2001.9月のドミニカから2年
ひでと英治のコンビがトリニダードに行ってきました。
2003.9月
トリニダード トバゴ採集紀
採集紀と画像集をご覧下さい
『トリニダード島昆虫採集記』
トリニダード・トバゴとは、トリニダード島とトバゴ島の二つの島国からなる共和国である。ヘラクレスが生息すると思われる高標高の所に道と白色水銀灯があるかどうかが今回の採集の勝負の分かれ道といったところだろうか?こればかりは自分達の足を直接運んで確かめるより無いのだ。初日は標高の高いところにあるコテージに泊まることになった。コテージのオーナーに近くを車で案内してもらうが良いポイントは無く、コテージの水銀灯を見回るがビロバの雄とガ、カマキリ、その他の甲虫などを採集したに過ぎなかった。オーナーもヘラクレスを見たことが無いそうだ。ここで採集するのは不可能なようだ。
二日目、コテージの周りでダモノタテハ(どこにでもいるのでそう言われている)の仲間などを少しばかり採集しツアーガイドと一人の青年がやって来た。聞くところによると彼はヘラクレスを採集できるガイドなので一日US$50支払って連れて行くと良いというのだ。しかし、大抵の場合これがヘラクレスではないので彼にそのヘラクレスとやらを持って来てもらうと案の定クロツヤムシだった。申し訳ないが彼らには少しばかりの御礼をして帰ってもらう事にした。やはりここの周辺では難しいのでオーナーに頼んでコテージを後にする。
空港まで送ってもらいレンタカーを借りいつもの自力本願採集だ。山へと入る道を首都であるポートオブスペイン側から順番に入っていくことにする。日も暮れてきてそろそろ頃合だ。しかし、一本、二本、三本と山に向かって上っていくがどれもこれも芳しくない、標高がなかなか上がっていかないのだ。もしかすると、トリニダード島には私達が考えるような採集ポイントは無いのかも知れない、私とエイジ氏はそう言いながら目を合わせた。「これは山の中で灯火を点けるしかないかも知れないな」エイジ氏は言う。ガイドのボニーを家まで送った後オールナイト採集をすることにする(いつものことだが・・・)山道を何本も入り、そう、私達が諦めかけた頃に白い灯りが煌々と輝いているのが見えた、車をそこに止めると一人の女性が出てきたのでヘラクレスの写真を見せると「ええ、知っているわよ。」と言う。トリニダードへ着てから多分知っているとか、見たような気がするとか曖昧な返事を何度も聞かされて期待を裏切られてきたが彼女の断定的な発言に「これは期待できるぞ!」と意気込んだ。彼女に「この周りを探しても良いですか?」と尋ねると快く「オーケー、ノープロブレム!」と言ってくれた。しばらく辺りを探していると彼女も一緒に探してくれて彼女が「これじゃないの?」とカブトムシを一匹持ってきた。なんと、ヘラクレスの雌だったのだ。私達は自力でこのポイントを見つけたことを素直に喜んだ。「毎日ここに来ても良いですか?」私達が訪ねると「いいわよ」と彼女は答えてくれた。さあ、これからがヘラクレス採集の始まりだ!
三日目、四日目と自己採集は成らなかったものの私達が来るであろうと彼女がヘラクレスのメスを採っておいてくれたので手持ちのメスは6匹となった。しかし、贅沢と言われるかも知れないが私達は自己採集するためにここまで来たので、早く自分達で見つけたい、早くオスを採集してみたいと切に願っていた。しかし、現実はいつも厳しいのだ・・・・。
それから毎日、ホテルから1時間半かかるのだが行けどもいけどもヘラクレスが飛来しない、月も大きくコンディションが良くない、彼女も何日も見かけないと言う、そしてついにホテルで飼育しているメスが一匹死んでしまった。ビロバや、4本ヅノのカブト、テナガカミキリ、ウグイスコガネの一種、でかいゴキブリなど、毎日いろいろなものを採集するがどうしてもヘラクレスだけは飛んで来なかった。
『やっとやっとの自己採集』
トリニダード入りして早15日間が過ぎてしまった、いよいよ今夜が最後となってしまった。今日は挨拶がてら日暮れ前に彼女ところへ土産を持っていくと彼女は「またトリニダードへ来れば良いじゃない。」と言ってくれた。日が西へ沈み水銀灯がつき始め、私達の最後の採集が始まった。すると、採集を始めて15分ほどたった頃ソイツは現れた。ソイツは側溝のの中でうずくまっていたのだ。私がライトを当てるとソイツのシルエットが浮かび上がった。「いたっ!ヘラクレスのメスだ!」私達は叫ぶや否や夢中でシャッターを切った。そして二人で一緒にそのメスを摘み上げた。Eiji&Hide.legのヘラクレストリニダデンシスだ!残念ながら追加採集こそ成らなかったが、私達の悪運の強さは健在だった、だって、最後の日に自己採集することが出来たのだから。今夜はピザとコーラでささやかなお祝いですね、エイジ氏。さあ、次はどこへ行きましょうか・・・
「D.H.trinidadensisについての感想」
今回現地に足を運び分かったことですが、トリニダード島のヘラクレスは大変貴重で今回は7メスを手に入れることが出来ましたが(うち1匹★)島民の99%はヘラクレスを見たことが無くその存在すら知りません。高標高の場所自体決して多くなく生息数自体も多くないと思われます。ただ、ヘラクレスヘラクレスに比べサイズ的に小さく決して大きくない無いことがよけいにこのヘラクレスの希少度を高めてしまったと思えてならないのです。
Eiji & Hide
トリニダード トバゴ 採集画像集