小児生活習慣病について


 非常に残念なことですが、現在日本では子供でも生活習慣病、つまり以前は成人病と言われていた肥満、高血圧、高脂血症、心筋梗塞、糖尿病といった病気が不気味な勢いで子供達の間に広まっているのです。


 小児生活習慣病の一般的は概念は「成人になったときの状態を考慮しながら、小児期から治療や管理をしなければならない疾患」となっています。

 厚生労働省では「小児期のライフスタイルの改善等により予防し得る生活習慣病」としています。


以下の表は、厚生労働省が、明確な問題点を指摘するために3つに分類したものです。

第1群

生活習慣病がすでに小児期に顕在化しているもの

 (成人病型糖尿病・虚血性心疾患・消化性潰瘍)

第2群

潜在している生活習慣病

 (動脈硬化の初期病変が10代の小児の98%に見られる)

第3群

生活習慣病の危険因子がすでに小児期にみられるもの

 (生活習慣病予備軍:小児肥満・小児高脂血症・小児高血圧)

■これらの小児生活習慣病の危険因子

 小児生活習慣病の危険因子としましては、肥満、高脂血症、高コレステロール、高血圧、家族歴、ストレス、運動不足などと言われています。

 1996年の東京都予防医学協会の資料では、これたの有所見者の割合は、小学生で41.5%、中学生で39.3%、高校生で35.6%となっています。小学生最も多い事に驚かされます。

 もっと小さな子供の場合でも、本当は肥満であるのを、体格が良いと勘違いしている傾向もあります。



 「健康が一番!」とましては、子供の生活習慣病の不気味な増加の一因に、砂糖の摂取を考えています。多くのご家庭では冷蔵庫には清涼飲料水のペットボトルがあり、自動販売機でも手軽に砂糖がたくさん入った飲み物が売られています。

 小さい子供のうちから、ジュース、お菓子などを何の疑いもなく親は与えています。

 こういった生活習慣(食習慣)がもっとも影響が多いのではないでしょうか?

 さらに、ライフスタイルの変化から加工されたインスタント食品が多くなる傾向もあり、子供のころから偏った栄養素の摂取傾向も見逃せません。

 こうした食生活では、バランスのよい栄養素の摂取など到底期待できない状況があると思います。こうした背景で成長した子供は精神面での発育もアンバランスになり、ものの善し悪しの判断ができない、道徳心の欠如といった困った現象が起きやすくなると考えることもできると思います。「キレる」を考えるを参照。

 

 日本人は本来、農耕民族です。穀類を主食としてきたため、欧米人に比べ腸が長くなっています。さらに一度食べた糖質などは体内に保持しやすいとも言われています。このため日本人は肥満になりやすくとも言えると思います。

 最近では、“お茶”の清涼飲料水が好まれているようですが、これは砂糖の過剰摂取を減らすという意味では好ましい現象だと思いますが、果たして小学生がジュースを買いに行って、“お茶”を買うでしょうか? これが問題であると思います。


■小児生活習慣病の恐ろしさは、トラッキング現象にあります。

 これは、子供のころの生活習慣病予備軍はそのまま成人期までもそのまま移行しやすいという現象です。

 肥満の場合は、肥満度が高値でかつ年齢が高いほど、成人後も肥満であるという率が高いのです。つまり、肥満対策を実施するならできるだけ早いほうが良いと言えます。

 肥満度(Over Weght)=(実測体重-標準体重)/標準体重×100

  (プラス20%で肥満、10%以上は肥満予備軍)

 BMI= 体重(kg)/身長(m2)

  (BMIが25以上が肥満の目安)



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