「被団協」新聞 1999.3月

インドで遊説2週間

 インドでは、昨年5月のバジパイ政権による核実験強行という深刻な事態に対応して、労働組合を中心に、建国以来の非同盟中立、平和・非核の国是を守れ、核兵器をただちに廃絶せよ、という国民世論が急速にもりあがっています。

 このたび、全インド平和連帯機構の招きに応じて、原水爆禁止世界大会実行委員会が1月17日から30日まで、インドへ10人の平和使節団を送り、核兵器の緊急廃絶のための国際共同行動の強化を訴えました。

 私は、この機会に何としても、核兵器のほんとうの恐ろしさと広島・長崎の心をできるだけ多くの人に語り伝えたいと思い、代表団に参加しました。被爆者ではもう一人愛知県被団協の事務局次長水野秋恵さんも参加しました。

 14日間にデリー、カルカッタ(西ベンガル)、ブバネシュワール(オリッサ)、チェンナイ(タミルナドゥ)、コーチン、トリチュール、コラム、トリバンドラム(ケララ)、ムンバイ(マハラーシュトラ州)と、6言語圏、15、6の市町村をまわり、50回余にのぼる集会や懇談をおこないました。

 ニューデリーでナラヤナン大統領に会い、核兵器廃絶への努力を要請したのをはじめ、野党国民会議派党首で時期大統領候補のソニア・ガンディーさん、元首相グジュラル氏とも親しく面談することができました。

 予定されていたバジパイ首相との面会は、先方のつごうで残念ながら実現しませんでした。

 この他デリーでは二つの野党の幹部との面談、中規模の集会、記者会見などがあり、充実した2日間でした。

 3日目西ベンガル州カルカッタへ移ると国賓待遇の大歓迎です。そしてそのまま帰国の前日まで、毎日行事日程が目白押し。大小の集会、インタビュー、レセプション、文化行事と目の回る忙しさで、手応え十分、反核の草の根が力強く芽生えているのを感じました。

 写真パネル「原爆と人間展」1セット、パンフ「HIBAKUSHA」50冊、英文パンフ「原爆と人間展」30冊、私の訴えの文書(A49ページ)15部を集会毎に展示したり、贈呈、配布しました。 ▼「報告集」(頒価600円)は事務局へ。


核廃絶など4テーマで討論 ハーグ平和集会 派遣要綱きまる

 オランダ・ハーグで5月12日から15日まで開かれる「戦争のない21世紀をもとめる国際平和市民会議」への日本代表団の派遣要綱が2月20日きまりました。

 出発は5月11日、12日午前開会総会、午後はテーマ別全体会、13〜14日テーマ別会議、15日午前に閉会総会。代表団は、会議と並行して「原爆と人間展」「被爆者の証言の会」や世界の代表と交流します。

 討論のテーマは、@国際人道、人権強化。A武力紛争の予防、平和解決。B核兵器廃絶、軍縮の発展。C戦争要因の解明と平和の文化創造。

 会議終了後、既報のとおり3コースに分かれ都市訪問し、21日帰国。

 参加費用は、約40万円。被爆者の申し込み締切は3月25日。各県被団協を通じ事務局へ。

 日本被団協では、肥田舜太郎中央相談所理事長ら四人を派遣する予定で実相普及募金100万円を募集することにしました。 ご協力をお願いします。


ソチ市(ロシア)で原爆展

 鳥取市の被爆者・伊谷周一さんは、「原爆と人間展」パネルを、国際平和とうろう交換運動で知り合ったロシア、カナダ、リトアニア、インド、イギリスの友人に贈ってきましたが、ロシア・ソチ市のウラジミール・マンジコフさんから原爆展開催の手紙が届きました。

 これによると、昨年12月25日、ニコライ・オストロフスキー文学記念館で「核戦争に反対する子どもたち」の行動が行なわれ、260人の子どもたちが灯ろうをつくって持ち寄り、パネル展を見ました。


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