アメリカ合衆国スミソニアン航空宇宙博物館館長  ジョン・デイリー殿
アメリカ合衆国大統領              ジョージ・W・ブッシュ殿


広島に原爆投下した「エノラ・ゲイ」を公開するのなら

「被爆の惨禍」を示す資料も展示してください

 
 米スミソニアン航空宇宙博物館は、広島に原爆投下したB29爆撃機「エノラ・ゲイ」を完全復元し、12月から同機を一般公開しようとしています。その説明文はエノラ・ゲイの性能などに多くを割き、原爆投下については「1945年、最初の原子兵器を広島に落とした」など短くふれるにとどまるといいます。また、デイリー館長は「ここは技術の博物館であり、技術的進歩に焦点をあてた」と説明している、と伝えられます。

 私たちは、深い驚きと怒りを禁じることができません。エノラ・ゲイがもたらしたものは、原子爆弾によって無残に殺された10数万市民の尊い命の損失であり、生き残った被爆者を今日まで苦しめつづけている深い傷と放射能障害です。広島でその年に死んだ人の65%は、幼な子たち、女性たち、老人たちでした。その非人道で国際法に違反する残虐な被害をもたらした飛行機を「技術的進歩」の証として称賛することを、私たちはとうてい受け入れられません。
 エノラ・ゲイの展示をおこなうのであれば、原爆がもたらした「惨禍」をも隠さず展示すべきです。
貴国政府は2000年核不拡散条約(NPT)再検討会議で、「自国の核兵器の完全な廃絶を達成」すると「明確に約束」しました。「約束」に忠実なら、貴国は核兵器廃絶の世論醸成につとめる責務を負っているのであり、今回の展示も「広島を繰り返さない」決意のもとにおこなわれるべきです。
 私たちは、署名をもって、あなた方に要求します。
 「エノラ・ゲイ」一般公開にさいしては、同機により投下された原子爆弾の被害を示す写真や資料を、あわせて展示してください。
 もしそれができないのであれば、「エノラ・ゲイ」一般公開をとりやめてください。

名   前
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  日本原水爆被害者団体協議会 
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