2002年4月8日
国連事務総長 コフィ・アナン殿
議長、各国代表者各位

敬愛する事務総長殿
敬愛する各国代表のみなさま

 広島・長崎の原爆の生き残りとして、私どもはみなさまに、30万被爆者ととその数を越える原爆死没者の痛切な願いを伝えるためにやってきました。
 核兵器は、みなさんがよくご存知のように、人類が作り出したもっとも恐ろしい非人道兵器です。それは、人類絶滅の兵器であり、悪魔の道具です。1日も早く廃絶しなければなりません。そのことを誰もが知っていながら、なぜこのようなおそろしいものがこの地球上に置かれているのか、私たち被爆者は理解することができません。
 ブッシュ米国大統領とその政権が最近発表した核態勢見直し計画は、全人類を絶滅の危機に陥れる恐怖の計画です。それは狂気の沙汰としか言いようがありません。まさしく悪魔の計画であり、絶対に阻止しななければなりません。

みなさん
 ブッシュ大統領と米国政府にこの計画を放棄するよう、あらゆる努力をかたむけて圧力をかけてください。私たち被爆者もできる限りの力をつくします。どうぞ、私たちを使ってください。どこへでも出かけて、あのおそろしい核戦争地獄の体験を証言します。アメリカ政府に2000年5月のNPT再検討会議確認した「自国の核兵器の完全な廃絶を達成するという明確な約束」の実行をせまってください。
 これまで半世紀をかけて積み上げてきた成果を一気にひっくり返す暴挙を断じて許さないでください。
 このたびの準備委員会では、前回の見直し会議の成果を再確認して、核兵器廃絶へ向かって大きな、確実な一歩を踏み出してください。どうか、皆さまの英知を示してください、共同の力を見せてください。
 心からの敬意をこめて
                                           坪 井  直 (代表委員)
                                           山 口 仙 二(代表委員)
                                           藤 平  典 (代表委員)
                                           田 中 煕 巳(事務局長)


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