日本被団協は6月1日、40名の参加でJR目黒駅前で抗議行動をし、インド大使館、パキスタン大使館を訪れ要請しました。パキスタンへの要請は以下の通りです。5月28日の1回目の実験後にも同様の要請書を送っています。


1998年6月1日

パキスタン国 首相

ミアン・ナワズ・シャリフ閣下

日本原水爆被害者団体協議会

                                              代表委員 伊東 壮

                                              代表委員 伊藤 サカエ

                                              代表委員 山口 仙二

                                              事務局長 藤平 典

核兵器実験にたいして抗議し 核兵器廃絶を求める要請

 貫国が5月28日と30日の両日にわたって、6回もの地下核兵器実験を強行したことに、われわれ原爆被害者は、満身の怒りを込めて抗議します。

 貴閣下は、「広島、長崎の二の舞はしたくなかつた」といって核実験を正当化しておられますが、すべての核兵器を地球上からなくす以外に、「二の舞」を繰り返さない確実な保障はないと、われわれ被爆者は考えます。

 核兵器は製造、実験、保有、使用、解体のすべての過程で放射線被害を人間と 環境に与えています。われわれ広島、長崎での原爆被爆者は、一発ずつの原爆で 家族、親類、友人、知人を奪われただけでなく、53年たったいまでも放射線の後障害に苦しめられています。核保有国が行なった実験によって、実験地周辺に 数百万人の放射線被害者がつくりだされて苦悩にあえいでいます。

 われわれは貴閣下および貴国指導者が、これら被爆の実相を冷静に直視することを求めます。そして貴国民にも知らせることを求めます。

 核兵器は、絶対に人間と共存できない非人道、残虐な悪魔の兵器です。核兵器によっては人類の未来が保障されないこと、核兵器を廃絶する人間の英知こそが、 地球と人類の未来を切り開くことを知るべきです。

 われわれは、貴国の核実験に抗議するとともに、次のことを強く要請します。

  1. 核兵器による被害がどんなに残酷なものであるかを直視してください。核兵器によっては、自国民の平和も安全も守れないことを知ってください。
  2. パキスタン政府は、対抗的手段としての核保有政策を変更し、いかなる種類の核兵器も保有しないようにしてください。
  3. パキスタン政府は、すべての核兵器を廃絶する国際条約を締結するよう尽力してください。


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