2000年4月7日
アメリカ合衆国大統領
ウイリアム・J・クリントン閣下
日本原水爆被害者団体協議会
                                                                                                       代表委員 山口 仙二
                                                                                                       事務局長 藤平 典

度重なる臨界前核兵器実験に抗議する

 貴国は、4月7日未明(日本時間)、ネバダ核実験場で「オーボエW」臨界前核兵器実験を行なった。1997年7月以来11回目の臨界前核兵器実験である。
 われわれ広島、長崎の原爆犠牲者は、貴国が3月に10回目の臨界前核実験を行なったさいにも、核兵器の性能アップにつながる、このような臨界前核実験をくり返さないよう、貴大統領に強く要求した。
 われわれ原爆犠牲者に、ただの一回も謝罪することなく、また新たな核兵器の被害者をつくりだそうとする貴国の核兵器政策に、満身の怒りを込めて抗議する。
 今回の実験は、NPT(核不拡散条約)再検討会議が開かれる直前の実験である。同条約第6条は、核保有国の核軍縮への努力を求めている。非核保有国からは、条約を踏みにじってなんの努力もしない核保有国、なかでも貴国に、強い批判が寄せられている。貴国は条約順守の義務を果たすべきである。
 核戦略体制を維持し、CTBT(包括的核実験禁止条約)の批准さえ拒否する貴国の核政策を、われわれ被爆者は絶対に許すことができない。

 私たちは全人類の名において貴閣下に要求する。

1 臨界前核兵器実験の計画を中止せよ。
2 NPT条約第6条にしたがって、核軍縮の努力を開始せよ。
3 CTBTを批准し、核兵器実験のすべての計画を放棄せよ。
4 99年の国連総会の決議にしたがって、核兵器廃絶を「誓約」せよ。
5 期限を切って核兵器を廃絶するための核兵器廃絶国際条約を締結せよ。


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