せつなさで殺して

                                     乙姫静香




 俺のモノにならないんだったら、俺のこと殺してよ。
 でなきゃ、殺すよ。





 タカシは鼻に突っ込んでいた小指を抜くと、倒れ込んでいる相手の前にしゃがみこんだ。サウナのガウン姿のまま、ロッカールームの床に座っている。意識は・・・分からなかった。
「マコッちゃん・・・。生きてんの?」
 肩をつかんでガクガクと揺らす。すると、マコトの眉が微かに寄った。
「う・・・ん・・・。気持ち・・・ワル・・」
 どうやらのぼせたらしい。タカシはその場に座り込むと、マコトの膝を割って、眠りこけるマコトの顔に自分の顔を近づけた。
「マコッちゃん。おーーい!風邪ひいちゃうのよ〜ん。腹も冷えて、下痢とかピーピーでもう、大変なことになっちゃうよ〜ん」
 ロッカーとロッカーの間の壁に、背を預けてがっくりとうなだれるマコトの顔を、白い手がペチペチとはたく。マコトはその手をうるさそうに振り払うと、動く気配もなく、再び眠りにつこうとした。
 まぁここはロッカールームの奥で、別に他に客もいる訳ではないし、こんな休日の深夜では新しい客も来やしないだろう。タカシは細い自分の身体ではおよそ動かすことの不可能なマコトの大きな身体を見ると、口唇を突き出して立ち上がった。
 適当に寝かしとこ。
 そう思って、大きなあくびをひとつ。ついでに伸びもひとつ。タカシが息をついてきびすを返すと、マコトが胸元を掻きながら寝返りをうった。
「っせー・・・ばばぁ・・・・」
 相変わらずの寝言に、タカシが何気なくマコトを見下ろす。すると、マコトがなおもぶつぶつと呟きながら、片膝を立てた。
 ガウンの裾が割れて、マコトの太腿があらわになる。タカシは面白そうに笑い再びしゃがみこむと、割れた裾の奥を覗き込んだ。
 見えそうで見えない、微妙な暗さ。タカシはガウンの裾を摘まむと、薄ら笑いを浮かべながらそれをゆっくりと引き上げた。
 主と同じく正体の無くなっているものを、まじまじと見つめる。素人童貞にはもったいない息子に、タカシが口端を引き上げた。
「おめぇ・・・何してんだよ」
 マコトがまだ眠そうな目を薄っすらと開けて呟く。タカシはそのくりっとした瞳を輝かせると、マコトの膝を割りながら楽しげに返した。
「使用前の息子さんにご挨拶ぅ〜」
「るせっ!」
 マコトがグーでタカシの額を小突く。するとタカシがマコトの太腿に手を置いて言った。
「マコッちゃん・・・マジでクロウトさんオンリーなわけ?」
「べっ・・別にそれ専ってわけじゃねぇからな!・・・ただ・・・なんつーか、その気が・・・」
 確かに、チャンスは今まで何度もやって来た。しかも向こうから、まさに据膳という状況で。しかし、いざという時に限って、マコトの愚息はその愚息ぶりを発揮するというか、なだめてもすかしても臨戦態勢にならなかった。
「ひゃははははっ」
 立てたマコトの片膝に背を寄せて、タカシが嬉しそうに笑う。すっかりマコトの足の間に落ちついてしまっていたものの、別にマコトもそれに対してとやかくは言わなかった。
「笑うんじゃねぇ!」
 再びマコトがタカシの頭を小突く。タカシのプラチナの髪がふわりと揺れた。
「マコッちゃーん。やっぱりさぁ・・・」
 マコトの太腿を、タカシの薄い手が撫で回す。マコトが、片目を薄く歪めてタカシを見た。
「俺のもんになれよ」
「はぁ?」
「俺のもんになれって言ってんの。いい加減この意味わかってくんないと、俺もいつキレるか分かんないよ」
 肌の柔らかそうな顔が、マコトのキリリとした顔に近づく。マコトが、そんなタカシの顔を見返していると、細い指が、ゆっくりとマコトの鼻の穴に入れられた。
「イテッ」
 タカシの指を掴んで、引っこ抜く。マコトはカラカラと笑うタカシの顔をギッと睨み付けた。
「おめー、あんまり冗談キツイと犯すぞ」
「犯して」
 眉をあげて即答するタカシに、マコトが次の言葉を飲み込む。
「犯してよ。ほらほら、マコッちゃんの苦手な素人さんだよ」
 タカシは誘うようにマコトの顔を下から覗き込むと、マコトの手を取って、自分の胸に持って行く。白いタンクトップの上から乳首に触れると、マコトの手が驚いたように引っ込められた。
「ひゃはははっ。やっぱり素人さんは駄目なんだぁ〜」
「るせっ!へっ・・変なことするんじゃねぇよ」
 何故かマコトの方が赤くなる。その反応が、タカシには心地よかった。
「だって、マコッちゃん誘ってるんだもん。しようよってオーラがでまくってるんだもん」
「んなもん、だしてねーよ!」
「出してるぅ」
 マコトの首にタカシの腕が回される。
「おめっ・・・」
 マコトの言葉を塞ぐように、重ねられる口唇。微かに開いた隙間から、舌が差し入れられてる様がよく見える。紅い舌はマコトのそれを絡み取るようにうごめき、マコトの呼吸の自由すらも奪った。
「・・・ん・・ふっ・・・」
 口の中を嘗め回され、マコトがぎゅっと目を閉じる。タカシを突き飛ばそうと肩に乗せられた手は、そのままタカシの華奢な身体をつかんだ。
「あははは・・・おいしい・・・」
 口唇を離して、手の甲でこぼれた唾液をぬぐう。くちづけの間に、タカシはすっかりマコトの腿の上に座り込み、マコトを見下ろしていた。
「タカシ・・おめぇ、何考えてんだ?」
「えぇ?・・・・・なんだろう?・・・あ、犯してって言ったじゃん」
「できるわけねぇだろ!千秋ん所のA・Fだって俺には無理だっツーの」
 吐き捨てるように言うマコトに、タカシが半開きの口唇を動かす。
「じゃあ賭ける?」
「何を?」
「出来たら、マコッちゃんが俺のこと犯す。出来なかったら、俺がマコッちゃんに乗る」
「どっちもするんじゃねーかよ」
「あ、ばれた?」
「ばれたじゃねーよ」
「いいじゃん。どっちだって。マコッちゃんマグロでいいからさ」
「ふざけんなっ!」
「本気だよ」
「なお悪いわ!」
「悪くねーよ、本気だよ」
 瞬間。タカシの瞳が凄みを増して輝く。マジだ・・・とマコトも悟った。
「えへへぇ〜。つーわけで、いただきま〜す」
 唖然としているマコトをよそに、ガウンの裾からタカシが手を差し入れる。マコトがそれを咎めるよりも先に、タカシの細い指がマコトのそれにかかった。
「待てっ・・・・・っ・・・」
「がっかりさせないからさ・・・・」
 薄ピンク色の下唇が、妖しく光る。
 ガウンの下ではもぞもぞとマコトのそれをタカシが弄くっている。他人の刺激に弱いマコトのそれは、早くもその形状を変えようとしている。自分よりも一回り小さいタカシの身体に手をかけて、マコトがそこへ加えられる刺激に耐えようとした。
「へへっ。マコッちゃんの結構でかくなりそうだね。まだ育ってるよ。かわいいっ」
「バカ・・やめ・・・っ」
「やめないよ。・・・やめて欲しくないでしょ。がまんしないで、楽しめばいいのに」
 タカシの反対の手は、マコトの胸を這い回る。ガウンをはだけると、濡れた口唇がマコトの胸の突起をついばんだ。
「こっちも立てちゃえ」
 唾液で濡れ光る右の乳首から口唇を離して、反対の方を味わう。右手でつかんだマコトのそれからは、先走りがじんわりとにじんできた。
「気持ち良い?ココは?」
 薬指で、裏筋をコチョコチョとこする。マコトが切れ切れの熱い息の合間に、喉を反らせた。
「・・・マコッちゃん・・・・すげーそそるわ。俺もガマンできなくなっちゃいそう・・・」
 黒目がちの瞳が、三日月型に歪む。パンパンに張り詰めたマコトのものを一度離すと、タカシが自分のベルトを外してマコトの手を自分のモノに誘う。口で息をするマコトの手が、まだ柔らかいタカシのモノに触れると、下着の上からマコトがタカシのモノの形をなぞるように指を這わせた。
「ちゃんと握ってよ・・・・・ほら・・・」
 細い腰を押し出すように、タカシが立て膝でマコトの前に立つ。マコトの指が、トランクスの隙から中へと忍び込んだ。
「っ・・・ん・・・あ・・・マコッちゃん・・・・」
 熱に浮かされたように、マコトの腕がタカシの腰を引き寄せる。タカシはロッカールームの壁に手を突くと、マコトの指に合わせて腰を動かした。
「あ・・そう・・・そこっ・・・・上手いじゃん・・っ」
 自分の時にそうしているように、マコトの指がタカシのモノをこすりあげる。タカシは少し乱暴なマコトの動きに、一度マコトから身体を離した。
「ふう・・ん。マコッちゃん、この位でしてるんだ、自分の時・・・」
 だぶだぶの白いパンツは既に膝の辺りで遊んでいる。タカシはそのまま身体を引くと、マコトの太腿に手をかけて、床に這うようにガウンに隠された部分に顔をうずめた。
「あっ・・・ば・・か・・・っ・・・・」
 熱く長い舌が、マコトのモノに絡み付く。ねっとりとした感触に、マコトが思わずタカシの頭を掴んだ。
「マコッちゃん・・・痛いよ・・・」
 腰のない髪を強く掴まれ、タカシがくぐもった声で不満を告げる。それでも、舌の動きは止まらずに、先端の雫を味わいながら執拗にくびれを攻める。
「ん・・・ふっ・・・・」
 咥えているタカシの方が、鼻にかかった声を上げる。マコトの目がぎゅっと閉じられ、しどけなく広げられた足の間ではタカシのプラチナブロンドが小刻みに揺れた。
「すげ・・・マコッちゃん・・・・ちゃんと大きくなるんじゃん・・・」
 口の中で限界まで大きく膨れ上がったものを、口から離してタカシが見つめる。唾液で光るマコトのモノに、タカシが息を飲んだ。
「じゃあちょっと、俺準備するから・・・待っててね」
 タカシが言って、マコトの先走りを指先で掬い取る。下着を膝辺りまで脱ぐと、自分で双丘の谷間を割り、指を差し入れた。
「っ・・・」
 息をゆっくりと吐きながら自分の唾液を足して滑りをよくする。マコトはぼんやりとそんなタカシを見上げた。
「ど・・・かな?・・・ちょっと・・・せまいかも」
 首を傾げながら、タカシがマコトの太腿の上に乗ってくる。マコトは乱れる呼吸に胸を上下させながら、虚ろに言った。
「折れたら・・・どうすんだよ・・っ」
「折れたら・・・・・俺の・・あげるよ」
 折れる訳はないのに、タカシが笑ってマコトの上に覆い被さる。自分の膝を開いて、マコトのモノを指で掴む。そのまま場所を確認して、ゆっくりと、腰を下ろした。
「あ・・・はぁ・・・・」
 口を開いて息をしながら、マコトの大きなモノを飲み込んでいく。マコトが、締め付けの強さに、眉を寄せた。
「う・・・わっ・・・・こんな・・・・」
 マコトが喉を反らせて呟く。ゆっくりと腰を使いながらタカシがマコトのものをくわえ込み、マコトのモノの意外な大きさに、タカシが苦しげに喘いだ。
「マコッちゃん・・・ちょっと・・・動かない・・・で・・・」
 マコトの両肩に手を置いて、タカシが動きを止める。浅く速い息を繰り返し、タカシがマコトを見下ろした。
「マコッちゃん・・・どう?クロウトさんよりも、俺の方が良いっしょ・・」
 マコトが、締め付けのきつさに力なく肯く。それに歪んだ微笑みを浮かべると、タカシがまた腰をゆっくりと下ろしはじめた。
「あっ・・・ばかっ・・そこ・・」
 その時、マコトが声を上げて、腰を震わせる。タカシがマコトを見ると、マコトが短い声とともに、タカシの中にそのほとばしりをぶちまけた。
 寿司屋で、最後にとって置いたイクラを取られたような顔で、タカシがぐったりとしたマコトを見る。
「そんなぁ、マコッちゃん・・・・これからなのにぃ・・・・・」
 マコトの方は、そんなことを言われてもといいたげな瞳でタカシを見返す。と、タカシが腰を上げて、マコトのモノを引き抜いた。
 トロッと、マコトの後を追って、何億何千の兄弟たちがタカシの内腿を伝う。タカシは、にやりと意地悪く笑うと、そのまま中途半端な形状を保つものを再び自分の入り口にあてがった。
「こっちの方が、食べやすそう」
「バカッ・・・無理だっツーの」
「20だもん、そんな訳ないっしょ」
 根本を刺激しながら、マコトのモノを再び自分の中へ入れていく。案の定、マコトの放ったものと大きさの関係で、すんなりと収まっていく。根本まで飲み込むと、タカシが満足そうに息をついた。
「マコッちゃん・・・長いよ・・・・内臓・・えぐられてるみたい」
 言いながら、早くもタカシが腰を使って内側のマコトを刺激しはじめる。マコトは立て続けに襲う感覚に、身体をかがめてタカシのタンクトップを握り締めた。
「あっ・・・んんっ・・・・すご・・・っ・・・」
 刺激に敏感に反応するマコトのものに、タカシが喉を反らせて喘ぐ。
「どんどん・・・おっきく・・な・・・っ・・」
「きつ・・・っ・・・きちぃんだよっ!・・・」
 二人の呼吸と、クチュクチュとつながる音が響く。タカシの腰の動きを止めようと、マコトがタカシの腰をつかむ。それでもタカシがやめずにいると、マコトが藁をも掴むように、タカシの前で天を仰ぐモノに指をかけた。
「・・はっ・・・んんっ・・・だ・・・め・・マコッちゃ・・・んっ」
 自分のモノを刺激され、タカシの腰が一瞬引ける。そこを逃がさずにマコトがタカシの身体を引き止めると、やっと息をつけたように、マコトが深呼吸を繰り返した。
「バカ、お前っ・・・俺のこと・・・っ殺す気か!?・・・息くらい・・・させろよっ・・」
 その間もマコトの手はタカシのモノを弄んでいる。
「一人で勝手に・・・いろいろやりやがって・・・っ・・・」
「だって・・・やりたいんだもん・・・・っ・・・」
 口唇の間から舌を覗かせる。タカシはマコトの腕から逃れようと、快感に震えながらも身体をよじった。
「そんな一方的に・・・いつまでもさせるかよ・・」
 マコトは自分にまたがるタカシの太腿に手をかけて、それを大きく開かせる。両腕でタカシの足を持ち上げると、マコトが乾いた口唇を舌で濡らして言った。
「犯して欲しいんだろ・・・やってやるよ・・・」
 そのまま自分よりは幾分細いタカシの身体を持ち上げ、揺さぶりはじめる。微笑んだタカシの両腕が、マコトの首に回った。
「ああっ・・・んっ・・・・すご・・・っ・・・」
 マコトの額に汗がにじみ、タカシのタンクトップの色が変わりはじめる。タカシが中のマコトをきつく締め上げ、つながる音がリズミカルに響いた。
  誰もいないロッカールームに、タカシの喘ぎ声が反響する。マコトも半開きの口から、時折くぐもった声を漏らした。
「んんっ・・・もっと・・・もっと、マコッちゃん・・・あんっ・・」
 マコトの動きに合わせて、絶え間なくタカシが声を上げる。
 渇いた喉を唾液で潤し、マコトはタカシの腰を抱くと、つながったままタカシの身体を床に横たえた。
「こっちの方が・・・いいだろ・・っ・・」
 タカシの頭の脇に両手をついて、マコトが腰を使う。タカシの足がマコトの腰に絡んで、動きに合わせてしどけなく揺れた。
「んっ・・・あんっ・・ああっ・・はっ・・・ふっ・・・んっ」
 えぐるように何度も打ち付ける。タカシの細い喉がマコトの腕の間で幾度も左右に振られた。マコトの汗が、タカシの首筋に落ちる。
「マコッちゃんっ・・・マコッちゃんっ・・・あんっ・・・いいっ・・・」
 もはや何を言ってるのか分からないように、タカシは喘ぎ続ける。タカシのモノからは雫が溢れ、自らの裏筋を滴っていた。
「ううんっ・・・・マコッちゃん・・・・だめ・・イッちゃう・・・もう・・・」
「はっ・・・んっ・・・」
 熱い息が絡み合って、虚ろな瞳で視線を交わす。マコトのガウンの襟を掴んで引き寄せ、タカシがマコトの半開きの口唇に舌を差し入れた。
「ん・・ふっ・・・・んぐ・・・っ・・・」
 機械のように早く打ちつけるリズムに、タカシがきつく目を閉じる。
「そろそろっ・・・俺も・・・やばいかも・・っ・・・」
 口唇を離したマコトも両肘をタカシの頭の脇につき、抱えるようにタカシの身体を抱く。徐々に、腰の動きがはじかれるように加速。追いかけるように、再びタカシがマコトの口唇をむさぼった。
「んんっ・・・ふ・・あっ・・・・んんんんんんっっっ・・・・」
 舌を絡めたまま、タカシの足がマコトの身体にしがみつく。そのままやってくる甘美な痙攣。それを待っていたように、マコトもタカシの身体を抱きしめると、徐々に腰の動きをゆるめ、そして崩れ落ちるようにタカシの胸の上に頭を乗せた。
「はあっ・・・・はっ・・・」
 落着かない呼吸でタカシが天井を仰ぎ、マコトの背に回されていた手が、パタリと落ちる。マコトは目に入った汗がしみるのか、目をきつく閉じたままタカシの中から自分を引き抜き、再びロッカールームの壁にもたれかかった。
「っ・・・はっ・・・・」
 二人ともが荒い呼吸のまま、虚ろに視線をさまよわせる。内腿を伝うマコトの放ったモノの感触に、タカシが薄ら笑った。
「マコッちゃん・・・・サイコー・・・ッ・・」
「何・・やってんだ?・・・俺ら・・っ・・・」
 マコトはまだ自分のしたことを信じられないように、視線を泳がせながら、けだるげに額の汗を腕でぬぐった。
「おめでと・・・・これで・・・素人童貞の肩書き、返上・・・ってとこ?」
「これでも・・・返上か?・・・」
「だって俺、クロウトさんじゃないもん・・・」
「そりゃ・・そうだけどさ・・・・・」
 タカシは床に横たわったまま、自分のモノのついたタンクトップを脱ぐ。そして片足に絡まっていたカーゴパンツとトランクスをだらだらと脱ぐと、ごろんと横たわったまま全裸になった。
「何してんの、お前?」
「風呂入る」
「まぁ・・・そうだな。そう考えると、かなり便利だな、ここ」
 だから発展場になるのかとマコトは思いながら、自分もタカシのモノで汚れたガウンを脱いだ。
「だから、またしようねぇ〜」
 いつもの飄々とした口調でタカシは言うと、そのなめらかな肌を誇示するように立ち上がる。すらりと伸びた、均整のとれた身体。
「ば〜か」
 マコトはそうとだけ言うと、丸めたガウンをタカシに投げつけた。
「ねぇ、マコッちゃん」
「あん?」
 汗ばんだ顔でマコトが片眉をあげる。するとタカシが眠そうな瞳で座ったままのマコトを見下ろした。
「俺のモンになれよ」
「やなこった」
「俺のモンになれってば」
「断る」
「じゃあ、俺のこと殺してよ」
「はぁ?」
 妖しく輝くタカシの瞳を、マコトは伺うように見つめ続ける。
「でないと、俺がマコッちゃんのこと・・・殺すかもしれないよ」
 そして、いつものように人を小馬鹿にしたような笑いで風呂場へと消える。
 マコトはその残像を見つめながら、ふざけた冗談を聞いたように苦笑した。
「眠っ・・・・ふわあっ・・・」
 襲い来る睡魔を振りほどくように頭を振る。マコトは立ち上がると、捨て置かれたタカシのタンクトップと自分のガウンを拾って、脱衣籠の中に放り込んだ。
 風呂ん中で寝ちまうかも知れないなぁ、と思いながら。


 さて、最後に殺されるのはどっち?





−暗転−
続く・・・のか???


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