サイトマップ
工業会案内 技術情報 会誌 お知らせ ホーム





回転または往復動作をする部品類
防食用の工業用クロムめっき
印刷、乾燥、混合用のシリンダ、ドラム及び板類
繊維機械への応用
検査工具への応用
切削工具類
寸法不足の部品類の修理
引抜き、鍛造、プレス用工具および成型用金型類
シリンダ及びピストンリング
ポーラスクロムめっき


応用とその効果1

これらの使用状態において寿命を増大させたり、摩耗あるいは機械加工の失敗による寸法不足を補うにはクロムめっきが最適である。

利用面
シャフト、ジャーナル、ピストンロッド、軸受など

実施例
400馬力蒸気エンジンのクランクシャフトジャーナルに0.1mmのクロムを施したところ、今まで2ヵ月ごとにベアリングを取りかえたものが、1年間も運行できた。自動単のクランクシャフトにクロムめっきして、規定走行距離数が3〜5倍に延長された。


応用とその効果2

耐摩耗性の大きなことが,工業用クロムめっきの本質であるが、耐食性もまた大切な一要素である。事実、工業用クロムめっきの寿命が長いのは、機械部品その他において耐摩耗のほかに耐食性も加味されるからである。
クロムめっきは殆んどの化学薬品に村して耐食的である。代表的な利用面を表に示した。

表.工業用クロムめっきの耐食性の利用
腐食環境 利用部品
作動面において腐食因子が接するもの ポンプシャフト、インペラー、往復運動体、コック類
石油生産具 ポンプの各種部品
炭水化燃料産出物 シリンダ、ピストンリング、バルブ類
超加熱蒸気 スチームエンジン、スチームバルブ、ピストンリング、タービンブレード
硫化物 油分溜および製紙装置
合成樹脂 プラスチック型類
硫黄 加硫型類
高温酸化作用 ガラス型類
低音溶融 溶融つぼ、押出し棒


応用とその効果3

印刷用シリンダ
写真製版のシリンタにクロムめっきするとつぎの利益がある。

 ・鮮明な印刷
 ・寿命の増大
 ・インキによる防食が防げる
 ・インキを除く際の摩耗を減ずる
 ・再彫刻せずに再めっきができる

グラビアローラー(銅版)は10万部の印刷で使用にたえなくなるが、0.003mmのクロムめっきを行うと100万部以上の印刷ができ、しかも印刷がより鮮明であった。


製紙工業用ズクリーンプレート

製紙工業のスクリーンプレートに用いるとつぎのような利益がある。

 ・スロットの摩耗を減ずる
 ・炉過の性能を増す
 ・スロットの保持をよくする
 ・腐食を防ぐ
 ・検査および保守が簡単になる


乾燥用シリンダー
織物、化学、製薬および食品工業などの乾燥などに使用する表面にクロムをめっきすると、乾燥が促進され、腐食を防止し、寿命が増大する。


シート材に使用するプレス板
プラスチック、セルロイド、レザーおよびゴムなどのシート製造に使用する板類は高級な仕上げ面を必要とすることからクロムめっきは、とくに有効である。


混合用機械
混ぜあわせ作業における部品の材料にクロムめっきを施すと、表面に品物が粘りつかないため移動がスムーズになり、また摩耗を減じる。


艶出しロール

壁紙の生産用ロールは銅製の場合57,000枚で摩耗してしまうものが、クロムめっきにより300,000枚生産され、しかもなお完全な状態であった。


応用とその効果4

繊維機械の諸部分に利用するとつぎのような利点がある。

 ・静電気が起こらない
 ・糸や布が汚れない
 ・部品の耐摩耗性が向上する
 ・部品材質の制約が少ない

たとえば、繊維のバックレストに0.02mmのクロムめっきを行なうと、20年間使用しても何の変化もなく、糊付機のディバイジングロッドにめっきを施せば、糸の摩擦による条痕を生ずることはない。


応用とその効果5

ケージ類の仕上げにクロムめっきの利用はとくに適している。その理由は摩擦が少ないので、寿命が延びる上に、銅製のゲージのように腐食することがないからである。さらに摩耗したゲージはめっきによって再生することもできる。ゲージのめっきによる効果は、その種類によりさまざまであるが、およそ5〜10倍に延長される。表は文献に記載された実例である。

表.ゲージの寿命におよぼすクロムめっきの効果
ゲージの型 寿命の比較
めっきなし めっきしたもの
アラグゲージ 9,970(回) 48,924(回)
4(時間) 4(時間)
1,300(回) 18,034(回)
2,300(回) 19,000(回)
5,000(回) 32,000(回)
X(回) 2〜5X(回)
3〜10(回)
5〜10X(回)
2〜3X(回)
ホルトゲージ 2,300(回) 19,000(回)
シックネスゲージ 5,000(回) 32,000(回)
ブロックゲージ 1,000(回) 12,000(回)
スレッドゲージ y(回) 2〜5y(回)
10〜25y(回)
5y(回)
10y(回)
3〜5y(回)
1,800(回) 130,000(回)

また、各種銅類でつくられたゲージのめっきによる効果を、湿った表面上及び研磨剤の存在のもとで調べた結果が次の表である。

表.ゲージの寿命におよぼすクロムめっきの効果
ゲージ材料 カタサ(Rc) 0.025mm摩耗するまでに測定できた孔の数
湿った表面の摩擦 研磨剤による摩耗
1.06%炭素鋼
66
47〜50
10,500
30,800
825
1,000
ボールレス鋼
62.5
58.6
18,000
25,000
755
720
油焼入鋼
64.2
56.3
13,300
40,000
830
595
高炭素鋼
66.1 26,000 1,210
焼入鋼に0.02mmクロムめっき 200,000 1,740


応用とその効果6

切削工具類へのクロムめっきへ、工具の加熱を防ぎ、被切削材の粘着を防ぐので、切れ味を向上させ寿命を増大する。


応用とその効果7

摩耗または切り過ぎた部品類を補修する必要のある場合、クロムめっきは、きわめて都合がよい。この場合のクロムめっきは経済的で引き合う厚さにとどめることが必要である。その厚さは一般に0.5mm前後で、例外として0.75〜1.0mmの厚さにすることもある。この方法で経済的に許すならばめっきで修理できないものはないといっても過言でない。


応用とその効果8

引抜き、鍛造、プレス用工具類
クロムめっきは、摩擦係数が小さいことから、引き抜き速度を高め、金属の亀裂や溶着を防ぎ、高度の仕上げ面が得られるため、品物の品質が向上する。
引き抜きダイス、マンドレル、パンチとダイス類は、クロムめっきによって、平均2〜5倍に寿命が延び、かつ摩耗した工具類がめっきにより再生できる。

(実施例)
管引抜用ダイスが2〜5時間の寿命のものが、これを0.02mmのクロムめっきしたところ、寿命が1〜2日に増し、さらに引抜き速度を倍加することができた。
粉末金属を加圧する装置(ポンチ、ダイス、ブローチ)でめっきを応用する前は6,000個の部品を生産するにとどまったものが、クロムめっきした後は同じ装置で45,000個の生産が可能になった。


プラスチックおよびガラス成型用金型類
この種のものへのクロムめっきは、化学的に抵抗性のよいこと、高温に耐えて酸化による損耗の少ないこと、および製品の粘着を防ぐことなどから利用される。まためっきが摩耗すれば、再めっきにより何回でも金型を再生することができる。
プラスチック用型類は、クロムめっきにより寿命が5〜15倍に増大し、かつ製品の型はなれがよいので、生産性が向上する。さらに製品は高度の美観を呈し、成型後バフ仕上げも省略できる。
ガラス用型類もプラスチックと同様5〜15倍に寿命が増大する。


応用とその効果9

シリンダ、およびピストンリングへのクロムめっきは、きわめて重要である。この種の環境では、圧力、高速度、高温および腐食性ガスなどから摩耗が生ずるので、潤滑性を良好にするため、ポーラスクロムが利用される。
シリンダ壁、ライナおよびピストンリングに,クロムめっきを使用すること、これらが摩耗を減少させるほかに、相手側の表面、たとえばめっきシリンダならリング、またトップリングがめっきされれば、その相手のシリンダ自体の摩耗もまた少なくなる利点がある。
表はシリンダのめっきの効果を調べたもので、潤滑油には腐食性の塵あいを混入し、9時間運転した結果である。漁船エンジンのシリンダ ライナにポーラスクロムめっきを利用すると、寿命が10倍に増大され、かつ潤滑油の消費が50〜60%減少し、燃料の消費もまた節減できる。

表.シリンダの摩耗におよぼすクロムめっきの影響
測定点 直径の摩耗(in) 摩耗の比率
鋳鉄:ポーラスクロム
鋳鉄 ポーラスクロム
頭部より1/8in
0.0075 0.0017 4.3:1
頭部より1/2in
0.0071 0.0021 3.4:1
頭部より2in
0.0083 0.0022 3.8:1


応用とその効果10

ポーラスクロムめっきは、表面に機械的にあるいは電気化学的に孔や溝を形成させて潤滑油の保持性を良好にしたものである。このめっきは高圧力または高速度の使用状態においても焼きつきを生ずることはない。内燃機シリンダやピストンリングに対してはとくに効果的である。
ポーラスクロムめっきを得るには、電解エッチング法と機械的加工法がある。

@ 電解エッチング法 (チャンネル型、ピンポイント型)
A 機械的方法 (ナーリング型)

チャンネル型×32 ポケット型(ピンポイント型)×32 ナーリングプロセス
(1目盛り1mm)



Copyright(C) The Hard Chromium Platers Association of Japan

リンク