難治性の皮膚病、掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)とビタミンH(ビオチン)、漢方薬の応用について考えています。

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様々な病気と漢方

掌蹠膿疱症と漢方
前回に陰嚢湿疹のお話を書いてから、ビックリするくらいにご相談があり、こんなにも皮膚病でお困りの人がいるのかと、考えを新たにしたしだいです。
私の陰嚢湿疹は数ヶ月でしたが、数年などというのはざらで、何十年も悩んでいるというツワモノまでいました。

さて、皮膚病の話が続いています。
この掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)という皮膚病も厄介なものです。これは昔から名前だけは非常に有名で、私が薬剤師になったとき(25年以上前?)にも、もうすでに世の中にありました。
その当時も今も、一度なると一生治らないようなものと言われています。
また原因もあまり分からず、ステロイド外用などが使われてきました。
ただ、最近は元東北大学医学部内科の前橋 賢先生の研究によって、ある程度原因が突き止められつつあります。この話は後ほど書きましょう。

それに比べると、『アトピー性皮膚炎』は名前はありましたが、確かではありませんが、一般にはそれほど知られていないような皮膚病であったと思います。
赤ちゃんや子供の皮膚病と言われ、中学生くらいには、何もしないでも8割がた治ってしまうと言われていたと思います。
それがどうですか!今のアトピー性皮膚炎の治療の難しいこと!

アトピー性皮膚炎の話ではありませんでした。

ミニコミ新聞に最近書いた文章を写してみます。

掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)というなかなか治らない皮膚病があります。

手の平や、足の裏に小さな膿胞(膿をもった小さな水疱状のもの)がびっしりできる皮膚病です。水虫のようにも見えますので、よく水虫の薬を自己判断で使用して悪くなっている人がいます。

最近ではタレントさんの奈美悦子さんが、TVで自分がこの掌蹠膿疱症性骨関節炎というひどい状況にまでなっていたことを告白しておられました。本当によく回復したものだと思います。

この掌蹠膿疱症性骨関節炎は掌蹠膿疱症の患者さんの1割くらいの人に見られるもので、肋骨や鎖骨などが肥大、硬化して猛烈な痛みが出ると聞いています。
もし、首を回した時などに、胸部関節に強い痛みがあり、手足の平に膿疱があれば、まず皮膚科を受診されたほうが良いでしょう。

原因ははっきりしていないというものの、ある程度のことが分かってきています。
疑われている原因を少し挙げてみます。

◎ 一時は扁桃腺が原因という説がありました。確かに、扁桃腺が腫れた時に悪化し、扁桃腺の腫れが治ってくると、皮膚病も軽くなることがあった。

◎ 稀に歯科用金属などによって金属アレルギーが起こり発症する場合があるようです。
金属アレルギー検査で確認することが出来るそうですが、ただしこの説は現在否定的かもしれません。

◎ ビタミンH(ビオチン)欠乏による代謝障害に由来する免疫異常という説が有力で、このビオチン欠乏症と掌蹠膿疱症の因果関係を前東北大学 内科 前橋 賢先生等が発表されており、非常にたくさんの治療実績を上げておられます。
ただし、ビオチンの補給だけで治らないものもあるのも事実あるそうです。

ちなみに掌蹠膿疱症性骨関節炎の方の6割の人が高血糖(糖尿病)であるそうで、これもビオチンの投与で改善したという話です。ただし、ビオチン単独では、効果が持続しないので酪酸菌製剤を併用することで、ビオチンの血中濃度が安定することが分かっています。

次にビオチン不足症にならないための注意点を書いておきます。

★ビオチンが腸内細菌(お腹の中の細菌)によって作られるものなので、抗生物質を飲んで下痢したり、普段から下痢症の人は要注意です。
★ 生卵をたくさん毎日食べる人(ビオチンが減少します)
★掌蹠膿疱症の方にはタバコは厳禁です。禁煙することで症状が軽くなった例があり、これは絶対に禁煙をおすすめいたします。

ビオチン不足症として発症している人には、非常に簡単で良い方法と思いましたので、私のHPにも載せました。ただし、ビオチン補給でも治らない掌蹠膿疱症があるのも事実で、この分野に漢方の応用できる所があります。

漢方的には、膿疱に対しての処方と免疫異常に関係しそうな処方を併用して体質改善するように進めています。
数種類の漢方を併用することもあります。上記のように腸内細菌の異常は病気が治らないだけでなく、悪化していく原因ですので、積極的に腸内細菌の調整をしていくこともお勧めいたします。
期間は最低でも半年以上はみる必要があるでしょう。根気が要ります。


2005年年10月分


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ビオチンの内容について
掌蹠膿疱症について、ビオチンが最近の報告で有効な例が多いことが有名なったので記事を書きました。

それで、初めて掌蹠膿疱症のことをインターネットで調べてみると、掌蹠膿疱症とビオチンを取り上げている、ある意味有名なサイトがありました。
非常によく出来ているサイトで、情報量がかなり多く、英語、ドイツ語などの翻訳のページまであります。

ところが・・・

そこにピオチンの注意点が書かれているのですが、
内容が間違っているのです。

ビオチンには、光学異性体が存在し、L型とd型が存在するとしています。そこまでは正しいのですが、活性を持つ(有効という意味)のは、L型であり、d型には活性はないので注意しなければならないとご丁寧に書かれています。医薬品はL型であるとも
←これは間違いなのです。

あるサイトでは、同じ文面にプラスして、健康食品はd型であるから効果がないとか色々な尾ひれが付いています。
気になるのは、全く同じ文面であったので、どちらかが文面をコピーして使ったのかもしれないと思えるのですが・・・

日本で医薬品としてビオチン(ビタミンH)を製造しているのは、フソーとメルク・ホエイという医薬品会社の2社ですが、メルク・ホエイの方にたずねてみた所、活性があるのはd型であり、インターネット上では、間違って表記されているとのお話でした
会社の方もお忙しいので、皆さんは電話などで確かめないでください。多分迷惑だと思います。
これを調べるきっかけは、当方のアトピー性皮膚炎の方の相談からでした。
さらにこの掌蹠膿疱症の記事を書くにあたって、調べるうちにビオチンの情報がかなりめちゃめちゃになっていることを知りました。

ビオチンは医薬品と食品の区分が緩和されたために、健康食品として販売されているものがたくさんあります。
調べるにあたりビオチンのサイトを見ますと、ありもしない「L型あります」などと宣伝しているものまであります。ビオチンはL型でなければと思っている人には、思わず手が出るキャッチコピーです(笑)。
でも、そこのサイトに行っても商品には、L型という表記はありません。
当然ないはずです。
そういう商品は出てこないと思います。少なくとも日本の製品では。

小さな健康食品会社が高額な設備投資をして、わざわざビオチンを製造することなどは普通に考えればないわけで、上記医薬品会社から購入していると考えるのが妥当だと思います。
(この2行部分は完全に私の「思い込み」で書いています。間違った思い込みならすみません)

外国からの輸入品のことは分かりませんが・・・

最後に、このある掌蹠膿疱症とビオチンのことを取り上げているサイト管理者にご連絡しようと思いましたが、メールアドレスがなぜかありません。どうやらあまりに多くの反響(良い意味、悪い意味)から、連絡を受け付けない状態にしているようです。
全くもったいない話です。
間違いが野放しになっているために、それらを参考にしている健康食品会社さんの販売がめちゃめちゃになっています。気をつけていただきたいと思います。

2005年10月

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