日本被団協は全国の被爆者代表とともに6月6日、インド、パキスタンの両大使館を訪れ、参事官に面会、両国間の紛争の平和的解決を求めて要請しました。

2002年6月6日

インド首相 
アタル・ビハリ・バジパイ閣下

日本原水爆被害者団体協議会


 今、貴国と隣国パキスタンとの間に続いている緊張した状態は、まったく憂慮に堪えない事態です。カシミール地方を巡る紛争が軍事衝突を引き起こし本格的な戦争に発展する危険性が現実味を帯びてきています。核保有国となった両国が戦火を交えるということは、核兵器使用の可能性に道を開くことになりかねません。そうなれば、その惨禍は計り知れないものがあります。

 57年前、広島、長崎においてアメリカの原爆投下によって人類史上未曾有の被害をこうむった私たち被爆者は、原爆=核兵器がいかに残虐で非人道な兵器であるかを身を持って体験しました。私たちは、人類の上にそのような被害が二度と繰り返されることがないよう願って、「再び被爆者をつくるな」と世界各国に訴え、核戦争の危機を未然に防ぐために努めてきました。私たちは、核戦争被害の生き証人として、現在の両国の間の緊迫した状態は到底見過ごすことができません。

 私たちは、一日も早い平和的解決に向けて、貴国が慎重かつ冷静な判断にもとづいて万全の措置を取られることを期待して、次のように要請します。

1. 現在の紛争の焦点となっているカシミール問題の解決にあたっては、武力行使の道を選ぶことなく、あくまでも平和的解決の道を追求すること。
2. いかなる事態にあっても核兵器は絶対に使用しないこと。
3. 両国が、核兵器保有国としてCTBTを早期に批准するとともに、核兵器の廃絶に向けた国際会議の開催など、他の核保有国に対してイニシアチブを取って対応すること。


2002年6月6日

パキスタン大統領
パルヴェーズ・ムシャラフ閣下

日本原水爆被害者団体協議会


 今、貴国と隣国インドとの間に続いている緊張した状態は、まったく憂慮に堪えない事態です。カシミール地方を巡る紛争が軍事衝突を引き起こし本格的な戦争に発展する危険性が現実味を帯びてきています。核保有国となった両国が戦火を交えるということは、核兵器使用の可能性に道を開くことになりかねません。そうなれば、その惨禍は計り知れないものがあります。

 57年前、広島、長崎においてアメリカの原爆投下によって人類史上未曾有の被害をこうむった私たち被爆者は、原爆=核兵器がいかに残虐で非人道な兵器であるかを身を持って体験しました。私たちは、人類の上にそのような被害が二度と繰り返されることがないよう願って、「再び被爆者をつくるな」と世界各国に訴え、核戦争の危機を未然に防ぐために努めてきました。私たちは、核戦争被害の生き証人として、現在の両国の間の緊迫した状態は到底見過ごすことができません。

 私たちは、一日も早い平和的解決に向けて、貴国が慎重かつ冷静な判断にもとづいて万全の措置を取られることを期待して、次のように要請します。

1. 現在の紛争の焦点となっているカシミール問題の解決にあたっては、武力行使の道を選ぶことなく、あくまでも平和的解決の道を追求すること。
2. いかなる事態にあっても核兵器は絶対に使用しないこと。
3. 両国が、核兵器保有国としてCTBTを早期に批准するとともに、核兵器の廃絶に向けた国際会議の開催など、他の核保有国に対してイニシアチブを取って対応すること。


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