かれて創った赤子である。
全てオルゴール仕掛けで動く。
最初に和貌を創って其れから洋貌を創った。
着物が縫えないので最初の和貌は洋装だが、
和裁の出来る人に頼んで次は着物を着せてみた。
矢張り和貌には着物が良く似合う。



FRAGILEとはこわれものの意である。
こわれものといえば脆く儚いというイメージである。
テーマ性で云えば三美神と赤子には共通のコンセプトがあるが、
三ツ折の方には特に共通項を見出せず、
脆く儚く美しいというイメージで総括しタイトルにした。

終わってみると、このタイトルは、自分の精神的な脆さを反映したに過ぎなかったという気がしてならない。
其れはどうにも美しさとは縁の無い話である。





All photos by STUDIO SHIN