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電着層の外観
硬さ
耐摩耗性
耐熱性
耐食性
吸蔵水素と硬さ及び有孔度の関係
各種金属の溶融点の比較
クロムめっき面の摩擦係数
金属クロムの特性




クロムめっきの外観は電着条件により、乳白色、光沢、つやけし状および灰色状などある。図はクロムめっきの電着条件と外観の関係を示したものである。


クロムめっきの外観におよぼす温度と電流密度の影響


硬さ

工業用クロムめっきの硬さは通常のめっき条件で得られたものでもビッカース800以上の値を示し、熱処理鋼、窒化鋼などよりはるかに硬さが大である。したがってクロムめっきは最も簡単で最も硬さの大きい表面硬化法であるといえる。次の図はクロムめっきと主要材料との硬さの比較をしたものである。


クロムと鉄材料のブリネル硬さ



冶金学的製法と電気的析出による各種金属の硬さの比較



温度と電流密度と硬さの関係(CrO3 250g/l, H2SO4 1%)(測定荷重 50g)



各種金属の硬さの比較(Mohs scale)


耐摩耗性

耐摩耗性はクロムめっきに要求されるもっとも重要な基本的性質であり、工業上の意義は大きい。クロムめっきの耐摩耗性は、きわめて良好で窒化鋼より優れておりタングステンカーバイトよりやや劣ると報告されている。
めっき条件、すなわち電流密度と浴温度を種々変化させることにより500〜1000Hvの間でいろいろな硬さが得られる。図2はクロムめっきの電着条件と硬さの関係を示したものである。


図2.サージェント浴のめっき条件と硬さの関係


一般に硬さの大なるめっきを得ようとするには、浴温度の上昇にともなって電流密度を増すことが必要である。
なお、硬さの測定唖ミクロビッカース・硬さ試験機により使用した荷重は300gである。

図3は、各種材料と種々な条件で得られたクロムめっきを組み合わせて乾燥状態で摺動摩擦を行った場合の相互の摩擦の状況を調べたものである。図のようにいずれの場合もクロムめっきが優れており、得に焼鈍軟化したものでも耐摩耗性がさほど劣化しないことに注目すべきである。ただし、クロムめっき同志の場合は好ましくない。
 

図3.クロムめっきと組み合わせ材料との相互の摩耗 (荷量10kg、乾燥摩耗)
光沢クロム; 50℃,50A/dm2  乳白クロム; 55℃,15A/dm2
光沢クロム焼鈍; 50℃600℃加熱  灰色クロム; 40℃,100A/dm2


図4はめっき条件と耐摩耗性の関係を示したもので、概して硬さの大きなめっきほど耐摩耗性は良好である。


図4.めっき条件と耐摩耗性の関係(注意)数字は摩耗で除去された体積(mm3×10-3)


耐熱性

析出されたクロムは多量の水素を吸蔵している。この水素は加熱により除去されるが、いっぽうカタサも低下する。図5によると吸蔵されている水素は400度に加熱すると約95%が除去されるが、カタサは500度付近で急激な低下がみられる。

加熱温度と耐摩耗性の関係は、温度が300度以上に達すると急激に低下する。これらのことから、クロムめっきの水素除去法には、150〜200度で1〜4時間処理するようJIS作業標準で指示している。


耐食性

クロムめっきは薄い場合は素地まで通ずる小孔やクラックが存在するので、耐食性は期待できない。しかし30umないし50um以上になると素地は充分に被覆されるので耐食性は極めて良好となる。表1は10um厚さクロムめっき鉄製品の耐食性を示す。

表1.クロムめっきの耐食性10um
日数 大気中 清水中 海水中
53 変化なし わずかに点状のサビ 表面変色
73 変化なし わずかに点状のサビ かなりの腐食
120 ――― 一部腐食を生ず ひどく腐食
210 変化なし ――― ―――


空気中で加熱すると酸化されて酸化クロムを生ずるようになる。800度以上になると、酸化クロムの生成が顕著になる。一方めっきの密着性は600度に加熱しても影響されない。熱処理と疲労強度の関係は、次のようである。
  
疲労限
鉄素地のまま
クロムめっき
クロムめっき(400度、45分加熱)
再めっき
再めっき(加熱)
73,000 p.s.i
57,000 p.s.i
72,000 p.s.i
50,500 p.s.i
69,500 p.s.i


クロムは塩素化合物(特に塩素、塩化第2銅および塩化亜鉛)には侵されやすいが、その他の化学薬品に対して安全である。高温ガス中での酸化については表2のようである。

表2.高温ガス中でのクロムの酸化(重量増加OZ/ft2×10-2/24hr)
ガス 700度 800度 900度 1000度
酸素 15.4 31.8 72.1 206
水蒸気 1.6 12.1 38.3 68.6
CO2 8.8 11.1 42.5 101
SO4 5.2 12.9 102 118


吸蔵水素と硬さ及び有孔度の関係

吸蔵水素と硬さ及び有孔度の関係を次の図に示す。


図
図.浴温度と電流密度と吸蔵水素との関係


図
図.浴温度と電流密度と吸蔵水素の関係


図
図.吸蔵水素量と硬さの関係


各種金属の溶融点の比較

各種金属の溶融点の比較を次の図に示す。

図.各種金属の溶融点


クロムめっき面の摩擦係数

クロムめっき面の摩擦係数を次の図および表に示す。


図.一般に使用される金属の摩擦係数の比較




表.各種材料の摩擦係数
組み合わせ材料 静止摩擦係数 動摩擦係数
 クロムめっき鋼とクロムめっき鋼 0.14 0.12
 バビット合金とクロムめっき鋼 0.15 0.13
 鋼とクロムめっき鋼 0.17 0.16
 バビット合金と鋼 0.25 0.20
 バビット合金とバビット合金 0.54 0.19
 鋼と鋼 0.30 0.20


金属クロムの特性

原子番号  24
原子量  52.01
原子価  2,3,4,6,
密度  6.92(20℃)
結晶格子
 α―Cr  体心立法  a=2.878 Å
 β―Cr  六方稠密  a=2.717 Å  c=4.418 Å
 γ―Cr  Mn型  a=8.717 Å
融点  1,800〜1,950℃
沸点  2,200℃
電気比抵抗  17×10-6ohm.cm
熱膨張係数  6.2×10-6deg-1(20℃)
比熱  0.014cal/g・deg(-252.5℃),0.11cal/g・deg(20℃)
融解熱  75.6cal/g
蒸発熱  1470cal/g(沸点)
熱伝導率  0.16cal/cm・sec・deg(20℃)
比抵抗  18.9μΩcm(0℃)




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