番外編  Hige-Gの病院日記
 前回のコラムの冒頭でも書きましたが、私は3月24日から4月9日まで2週間半も入院していました。胆石症胆嚢摘出入院でしたので、1weekの予定のはずだったのですが....入院生活の後半だいぶ体調が良くなったところで、夏休みの日記状態で固め書きですが、出来事を忘れないように書いてみました。ボードの話とは関係のない番外編ですが、こんな体験をしたぞということで掲載します。(皆さんが胆石にならないとも限りませんからね)

・胆石症の発見
昨年(2002年)の夏に会社から強制人間ドッグを受けさせられたときに、エコー検査で胆石か胆嚢ポリープの疑いありと診断。そのときは3ヶ月後にまた検査しなさいで終わりました。
その約3ヵ月後、右脇腹痛が始まる。ちょうど一番下の肋骨の内側に痛みが走る感じです。週に数回痛みがくるので、総合病院で診察。
エコーではいまいち良くわからないので、内蔵系(上半分)のフルコース検査となりました。CT、胃カメラ、血液検査等。これで胆石症と確定された。
その後2ヶ月ほど、石を溶かす薬をもらい様子を見たが、一向に良くならずということで、薬で溶けないタイプの石であろうということで、外科手術により胆嚢切除が決定!!!!!入院となる
・入院、手術の説明
ということで、3月24日(月)に入院しました。翌25日手術ということで、この日の夕方主治医から病状と手術方法、リスクについて説明があった。(いわゆるインフォームド コンセントってやつ)

病状
胆嚢に6mm大石が1ヶ、4mm大石が1ヶ、計2ヶあるとのこと。
胆石だけを取っても、胆嚢があればまた石が出来るので胆嚢毎切除するのが一般的だそうです。

手術について
腹腔鏡(カメラ)とカンシによる手術で、おなかの傷は4箇所(5mm−20mm)
肝臓から胆嚢を引き剥がし、胆道と血管をクリッピングするという手術。時間は1時間半程度
麻酔は全身麻酔+硬膜外麻酔(背中の麻酔で術後の痛み止めも兼ねる)

リスクについて
手術中大出血が起きた場合は、開腹手術へ移行(200mmくらいの傷)し、最悪は輸血もありうる。
ほとんどないとは言っていましたが....今回は大変な目に逢うことに....

術後
なにもトラブルがなければ翌日から歩行し、食事も始まる....1週間後には退院できるはず....
うーむ、今回の私は何????

この時感じたのは外科医ってのは超COOLだねぇということ。本当に超簡単そうにしゃべるんだよねぇ。自信満々というかなんと言うか...ちなみに私の主治医は血色を悪くした椎名桔平って感じ。
・手術前の準備
その昔脚を折ったときも手術をしたので、手術前の処置はどんなことをやるかは判っていたのですが、なんともいえない気持ちになりますねぇ。

剃毛
お腹の手術なので、私の見事なギャランドゥを剃られてしまいました。でも胸毛はあるので、自分で見ても爆笑、嫁さんが見たら大笑いしてました。どうせだったら、胸毛まで剃ってくれたほうがきれいなのにねぇ。

浣腸
手術日の朝からはなにも飲食できない上に浣腸され腸の中を掃除されます。看護婦さんに尻の穴をさらすんですよぉ!!

剃毛も浣腸も若い美人看護婦さんなのには参りました。ははは。病院では人生の恥をすべてかいてしまうような勢いですな。
・手術の日、3月25日(火)
この日は朝から何も飲食できず、お腹が鳴りっぱなし、午前中のうちから点滴を左腕にねじ込まれる。
しかし、手術時刻が14時半過ぎなので”暇”ですなぁ。この日の私は手術後に発生する重大トラブルを知る由もないので、早く明日になって飯食いてぇなぁとノンキに構えていたのでした。

15時頃手術室より呼び出しあり、手術着に着替え、ストレッチャーへ乗り移る。そして右腕にとっても痛い筋肉注射を打ち込まれる。(筋肉弛緩剤か?)

手術室はメチャメチャ広い!!その中に台がポツンとありとっても無機質な感じ。手術台に移ると手術着を剥ぎ取られ、素っ裸!!!まぁ一応バスタオルを掛けてくれますが。

さて、ここから実際の処置開始なんですが、まず麻酔ですね。
最初に背骨の骨と骨の間に針を刺して入れる硬膜外麻酔ってのをやります。これがメチャメチャ痛い!!背中に針を刺しているのは判るのにお腹のほうがキュゥゥゥゥっと痛くなったりして脂汗かきまくりでした。これが入ったあと、薬を入れられると、腰の辺りが一気にだるくなり、”あぁ、いよいよだな”と思いました。

このあとは、腕の点滴ラインから全身麻酔の薬を投入されると、腕が冷たくなったなぁぁと思っていたら、意識を失った模様。たぶん10秒かかってないかも。このあとのことは知りません(当たり前だ!!!)
でも恐ろしいことに気道に管が入っているんだよねぇ。

次に気づいたときは、病室でした。この時覚えているのは、強烈に胃の辺りが痛かったことと、おしっこがしたかったこと。これだけ。おしっこは尿道にカテーテル(管)が入っているのにねぇ。

・手術後の経過(私自身覚えていないところは妻の記憶で書いています)
3月25日(火)夜
夕方5時過ぎに病室へ戻りました。私は意識朦朧としていました。覚えているのは上に書いてある通りです。その後、私は知りませんでしたが腹部についているドレン排出口(管が体内に入っています)から大量の出血が確認され、血圧も通常130/70くらいなのが90/50と極端に落ちてしまい、昇圧剤を使用したようです(後で主治医に聞きました)私自身は全然この時は大出血の事実を知らない。
看護婦さんと先生が、30分おきくらいに血圧を測定しに来ていたような気がします。
夜中に強烈に吐き気を模様したり、傷が痛いと訴えていた記憶があります。この日の夜はこれで終わってしまった気がする。
3月26日(水)
朝から発熱して”ボォォォ”っとしている。38度くらいかな?
術後から酸素マスクを装着させられ、かなり違和感がある。この日は痛みも背中に入っている麻酔が効いてかなり楽になった。酸素マスクの他には、心電図のピックアップが胸に、そのトランスミッタが頭の横にという感じで自分でもかなりものものしい感じだなぁとは思っていた。
鼻の管からは胃液と胆汁がとめどなく流出し、袋にたまっていく。(1日1500ccくらい出るんだよね)、おしっこの管は脚を動かすと痛いし....
この日も2時間おきくらいに血圧は測定されるわ、お腹のドレン部のガーゼはチェックするわで、大騒ぎであった。さすがに私も”こりゃ、何か起きてはいけないことがおきているな?”と思わざるを得なかった。
ただ、この日はまだ身体が動かせる状態ではないので、どの程度出血しているのかは確認できず...

夕方、職場の上司が見舞いに来てくれたが、私の様子を見て、そうとうビビッた顔をしていた。
そりゃそうだな。管が一杯出ているからね。
3月27日(木)
相変わらず、酸素マスクを取ってくれない。やはりかなりひどいのだろうか?
主治医がこの日、少しだけ状況を説明してくれた。やはり腹膜内のどこからか大量に出血しているらしい。
出血が続いているため、貧血症状がひどいらしい。あと一日、二日様子を見て貧血が治まらないようだと最悪輸血か止血処置(外科処置)をしなければならないかも....とのこと。
この日初めて自分のお腹につけていたガーゼを見たが、凄まじい出血の量だった。6時間で分厚いガーゼ2枚が真っ赤!!!!おいおい、ちょっと大丈夫か??>私!!>頼むよ先生!!

鼻から出ている胃液を出す管の途中にある空気注入口から漏れちゃって頭と肩が胃液&胆汁まみれになってしまいました。わはは、って笑い事じゃぁないが....

この日も別の上司が見舞いに来てくれたが、そうとう顔色が悪くなって帰っていきました。すんまそん。
3月28日(金)
まだ、酸素マスクとれず...相変わらずガーゼの交換頻度が多い。一日4回から5回。毎日採血し血液検査をしている。この日の主治医の説明によると、貧血は改善傾向にあるとのこと。出血量も少しずつ減少してきているので、止血剤、鉄剤の投与をして行きましょうとのこと。
この止血剤ってのが強力なんだよね。点滴ラインの途中から注射器で押し込むわけだが、身体に回ったのが良くわかるんだよね。少し吐き気がするのと、自分の息が超薬臭くなる!!!
手術から丸3日ほとんど寝返りが打てない状況だったので、腰がもげそうに痛い!!!!!なんとかしてくれぇぇぇ。あとは強力に胃がなるんだよね。腹が減った.......早く食いたいと思ったのがこの日あたり。
3月29日(土)
午前の回診時、先生に背中と腰がもげそうに痛いので何とかしてくれ!!と懇願したら、”少し動いていいですよ”と言って、酸素マスク、背中の麻酔の針、心電図ピックアップをはずしてくれた。おしっこの管も後ではずしましょうだって。やったぁ。”ところで、鼻の管は?”と聞くと”それははずすと吐いちゃうからまだだめ”ってことだそうだ。出血の方は、ガーゼの汚れ方が少し少なくなってきた感じ。ただ、素人目に見ても出血が治まったとは言えない程の量だ。
回診終了後、看護婦さんにおしっこの管をズルズルぅぅぅぅっと引き抜かれた。これが痛いんだ!!!
しかも、6時間くらいしておしっこ出なかったらまた入れるわよ!!だって。絶対出してやると決意。>無事に5時間後に自力で放尿!!が、しかし、血尿はでるわ、尿道は痛いわで大変。

この日の午後、妻が来たとき私の少し良くなった様子をみて喜んでくれた(昨日までは毎日見ていて相当心配だったに違いない)

動く練習ということで、ベッドから起き上がって、座って見たが、4日間寝たきりってこともあり、座るだけで貧血起こして倒れそうでした。傷も痛むし。一瞬立ち上がって見ましたが、まるでだめですね。完全に筋力がダウンしています。マジであるけないんじゃぁないかと思った。
3月30日(日)
この日は私の姉が来るので、主治医に今までの経過とこれからを説明してもらおうとお願いをした。そしたら、姉が来る前に先生が私と妻の前に現れ、なんとも簡単な説明をしていった。
要約すると以下の通り。
1.手術は通常通りの手順で問題なく終了。
2.術後部屋に戻ってから大出血。しかし原因は不明
3.考えられるのは2箇所だけ。ただし手術時はカメラで止血確認後開腹部(穴ね穴)を縫合。
うーむ。いまいち釈然としない。が私自身は先生に食って掛かっても時間が元に戻るわけでもなく、そんな元気もないので、ふーん、しょうがねぇなと思うしかなかった。
が、妻が食ってかかった。私のいないところで....15分後、悔しそうな顔をして帰ってきた。
そりゃ、百戦錬磨の外科医に口で勝てるわけもなく、撃沈したそうだ。ただ、以下をゲロした。
”今回の私のようなケースは、初めての体験だと...”、”手術中も出血はかなり多かった...”
(この二つは退院後妻から聞きました)

その後、姉が来たところで再度、主治医から説明あり。(私はベッドから動けないので同席できず)
要旨は以下の通り
1.術後このような事になったことは申し訳ないと思っています。
2.よくあることではないので、病院サイドとしても良く注意して経過観察しています
3.少しづつ良くはなってきている。
4.予定に対して約1週間遅れ

うーむ、やはり手術時に何かやらかしたとしか思えない。姉曰く、”先生自身がこんなはずではなかったと思っているようだ”とのこと。まぁ、やっちまったものはしょうがないので、治るのを待つしかない。

この日は、部屋移動をするために10mくらい歩いた。実は術後1晩だけの予定でナースステーションの目の前の部屋に移動していたのだが、おいおい一週間じゃぁねぇか!!!!!!
部屋移動の際、体重を測って見ましたが、なんとここまで5日間の絶食で6kg減量していました。ひぇぇぇぇ
3月31日(月)
本当だったらそろそろ退院の日だったんだけど....いまだ出血は続き、鼻の管はとれず!!!
おまけに胃液&胆汁の量が思いっきり増えた!!!!!!!胃液が逆流するということは、十二指腸から下の腸が動いていないためなんですね。物を食っていないし、寝たきりが続いたので動きにくいんだけどね。

この日は頑張って部屋の中をうろうろと1時間くらい歩く練習した。メチャメチャ疲れます。普通に歩けないんですから。病院内であれば適当にうろうろしていてもいいという許可が出た。

この日の夜中、やっと待望の便が出る!!歩き回った効果か??便と言っても、何も食っていないので、胃液&胆汁の黄緑色した水ですけど。
4月1日(火)
朝方から下痢に悩まされる。昨晩から1時間おきにトイレに行っている。いい加減お尻の穴の周りが痛い。おしっこを採取するようにと言われているのだが、便と尿が同時に出ることが多いので結構大変です。

この日は、胃液逆流がほぼ停止。主治医ではない先生の回診によると、今日とってもいいかな?とのこと。この日もなるべくベッドから起きて部屋の外をうろうろする。看護婦さん達は結構びっくりした顔をしているようだ。自分でも歩いていいよ。と言われてからは、一日毎よくなるのがわかる感じ。

この日の晩、外科の医師全員による回診があったのだが、主治医は手術中ということで不在。他のちょっと偉い先生が、様子を見て、”もう鼻の管取ってもいいね。明日ね明日!!”と言い放って出て行った。

うーむ、ちょっと残念。今日取れると思っていたのに....看護婦さん曰くは”ちょっと日によって調子が違うから、もう少し様子を見てくれたほうがいい”とは言っていました。確かに、チューブ取った後、胃液が腸に流れない場合、ゲーゲーやってしまいますからね。

ということで、チューブが取れるのは翌日になってしまいました。
4月2日(水)
朝8時頃、主治医が突然やってきた。”鼻の管、外しましょう”ってことで、ずるずるずるぅぅぅぅっと抜かれた。痛くはないんだけど、胃液が付着した管が鼻と喉を通過するので、苦いは臭いはで大変!!
速攻で鼻をかむと、緑色の鼻水が...ついでにうがいも実施。これで凄く楽になった。残るは点滴だけ!!!これは出血が治まるまではしょうがないか。

この日の昼からやっと”流動食”の食事開始。一日毎のレベルアップで普通の食事に徐々に上がることとなった。
待ちに待った昼食が運ばれてきた。メニューは、重湯と野菜スープ(汁のみ)とヨーグルトのみ!!!
一応塩がついていたので、重湯は塩をかけてなんとか全部飲む。スープはあまりのまずさに一口でやめる。ヨーグルトが口に出来たときは、嬉しくて涙が出そうになってしまいました。こんな食事でも食べられるっていうのは幸せだなぁとしみじみ思ってしまいました。

夜も重湯+味噌汁(汁のみ)+飲むヨーグルトでした。重湯に味噌汁を入れて味噌味スープと言う感じで飲みました。はぁ。

31日(月)あたりから容態も安定し自分自身でも、元気が出てきたなと思えるようになってきた。そうするといろんな欲求が出てきますね。イラク戦争はどうなった?とか、WEBページのネタでも考えてみようかとか、雑誌が読みたいだとか、等等....というわけで、鼻の管が取れたこの日会社に電話して、机の上にあるパソコンを持ってきてくれるようにお願いし、持ってきてもらいました。
で、WEBページのネタをツラツラ書いてみたり、調子がよければ仕事のネタも考えて思いついたらメモしてみたり。朝7時からNHKニュース→ワイドショーとイラク戦争のことをずっとテレビで見ていたり。この辺で自分自身”かなり良くなってきたな”と実感したのでした。



だいぶ回復傾向にあるので、この後はボチボチ付け足して行きます




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