解説 「様々なTRPG」 |
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TRPGは非常に“原始的(アナログ)”なゲームです。 コンピューターゲームのようにいくらでも同一のものを複製できるわけではありません。 映画や、音楽がそうであるように、同じシナリオでもゲームマスター(監督・指揮者)によって、そして参加するプレイヤー(俳優・演奏者)によって微妙な…あるいは大きな差が出来ます。 また、シナリオ自体も…市販されているものもありますが。多くはマスターが手を入れ、あるいは完全にゼロから作り上げられます。 つまりシナリオはマスター、プレイヤーによってカスタムされます。 更にこれはゲームを実際に遊ぶと、プレイヤーの行動によって大きく変容する場合があります(これは映画や音楽とも違うゲーム特有の点です、ゲームは実際に遊ばれる事で始めて完成されるのです)。 またTRPGには様々なスタイルがあります。 アナログなゲームで様々な方向性を取ることができるTRPGには、絵画や映画のような「スタイル」が存在するのはある意味当然でしょう。 様々なスタイルの大元となったのは、コンピューターゲームなどで一般的になったファンタジーと一般に呼ばれる背景世界で世界やダンジョンを進んでいき、様々な物語に接していきながらキャラクターを成長させていくスタイルです。 このスタイルはコンピューターゲームにしやすく、簡単でわかりやすく面白いので世界に普及しているスタイルです。 現在TRPGで一般的なスタイルはRPGの演劇的な側面を特化したものです。 ファイナルファンタジーなどで「ムービー」等が取り入れるのも、RPGには元来演劇的な要素が含まれているからです。 このスタイルでは、キャラクター同士の関係などを綿密に決め、シナリオでもダンジョンの攻略などよりもミステリーのような人間同士のドラマを主体に置いたものが好まれます。 また、戦争映画のような敵対的環境下で、ひたすらキャラクターを強化し、成功(生き残り、報酬を貯める事?)する事を目指すというスタイルもあります。 こう言ったスタイルは、コンピューターRPGでもひたすらレベルを上げ、最強の装備を目指すといった遊び方をする人には向いているでしょう。 これらのスタイルを複合させたものもあります。 最後に説明した「戦争映画」のようなスタイルに「演劇的」人間ドラマの要素を含めたスタイルには人気があります(近年プライベートライアンやパールハーバー等が非常に人気を博したのは記憶に新しい事でしょう)。 …複雑で覚えきれませんか? 大丈夫です、何でもそうですが自分の好みさえ見つかればそれで楽しむ事が出来ます。 |
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長谷中 義巨 TRPGの実体 |
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