CATEK OLYMPIC-STEPIN(2004/01/17)

2004年に入ってボードシーズンも中盤に来ました。皆さん楽しんで滑っていることでしょう。私は前回のコラムでも書いたとおり、オフトレがいい方向に働いてここ数年の中では一番調子よく楽しく滑れているのではないかと思っています。

さて今回はシーズン前に入手した"CATEK Olympic-STEPIN"バインディングについてレポートしてみようと思います。どんなバインディングかは”CATEK”のサイトを見ていただくとして、私がこのバインディングを知ったのは2000年だったかな?2001年だったかな?当時カナダのMark Fawcett(BURNERに乗ってた)が使用してたのを見て”あのオールシルバーのバインディングは何だ?ってところからです。ネットを探しまくって見つけました。ただ当時はINTECバージョンはなかったなぁ。元々ミーハーであって、人があまり使ってないものを好む(天邪鬼ともいう)私は、欲しいと思いましたが海外通販のやり方も良くわからなかったのであきらめました。
その後Jasey Jay Andersonがフィジクス仕様で使用しているのも写真でみて、”INTEC仕様もそろそろ出てくるな”と思っていたら、やはり出ました!!!それが2002年の後半。その後シーズン終了後に友人から”BOMBER TRENCH-DIGGER"(これもフルアルミのバインディング)を買うけど良かったら一緒に買わない??と誘いがあり、とりあえず誘いに乗ってみましたが、この時は在庫終了でボツでした。

オフトレに勤しんでいる秋口、その友人がBOMBER TRENCH-DIGGER2を注文したということを聞きまして、またCATEKを思い出し、BOMBERとCATEKのモノをWEBでしげしげと観察し、どっちにしようか迷いましたが、CATEKを注文しました。決め手は以下の二つ
1.カントリフト機能が固定でなく完全ユニバーサルであること。
 (BOMBERはBURTONの3Dカントのように角度指定で購入する)
2.天邪鬼なため、友人との対抗意識による。(こっちが大きかったりして)

実際の注文に際しては一応online-shopがあるのですが、そこを見ると日本から購入したときの送料とかが良くわかりませんでしたので、メールでCATEKに”日本から注文できるか?””日本までの送料は?”を質問しました。
すると数時間後には”問題な〜ぃ。送料は$35ね”とJeff Caronと言う人から回答がありました。ん?Caron??この会社の正式名称は"Caron Alpine Technorogy INC."だったなぁ。げげぇっ社長だ!!町工場で作ってるのねって感じです。確認後注文しましたが、やはりちょっと心配なのでJeffさんに注文はちゃんと届いているか?、発送は何時頃か?と質問したら、翌日には"問題な〜ぃ、バインディングは準備完了したから明日発送するよ〜ん”と連絡があり一安心でした。

で、その翌日、発送した旨と発送伝票番号がメールで届きました。USポスタルサービス(日本の郵便局のようなもの)なんですが、日本の宅配業者がやっているような荷物追跡サービスもやっていまして番号を打ち込むと、今自分の荷物がどこにあるのかわかるという具合です。2日後”成田の税関でチェック中”というのが出てきて”おぉ速い”と感動してしまいました。そして自宅まで無事に送られてきました。国内の配送は郵便局でしたね。ここでちょっとお金を払いました。
日曜の夜中に注文して土曜日には自宅に届いていました。速いですねぇ。

結局購入するのにいくら掛かったか?ですが、(後日のクレジットカードの明細で)
本体代金:$269...110YEN/$→29590円
送料  :$35 ...110YEN/$→3850円
国内配送料:200円
消費税:700円(日本で買ったので日本に納めなければならない)
合計:34340円

この金額で高いか安いかは個人の価値観ですのでなんともいえません。私個人的にはそんなに高くないと思っています。日本で買えるバインディングで自在にカントを弄ろうと思えば、ユニカンもセットで2ヶ買わなければいけませんよね。とすると本体+ユニカン2ヶで軽く4万円コースになっちゃいますしね。あとはアルミ削り出しの美しさもまた堪りませんよ。もし、購入したいと思う方は参考にして下さい。

さて、前置きがかなーり長くなってしまいましたが、セッティング方法、使用したときの印象などをレポートしましょう。

★梱包を空けてみての印象
1.美しい
 アルミのフル削り出しバインディングなのでシルバー一色で統一され非常に綺麗な印象です。しかもCNCで加工したカッターマークが入っており機械屋としてはそそる
2.凄く軽い
 金属でシルバーなので重厚なイメージだったのですが、持ってみると驚くほど軽いです。私が使っているHEADのSTEALTH carbonよりも軽かった。実際に部品を良く見てみると、軽量化の跡がそこいらじゅうに見えます
3.ベースプレートが4x4、3Dと共通。BURTONの板にも使用可能です。
4.懸念点
 ユニカン機能をネジで実現しているため、ネジが多く緩みがちょっと心配。CATEKもそれを心配してか、締め付けをしっかり出来るように、全て6角穴のあいたネジ仕様となっている。十字穴ネジより6角穴ネジの方が高トルクで締め付けがやりやすいです。(きちんとした工具であれば6角の方がなめにくい)

★板に装着してみる。
方法としてはライケルのX−BORNと似たようなやり方です。
1.まずベースプレートを板に固定する。
2.ベースプレートを載せ、角度を決めて真中のブットイボルトで固定する。
3.カント、リフト調節用ボルト4本をそれぞれ同じ角度だけ回し締め付ける。これで真中のボルトと調整用ボルトで突っ張ることになり締結力(軸力)が増大し、緩みにくくなります。(というかこれをやらないと一撃で緩みます)

★ブーツ長さ調整
実はこれで私は苦労しました。CATEKのものはBURTONのものと同様でヒールピース、トゥピースとも3.5mmピッチでしか調整できません。INTECの場合はガタが無い様調整しないとブーツ側のピンを折る可能性がありますが、私の場合は右足はぴったしだったけど左足が調整しきれませんでした。何故か??製品には製造ばらつきというものが必ずあります。バインディングにもありますし、当然ブーツ側にもありますね。左足はちょうど調整しきれないところの嵌ってしまったということです。
さて、どうしたものかと...ガタのままじゃ怖いなぁ...かといってブーツを削るわけにもいかんし...そこでフロントのベイルを太くしてやればいいじゃん!!と言うわけで、ベイルの太さ6mmにあわせた内径6mm、外径8mmのシリコンチューブを買ってきてベイルに通して調整しました。
その結果、ほぼガタはなくなりましたが、右足に比べてちょっと違うなぁ。しょうがないので手持ちの銀色のビニールテープを綺麗にスパイラル状にチューブの上から巻きました。そうすると、ぴったりでしたよ。テープやチューブが切れてもまた巻けばいいことなので上手く出来た方でしょう。

★追加工
ブーツ調整をしていて気が付きましたが、ヒールピースのINTEC受け部の上部がブーツ外側だけブーツに干渉していることが判明。ブーツがえぐれてしまうので、ここはヤスリで削りました。(アルミなので簡単でしたが)

写真で説明した方がわかりやすいですね。というわけで写真です。
CATEKバインディングを上から見たところです。部品構成は以下の通り
1.円形ベースプレート(円盤形状のもの)
2.ベースプレート(円盤の上に固定)
3.ヒール&トゥブロック(ブーツ固定部)
4.カントリフト調整用ネジ(4本)
5.ベース固定用ネジ(バインディングセンターの固定ネジ)
斜め後ろから見たところです。
こんな感じで円盤に小さいピットがあってそこにカント調整用ネジが収まってスタンスアングルを固定することが出来ます。カント調整用のネジ4本のそれぞれの高さを変えることによりユニバーサルカント以上の無限セッティングが可能になります。左の写真は前足用でトゥリフトが入っている状態
★ユニカン機能
CATEKの最大の売りはここでしょう。ボルト4本の高さを調整してやってベースプレートの傾きを変化させるというやり方です。ここは文字で説明するよりも図解の方が簡単ですね。英語版はCATEKのサイトへどうぞ。
私が作ったものはこちらへどうぞ。
★実際に滑って見た印象は?
使い勝手としてはINTECですので今までとあまり変わりませんが、装着時唯一の不満はフロントベイルを前側に倒してしまうと倒れっぱなしになってしまい、ステップインできません。リフトに乗っている間にベイルを手でちょっと立ててあげてます。これで問題なし。
剛性感は非常に大きいです。ベースプレートの厚さが10mmもありますし、ヒールピースがかなりごっついですから特に横方向が硬く感じます。私自身はアングルも50deg超で結構前向きだし、横方向硬めが好きなので好印象なんですが、ライケルのX−BORN使ってた人、初めてINTEC使う人はかなり硬く感じることでしょう。アメリカというお国柄なんでアメリカのCARVER達は60deg付近で乗っている人が多くつま先かかとで荷重というよりも膝でブーツを左右に振って荷重という滑り方になる。→横方向の剛性をガチガチにしているんだと思います

剛性が大きいことによって反応はかなり速いです。足の下に硬いものがあって踏んでいるなと言うのが良くわかります。良くわかると言うことはダイレクトすぎてゴツゴツ感も出てくるのではないかという懸念はあります。ただ、まだいい雪の上でしか使っていないので良くわかりません。普通のアイスバーンであればそんなに問題ないです。

懸念点であったネジの緩みですが、一度だけ発生しました。前足のセンターボルトが緩みました。恐らく滑っている間の振動や荷重でカント調整機能ボルトが緩んでセンターボルトも緩むに至ったと考えています。これは6角レンチを2本持っていれば済むことですのでゲレンデに出るときにちょっとチェックしてやればすみますね。私は一応朝滑る直前と昼食の後にチェックすることにしています。

剛性感が大きい、ガタがないということでGS用の板でドリャーっと滑るのにとてもよく合う印象です。SLボードにはまだ装着したことないですが、もう少しルーズな方が楽かも知れません。とはいってもJJアンダーソンはGSもSLも関係なくこのバインディングでセッティングも同じですね。といいつつ今年はSLボードに乗る機会は多分ないと思うので、SLボードとの相性はレポできませんけど....

でわ、今回はこの辺で。