アドフリミエロ
※本書の著作権利は作者である林仁にあり、許可無く引用や複製することを固くお断りします。




第2章

---- KEY&ペンタトニック ----
1 平行調と調号(KEY)

        今日はバイトも休みなので、「久し振りに曲作りに取り組んでみるか〜!」と、はりきってギターを
        手にしたぺん太だが、気が付くといつの間にやらスケールを練習している。
        「あれ!何でこうなっちゃうの!」 この繰り返しで「本日の曲作りは終了!」と勝手に決めこみ、
        その手でパンチにメールを送った。★今日は早く終わりそう?マエさんはどう?★ 
        しばらく経ってパンチから返事がきた。★大丈夫だってさ!7時頃に来いってマエさんが言ってた。
        じゃあ待ってるから。★

        カップ・ラーメンに、おにぎりのコンビネーション・ディナー(?)を済ませたぺん太は、メンソールの
        タバコをゆっくりと吸い終わってから、口癖になっている「ヨイショ!」の掛け声と共に腰を上げた。

        到着したスタジオのコンソール・ブースの中では、パンチとマエストロが何やら話している。

        ぺん太「お疲れさまです!」
        マエ 「お〜、来た、来た!」
        ぺん太「マエさん、すいません! 急に、無理言っちゃって。」
        マエ 「いいって!いいって!」
        パンチが、ぺん太の側に来て、ささやいた。
           「マエさんも、最近教えるのが楽しいみたいよ!」
        そう呟くと、後ろを振り返ってマエストロの顔を見た。
        マエ 「何だ、パンチ! にやにやして?」
        パンチ「何でもないで〜す!弁当買いに行ってきま〜す。」
        マエ 「変なやつだな!? まぁいいや、、じゃあ、やろうか。」
        ぺん太「はい! マエさん、今日は、、フレーズ?じゃあ・・ない・ですよ・ね?」
        マエ 「ああ、フレーズはもっと後、今日はメジャーとマイナーについて。」
        ぺん太「やっぱり、まだか、、、」
        マエ 「基本が大事だぞ! 今からやることも、しっかりと頭の中に入れておけば、後が楽になる。」
        ぺん太「覚えるのって、苦手なんだよな〜。」
        マエ 「ぺん太、前にやったCのメジャー・スケールあったろ?」
        ぺん太「5弦の、3フレからのやつですか?」
        マエ 「そう、そう! あのスケールはCのメジャー・スケールだけど、
            Aのマイナ−・スケールでもあるんだ!」
        ぺん太「あっ!それ、、何だっけな・? 知ってますよ。」
        マエ 「ひとつの調号は必ず、メジャーとマイナ−の調(KEY)を1個ずつ持っていて、
            その関係は平行調と呼ばれてるんだけど、、。」
        ぺん太「そう、そう。平行調!」
        マエ 「おっ!知ってるね。さすが、ぺん太!」

        ということなので、今日はぺん太の説明をきいてみよう

        ◎調号とは譜面の最初にあるト音記号の隣に付いている♯や♭の数でその曲のKeyを表すもの

        ♪平行調とは
        例えば調号に♯や♭が1つも付いていなければ、その曲はメジャーだとC。マイナ−だとAマイナ−となり、
        1つの調号はメジャーKEYとその1度からみて6度のマイナーKEYも、そなえ持っていて、
        その2つのKEYの関係を平行調というんだよね!。
        分かりやすく説明すると、CというメジャーKEYがあり、そのダイアトニック・スケールである
        ドレミファソラシドの最初のドは1度、そこから順番に123456と数えていくと6つ目(6度)
        の音はラで、ラを英語に置き換えるとA、だからCメジャーの平行調はAマイナーになるってことだね。
        で、このメジャーかマイナーかを決めるのは、その曲調ってことかな。
        (明るい曲だとメジャー、暗い感じだとマイナー。)

        譜面6


        マエ 「素晴らしいね、ぺん太!。 そう、1度メジャーと6度マイナー。この関係が平行調だ!
            ドからドまでの音を弾けばCメジャー・スケール、ラからラまでの音を弾けば
            Aマイナー・スケール(Aナチュラル・マイナー・スケール)になるわけだな!」
        ぺん太「マエさん、おれも少しは知ってるでしょ!」
        マエ 「あぁ!見直したよ!(笑) ところで、ぺん太? 今の説明はKEYがCで分かりやすかったけど、
            KEYがAやDになった時はどうしてる?」
        ぺん太「それ、それ! 面倒なんすよね。ドからラまで6度上がるの、、」
        マエ 「だったら、ドの音からラの音まで、ドシラって下がったらどうだろう・・」
        ぺん太「どういうことですか?」
        マエ 「分かりやすく、同じKEY=Cで説明すると、ドという音の位置は5弦の3フレットにあるよね。
            6弦だと8フレットだ。」
        ぺん太「それは分かります。」
        マエ 「そこからドシラって、音を下げて弾いてみてごらん?」
        ぺん太「え〜と、・・あれっ! 両方ともフレットが3つだ!」
        マエ 「そうなんだ!ラの音とドの音は1音半の間隔(1全音と半音が1つ=短3度)で成り立っている
            すなわち半音が3つと同じで、ギターだとフレットが3つだ。メジャーのKEYが分かったら、
            逆にそこからフレットをヘッド側に3つ下げたところがマイナーのKEYになる訳だ。」
        ぺん太「へぇ〜!こんなに簡単で分かりやすいんだ!」
        マエ 「だから、5弦ルートと6弦ルートのバレー・コード、そして5弦、6弦の音の位置を
            しっかりと覚えるのが大事だってことだ!」

        参考図1 KEY、AとDの平行調
          [  A   と   F♯m  ]     [  D    と   Bm  ] 
          参考図1
             ●は各々のコード・ルート。灰色は同音
         ◎ 1度の短3度下が6度。 メジャーKEYの3フレット下がマイナーKEY。

        マエ 「じゃあ! ここで便利な調号の読み方を教えようか?」
        ぺん太「そんなのが、あるんすか〜?」
        マエ 「まず、♯と♭の数とKEYの関係をみてみよう。」

        譜面7-1
        譜面7-2

         ◎ ♯が6個と♭が6個のKEYは呼び方が違うだけで、KEY自体は同じ。
           (スケールなどで、音自体の呼び方が変わってくる。)
           実際の譜面はF♯というKEYよりも、♭を使ったG♭というKEYで書かれている譜面が多い。

         ※ 蛇足ではあるが、♯が7個だとKEYはC♯となりD♭と同じであり、♭が7個だとKEYはC♭となるが、
           これもBと同じなので、便宜上♯と♭の少ない譜面の方が見やすいため、普段は使われない。


        マエ 「おれが最初に教わったのは♯がシャープのシで、♭はフラットのファって教えてもらったんだ。」
        ぺん太「あっ!知ってます。♯の方は、♯がいくつ有っても最後の♯の位置がそのKEYのシの位置にあって、
            5線譜上で最後の♯の位置の1つ上がルート(ド)、すなわちメジャーKEYの1度になるんですよね!」
        マエ 「正解!! 5線譜の上で♯が1個の場合はファの位置にあるので、その1つ上のソすなわち
            Gメジャーとなり、♯が2個の場合は2個目の位置がドにあるので、その1つ上のレすなわち
            Dメジャーになるわけだね! じゃあ♭の場合は?」
        ぺん太「やはり複数の♭が5線譜にある場合、最後の♭の位置が、そのKEYのファの位置にあるんだけど、、、
            何だっけな、もう少し簡単な、、えぇ〜と・・・」
        マエ 「OK! 正解だよ! 今ぺん太が言おうとしたのは、♭の場合2個以上になるとファ・ミ・レ・ドって
            下がらなくても、いいってことだろ!」
        ぺん太「そ〜なんです! 思い出した! 2個以上になると最後の♭の1個前に書かれている♭の音の位置を
            そのままフラットを付けて読めばいいんですよね!」
        マエ 「その、とぉ〜り!! ♭が1個はFメジャー。これはファミレドって下がれば、すぐわかるよね!、
            ♭が2個になると1個前の♭の位置はシだよね、シはBだから♭を付けてB♭メジャーになる、
            次に♭が3個だと最後の1個前の♭の位置はミでE、それに♭を付けてE♭メジャー、♭が4個だと、、」
        ぺん太「でも、そんなことなら知ってましたよ。マエさん!」
        マエ 「そ〜怒るなって。実際にぺん太も今、チョットだけ忘れてたじゃん!」
        ぺん太「まぁ〜、おれも、人の子だし・・・」
        マエ 「すねるなよ〜。 ごめん、ごめん! だ・か・ら! ここで、ちょっとした方法がね、、」
        ぺん太「やっぱりね〜! さすがマエさん! そうくると思ってたんだ〜、すてき〜!」
        マエ 「変わり身早いな、おまえ! まぁ、いいか! じゃあ、いちばん簡単な方法を」
        ぺん太「何、それ? 何、なに?」
        マエ 「そんなに寄ってこなくていいから! もうすこし離れろって! まず、いちばん簡単な方法を、、
            と思ったんだけどやめといて!」
        ぺん太「そんな〜!マエさん、出し惜しみしなくたって・・・」
        マエ 「すこしアカデミックな方法から教えるよ。」
        ぺん太「、、アカデミック! いやな予感が・・」
        マエ 「いや、(笑)そんな難しいことじゃないんだ! まず、♯の方から説明すると、♯が1個はKEY=Gで
            6弦の3フレットがルートだよね! 次に♯が2個はDで5弦の5フレットがルートでしょ、
            そのまま♯が1個増えていくごとに前のフレット・ポジションから→5度→5度って規則正しく
            KEYが移っていくのが分かると思うんだけど! どう?」
        ぺん太「ほ〜んとだ! 6弦の3フレ→5弦の5フレ→6弦の5フレ→5弦の7フレ→6弦の7フレットだ!
            なぁ〜んでだ?」

        参考図2
            参考図2
        ※パワーコードがGから2フレットずつ上がると思えば覚えやすい。G→A→B


        マエ 「なぁ〜んで?っていうより、そういうもんだと思えばいいんじゃないの。」
        ぺん太「へぇ〜! 面白いっすね〜!」
        マエ 「じゃあ、今度は♭だ! ♭が1個だとKEY=Fで、6弦の1フレットがルートだけど、
            今は1オクターブ上の5弦8フレットを使おう。♭が2個になるとB♭で6弦の6フレット、
            3個になるとE♭で5弦の6フレット、4個になるとA♭で6弦の4フレット、5個になるとD♭で
            5弦の4フレットってな具合だ!」

        参考図3
            参考図3
        ※逆にパワーコードがB♭から2フレットずつ下がると思えばよい。


        ぺん太「ウワォ〜! おもしれぇ〜! ♯と♭、どっちも規則正しくフレットが上がっていくか、
            下がっていくかなんだ!!」
        マエ 「そうなんだよ! それでね、ぺん太! さっき、アカデミックって言ったのは、この♭の場合の
            フレットの動きなんだ!」
        ぺん太「♭は♯と反対に最初のFから→4度→4度って動いてますよね!」
        マエ 「そう! でも逆に考え方を変えれば、5度→1度=5度→1度って見えてこないかい?」
        ぺん太「え〜? ちょっと待って下さい、、、最初のFが5度だとしたら?、そのルートである1度は、
            B♭で、、あ〜、なるほど5度→1度だな〜。 次にそのB♭が5度だとしたら、1度は、、
            E♭で、あっ!ちゃんと1度に来てる! えぇ〜!ビックリ!。 で、E♭が5度だと、おぉ〜!
            次は1度のA♭だ!!!  すっげぇ〜!!。 まいった!」
        マエ 「、、、ぺん太! 大丈夫か?・・」
        ぺん太「イェ〜イ!!」
        マエ 「何が、イェ〜イだよ! まったく〜!、いいか? よく聞けよ! 一見、→4度→4度に見えるこの動き。
            実は、5度→1度、この1度を5度に置き換えて、又そこから新たに5度→1度という、
            この動きを繰り返している訳だ!」
        ぺん太「分かります! 理解できました!」
        マエ 「この動きを『ドミナント・モーション』(ルートへ解決する進行)といってコード・ワークには
            欠かせない展開のひとつだ!」

        参考図4 

           参考図4

         ◎ そもそもドミナントとは、ダイアトニック・コードの5度のことであり、4度をサブドミナントと言い、
           これに1度(トニック)が加わるとスリー・コード(3コード)と呼ばれロックン・ロールやブルース
           などでは、常連さんのコードである。


        マエ 「さぁ〜! お待たせしました! 約束どおり、いちばん簡単な調号の見分け方を教えよう!」
        ぺん太「待ってました!」
        マエ 「では♯から、まず♯が1個→G、3弦の開放!(0フレット) ♯が2個→D、4弦の開放! 
            ♯が3個→A、5弦の開放! ♯が4個→E、6弦の開放!  ♯が5個→B、2弦の開放!ど〜だ!」
        ぺん太「へぇ〜! 全部開放で3弦から4、5、6って下がってくるんだ!」
        マエ 「そう! ただ、次がいきなり2弦に跳ぶけどね!」


         参考図5


        マエ 「じゃあ、♭の方だ! ♭が1個→F、6弦の1フレ! ♭が2個→B♭、5弦の1フレ! 
            ♭が3個→E♭、4弦の1フレ! ♭が4個→A♭、3弦の1フレ! ♭が5個→D♭、2弦の2フレ!
            ってな感じで今度は1フレット攻勢だな!」
        ぺん太「やはり最後だけ変化があって、2弦の2フレットに跳ぶんですね!」
        マエ 「まぁ、そのへんは勘弁してよ! でも覚えやすいでしょ!」


         参考図6


        ぺん太「マエさん! おれ、今日は頭使って疲れちゃいましたよ!」
        マエ 「あぁ〜!おれも急に疲れが出て来たよ! 今日はこれくらいにしておこうか?」
        ぺん太「そうしましょ・・」
        マエ 「やっぱ、俺達って頭使うの・・・」
        マエ・ぺん太「向いてねぇ〜!」

        ロビーに出たぺん太は、TVを観て幸せそうに笑いながらコンビニ弁当を食べているパンチに声をかけた。
        「おつかれさん!」



2 ペンタトニック


        「ヒェー! 今週は暇だな〜・・最近はスタジオの運営も大変だってことだ!」
        空白の目立つスケジュール表の映った、コンピューターのディスプレイを眺めながら遅い昼食を
        とっていると、入り口のドアがゆっくりと開いた。慌てたぺん太は口の中の物を飲み込んで、、
        「おはようございます!」
        「俺だよ!」
        「なぁ〜だ、マエさん!」

        ぺん太「驚かさないで下さいよ〜、咽に米粒がくっついちゃいましたよ!」
        マエ 「わりぃー、わりぃー!」
        ぺん太「あれ? マエさん今日は休みですよね?」
        マエ 「あぁ! でも昨日の録りで気になるところがあってさ〜。」
        ぺん太「それで、わざわざ?」
        マエ 「明日もその続きだから、今日のうちに直しておこうと思ってね!」
        ぺん太「マエさん、、それって時間かかんの〜?」
        マエ 「えっ?・・OK!分かった、分かった! でも今日はあまり長くやらないよ! 
            久し振りにパチンコ行くって決めてんだから・・」

        1時間程経つとマエストロがスタジオから出て来た。

        マエ 「ぺん太! やるぞ〜!」
        ぺん太「ハ〜イ!」
        マエ 「今日はここでやろうか、誰か来た時に受け付けがいないとまずいからな!」
        ということで、ロビーでのレッスンが始まった。
        マエ 「さぁ〜てと、何をやろうかな?」
        ぺん太「そろそろ、フレーズなんてのは? いかがですか?」
        マエ 「あっ、そうそう!おまえの得意なペンタトニック。これにしよう!」
        ぺん太「人の言うこと全然聞いてないんだから、まったく!」
        マエ 「やっぱり、パチンコ行こうかなぁ〜」
        ぺん太「はい、分かりました! お・ね・が・い、します!」
        マエ 「じゃあ、最初に分かりやすくCのメジャー・ペンタで説明するよ。」
        ぺん太「何でCが分かり易いんですか?」
        マエ 「だって、♯も♭も付かないからでしょ! 分かってる?」
        ぺん太「はい!分かってます。・・・何か変だな〜!」
        マエ 「しばらく黙って聞いてなさい。」
        はい! ではマエストロさん、どうぞ。

        ♪ペンタトニック・スケールとは
        まず、ペンタトニック・スケールはメジャー・ペンタトニックとマイナー・ペンタトニックの2種類があり、
        一般のメジャー・スケールやマイナー・スケールの音階とは違い、5音階で構成されているのが大きな特徴で、
        ロックやブルース、フュージョン、ジャズに至るまで、アドリブの基本スケールになっていると言っても
        過言ではない。 簡単そうに見えるが実は、なかなか奥が深いスケールなんだな〜。

        ♪メジャー・ペンタトニックとは
        ポップスなどの明るい感じの曲、すなわちメジャーKEYで使われることが多い。
        Cのメジャー・ペンタを構成する5音階とはド・レ・ミ・ソ・ラ・となりメジャー・スケール上の
        4度と7度が含まれていない。この音階を単純にドレミソラソミレドと1往復させてみると、
        印象的には往年の歌謡サウンドを日本人として連想しがちだが、この「メジャー・ペンタ」は
        ジャズとも馴染みがあり、このスケールを使いこなせたら大したものだ!

        譜面8 
        Cのメジャー・ペンタ音階&ポジション
        譜面8  譜面8-2


        ♪マイナー・ペンタトニックとは
        ロックなどで多用される最もオーソドックスなスケール。(ブルースなどでも使われるが、
        その場合はブルース・ペンタトニックという呼び方になる。説明は後で)先程の
        メジャー・ペンタのフレット・ポジションをそのまま3フレット上に(ブリッジ側)ずらせばOK!
        すぐにCのマイナー・ペンタが出来上がる。

        ここで前に出てきた平行調を思い出してみよう。平行調はメジャーのルート・フレットから
        3フレット下がった(ヘッド側)位置がマイナーのルートになっていたよね。 
        ペンタトニックでは、その曲のルートの位置(6弦のフレット)をバレーと同じように押さえた
        フォームがマイナー・ペンタ、そこから3フレット下げればメジャー・ペンタという関係にあり、
        平行調のメジャー←→マイナーの呼び方と逆になっている訳だ。 この違いをしっかりと覚えておこう!
        (Aマイナー・ペンタトニック=Cメジャー・ペンタトニック)
        では、KEYを変えてAのマイナー・ペンタで説明すると、この場合の5音階とは、ラ・ド・レ・ミ・ソ
        となり、これらの音の並びが「Aのマイナー・ペンタトニック・スケール」と呼ばれる。
        (構成音はCのメジャー・ペンタと同じ)このペンタトニック・スケールも6弦ルートと、
        5弦ルートの両パターンをフレット・ ポジションで覚えるのが大事な訳だが、
        これはコードを知っていれば早く覚えられそうだ! というのも例えばAのマイナー・ペンタだったら
        6弦ルートと、5弦ルートどちらもAmとかAm7というコードと同じ形なんだ! 
        そして、このフレット・ポジションの中でよく使うチョーキング・ポイントも説明しておこう。

        譜面9 
         Aのマイナー・ペンタの音階&ポジション2種類。(6弦ルート&5弦ルート)
         ●はルート、灰色はチョーキング・ポジション
        譜面9-1
        譜面9-2


        ぺん太「マエさん、さっき言ってたブルース・ペンタトニックって?」
        マエ 「あぁ! ブルース・ペンタね、OK! 今から説明するよ」

        ♪ブルース・ペンタトニックとは
        音の並びはマイナー・ペンタトニックとまったく同じだが、KEYの違いで呼び方が変わる。
        仮にKEY=Aというブルースの曲があり、その調号を見ると♯が3つ付いていることが分かる。
        この場合に使われるAというコードはA7thやA9thであり本来はメジャーのスケールを使うように
        思われるが、ここであえてマイナーのペンタトニックを使うと結構いい味が出せちゃう訳で、
        このようなマイナー・ペンタの使い方を「ブルース・ペンタトニック」と呼び分けているんだ!

         ◎KEY=AでAのマイナー・ペンタトニックを使う →「Aブルース・ペンタトニック」
         ◎KEY=AmでAのマイナー・ペンタトニックを使う→「Aマイナー・ペンタトニック」

        譜面10
        譜面10

        ぺん太「でも5つの音だけじゃ〜ね〜・・?」
        マエ 「はい、ハイ! ここでブルー・ノートの登場かな!」

        ♪ブルー・ノートとは
        ペンタトニックと言えば必ず現れるのが、「ブルー・ノート」である。メジャーでもマイナーでも
        ペンタトニックとは親戚以上のおつき合いで、兄弟のような存在として重宝がられている大事な存在だ!
        一般的には、短3度の音と7thの音をブルー・ノートと呼ぶんだけれど、
        「マイナー・ペンタ=ブルース・ペンタ」の場合は♭5度もブルーノートの仲間としてとらえておこう!

        譜面11
        譜面11

        ※アンダーラインの音がブルー・ノート。 しかし、メジャー・ペンタではこのような7thの
         使われ方はあまり無い。 むしろブルース・ペンタ=マイナー・ペンタでロック、ブルース共に
         頻繁に使われ(すでに♭3度と7thが含まれている)更に♭5thも取り入れることで、いい味が出せる。


        マエ 「ぺん太には知ってることばかりで、つまらなかったかな?」
        ぺん太「大体は知ってたんですけど、ブルース・ペンタっていう呼び方があったのは知らなかったな〜!」
        マエ 「同じマイナー・ペンタだけどね!」
        ぺん太「KEYがメジャーかマイナーかで呼び方が変わるって訳か・・。」
        マエ 「そう! あとはいかにブルーノートをからめて使うかってことだな!」
        ぺん太「その、『いかに』ってフレーズ、教えて、教えて!」
        マエ 「よし!今日は確変にあやかって連続で教えちゃえ!」
        ぺん太「やった〜!! 確変!」

        譜面12
        譜面12
        ※1小節目の2拍目にあるソは2弦の8フレです。(0にみえるけど)

        ◎上記フレーズのように、あえてメジャーの3度や♭5度を「ハンマリング」などで使うと一層効果的だ!
         その際これらの音は経過音と考え、長い音符での使い方は避けた方がフレーズとして聴きやすい!
         さらに6thや9thなども入れるとフレーズのバリエーションも増えるが、そうなるとブルース・ペンタと
         言うよりブルース・スケールと呼ばれ、この後に出てくるミクソリディアンとブルース・ペンタの
         コラボレーションと考えた方が良さそうだ。

        ♪セカンダリー・ドミナント
        ※作者より
        今日はマエさんがケツ・カッチンのようなので、私が補足をさせて頂きます。
        セカンダリー・ドミナントとはダイアトニック・コードには無い7thコードから、
        ドミナント・モーションを伴ってダイアトニック・コードに解決するコード進行を言います。
        ダイアトニック・コードの中に7thはV7(5度7th)しかありませんが、例えばAm→Dmという動きの
        Amの中にA7を入れて、AmからA7→Dmというような使い方をする訳です。

        譜面13
        譜面13

        ◎A7→Dm、C7→F△7がセカンダリー・ドミナントになります。
        アドリブに於いても、使っているスケールにセカンダリー・ドミナントによって変化したノートを取り入れる。
        (イレギュラーなコードに伴った音を使う)というのが最も基本的なアプローチであり、
        又セカンダリー・ドミナントが使われていない場合も、取り入れたことを想定して弾くことができます。

        参考図7 セカンダリー・ドミナント KEY=C

          I 7(C7)  II 7(D7)  III 7(E7)   VI 7(A7)   VII 7(B7)
          ↓      ↓      ↓       ↓       ↓
        IV△7(F△7) V7(G7)  VIm7(Am7)  II m7(Dm7)  III m7(Em7)

        でもこれって、マエさんが教えてないけど、ぺん太に伝わるのかな?・・まぁ、いいか!

        は〜い!
        今回も頑張って、第2章をアップ致しました。 さぁ、この先の展開はどうなるのでしょうか?
        お楽しみに〜! Don't hurry  アップ、、、(ご意見ご感想、本当に待ってま〜す。 ハイ!)



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