北東北野鳥観察記
2002年9月19−25日
青森県の弘前市で開催された鳥学会へ参加し、その後、竜飛岬、十二湖、風の松原とひとり旅をして野鳥観察も楽しんできました。
19日昼頃、伊丹発の ANK 便で13時に大館能代(あきた北)空港へ。秋田は雨。バスで13時半頃にJR奥羽本線の鷹ノ巣駅へ(270円)。
普通列車との接続が悪く、駅でだいぶ待ってから14時51分発の奥羽本線で弘前に16時20分着。
鳥学会大会(弘前大)の自由集会に出てから宿のひろさきYHへ。
20日は1日学会参加。ポスター発表。
21日朝、弘前公園でバードウオッチングをしてから学会へ。
弘前公園では、秋の渡り時期らしくツツドリ、コサメビタキ、エゾビタキを見かける。
また、お堀にはオシドリのエクリプスが1羽のほか,コガモの群れがもう来ていた。
アカゲラがたくさんいた印象。
観察した鳥は以下の通り20種。
オシドリ、カルガモ、コガモ、キジバト、ツツドリ、カワセミ、アカゲラ、コゲラ、
キセキレイ、ハクセキレイ、ヒヨドリ、モズ、コサメビタキ、エゾビタキ、エナガ、
シジュウカラ、メジロ、スズメ、ハシボソガラス、ハシブトガラス
22日午前は学会で口頭発表を聞いてから、弘前からJR奥羽本線、青森からJR津軽線で北をめざす。
夕方17時10分に本州の地上で最北の駅「三厩」着。駅を出て左手に見える民宿「増川荘」泊(一泊二食付き6,300円)。
連休中なのに宿泊は2名のみ。大丈夫か?部屋の壁は薄い気もするが,風呂は新しいし食事もまずまずいけると思うが。。。
23日朝8時過ぎ三厩駅発の村営バスで本州の最北端「竜飛岬」へ(夏季限定の「竜飛岬灯台」まで約40分、片道200円)。
灯台横の北海道、下北半島を望む展望台で午前中一杯タカの渡りの観察。青森県人のカメラマンによると渡りのピークは1週間前だったとのこと。
それでも北海道からパラパラとノスリが渡ってくる。地付きと思われるハヤブサの家族3羽も岬の先端を何度もぐるぐる飛ぶ。
他にはミサゴ1羽、ツミ3羽、ハチクマ2羽。東北での最大のお目当てであったチゴハヤブサには完全に振られてしまった。
観察した鳥は以下の通り21種。
カワウ、ミサゴ、ハチクマ、ノスリ、ツミ、ハヤブサ、セグロカモメ、オオセグロカモメ、ツバメ、ハクセキレイ、ヒヨドリ、
ウグイス、エナガ、ヒガラ、ヤマガラ、シジュウカラ、メジロ、ホオジロ、スズメ、ハシボソガラス、ハシブトガラス
昼頃に青函トンネル記念館を見てからバスで三厩駅に戻る。15時49分発のJR津軽線普通列車で青森へ。青森からJR奥羽本線で川部駅。
川部からJR五能線の快速「リゾートしらかみ4号」に乗って十二湖駅へ。
「リゾートしらかみ」はゆったりとした客席で個室風ボックス席もある豪華?列車。夜なので日本海などはぜんぜん見えない。
宿泊は駅前のドライブイン+民宿の「白神荘」(素泊まり+朝食で4,200円)。予約する時、先に隣の民宿「十二湖館」に電話したが、「孫の面倒を見ているので休業中」とのこと。
24日朝食後、民宿の主人に宿泊客3名で車で奥十二湖まで送ってもらう(8:20)。
「挑戦館」で飲み物を調達してから「鶏頭場の池」の横を歩いて「青池」へ。途中ヤチネズミ?を見かける。
青池は小さな池だが水が美しい群青色の不思議な池。魚がいた。
青池横からの崩山への登山道に入り、ブナ林の鳥を見ながら約1時間ほど登り、9時45分に大崩の上の十二湖一帯、日本海を見下ろせる場所へ。
しばらく眺めを堪能した後、同じ道を登りの2倍かけてブナ林の植物(主に樹木)を観察をしながら下る。
日本海要素と言われる林床植物が続々と出てきて勉強になった。
青池まで降りて(11:55)からやや平坦なブナ林の中を湖沼群を見ながら王池湖畔まで行って昼食(12:55)。
途中の「沸壷の池」は青池よりも濃い群青色の水の部分やエメラルドグリ−ンの水の部分もあって美しかった。
昼食後(13:15)、車道を下ってから「日本キャニオン」展望台へ(13:38)。白亜の崖がそそり立っているのを眺める。
十二湖一帯は基本的に地すべり地形だそうで、湖沼群も地すべりによって谷が堰き止められて形成されたそうだ。
延々と車道沿いを歩いて、サンタランド横を通って無料のミュージアム「湖郷館」(14:38)を覗いてから十二湖駅まで下る(15:20)。
観察した鳥は以下の通り17種。
カイツブリ、アオサギ、カルガモ、アカゲラ、コゲラ、ビンズイ、ヒヨドリ、コサメビタキ、ヒガラ、コガラ、ヤマガラ、
シジュウカラ、ゴジュウカラ、メジロ、ホオジロ、カケス、ハシブトガラス
確認できた植物は以下の通り(順不同)。
オオバクロモジ、エゾアジサイ、ベニイタヤ、オオカメノキ、ブナ、トチノキ、ハウチワカエデ、ミヤマカタバミ、ムラサキヤシオ、
ツルアジサイ、ウワミズザクラ、アズキナシ、サラシナショウマ、ミズヒキ、ジャノヒゲ、オクトリカブト、マルバマンサク、
イイギリ、ウリノキ、サワグルミ、ヒノキ、ハリギリ、ハイイヌガヤ、アサダ、ミズナラ、アカシデ、シウリザクラ、ミゾソバ、
ヒメアオキ、ヒノキアスナロ、イヌタデ、エゴノキ、ウリカエデ、アカマツ、フジ、ススキ、コナラ、ヤマモミジ、キンエノコロ、
クサギ、ヤマハギ、コマツナギ、リョウブ、ホオノキ、ケヤマハンノキ、コシアブラ、ツユクサ、クリ、ノブドウ、ミヤマイラクサ、
トウゲブキ、コタニワタリ、アキノキリンソウ、オシダ、リョウメンシダetc
16時14分十二湖駅発のJR五能線普通列車に乗って、白神山地を車窓から眺めながら秋田県に入り、「能代」駅へ。
この日の宿は「あづま旅館」(「旅窓」予約で素泊まり一泊4,725円)。建物は新しく、浴場もまずまずの広さ。
朝食は近くに食べるところがなく、宿の朝食を頼むか、前夜に近くのジャスコで仕入れるべき。
今回の旅行は初日以降は雨に降られずに済んできたが、最終日の25日は朝から冷たい雨。
7時半に宿を出て、重たい荷物を持ったまま、サンドウイッチを仕入れてから「風の松原」海岸防砂林へ。
基本的にはクロマツの林帯だが、外国産マツのほか、ニセアカシアが結構生えている。
少しくぼ地になっている所の林床はミゾソバとミズヒキが咲き乱れて幻想的(写真)。
マツ林の中を小径がいくつも走っているが、消えかかっている道もあり、迷い込みそうなのと電車の時間もあるで1時間ほどで引き返す。
観察した鳥は以下の通り9種。
コゲラ、ハクセキレイ、ヒヨドリ、ヤマガラ、シジュウカラ、メジロ、ホオジロ、カワラヒワ、ハシブトガラス
能代駅(9:35)から東能代駅(9:40)までJR五能線でひと駅。接続が悪く、1時間待って東能代を10時53分発のJR奥羽本線普通列車に乗り鷹ノ巣駅へ。
11時19分に着くが、大館能代空港行きのバスが来るのは12時25分。その間、駅前の食堂で昼食。空港には12時35分頃着。
大館能代13:35発、伊丹空港15:05着で関西に戻り、7日間の旅を終える。