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朝日新聞2002年8月31日に掲載された記事です。
掲載内容は以下のようです。

「同じ患者になら言えることって、あると思うの。私、死ぬかもしれないなんて、家族にはとても言えないわ」米ボストン近郊の住宅街にあるビルの一室で、ボビー・フリンさん(58)が十数人の患者と車座になって悩みを語り合っていた。すっかり治ったと思っていた乳がんが昨秋再発。抗がん剤治療と骨髄移植を受けた。ひどい副作用で絶望の縁に追い込まれた時、同じ境遇の仲間に救われた。

がん患者の心のサポートをする非営利団体、ウェルネス・コミュニティーだ。全米に21の拠点がある。フリンさんはボストン支部でサポートグループという活動に加わる。訓練を受けた臨床心理士が進行役になり、死、セックス、金といった問題も語られる。
「ここに来て、『生』が贈り物と感じられるようになった。物事を先延ばしにして人生を無駄にしてはいけないと気付かされた」とフリンさんは言う。
がん愚者の心理面を支援する仕組みは米国の方が日本より数段整っている。ウェルネス・コミュニティーのような組織は数多く、がん專門病院には特別な訓練を受けた精神科医(サイコオンコロジスト)がいる。
この分野の草分け、ニューヨークのスローンケタリングがん記念病院のジミー・ホランド精神科部長はこう話す。

「がんは単なる身体の病気ではありません。車の両輪のように、心のケアも欠かせないんです」
日本からも年に数人がカウンセリングを受けるためにやって来るという。
「日本人は精神科を受診していることを知られるのを嫌がる。がん治療をする医師が精神科医と協力しようという意識も米国よりも薄い」とホランド部長。

マンハッタンの高級住宅街に、同病院の統合治療センターがある。がん患者が心身を癒やす空間だ。
ロビーには水琴窟(すいきんくつ)が置かれ、涼やかな水滴の音が心地よく響く。患者は、間接照明がともる部屋ではりやマッサージを受ける。ヨガや気功の教室もある。
ここでは、こうしたプログラムが患者の心と体にどのような効果を与えるのかが研究されている。さらに、キノコ、ショウガ……世間で珍重されている動植物に薬効があるのかどうかも科学的に調べている。
センターのバリー・キャシレス所長がいま注目しているのが日本だ。最近、マイタケの研究を始めた。それ自体にがんをやっつける効果はないが、免疫力を高める働きがあるのではないかと期待する。研究費は米国防総省が出している。
米政府も補完代替医療の研究に力を入れ始めた。国立補完代替医療センターは年に1億500万ドルの予算を割く。10年で50倍に増えた。医療保険に加入していない人が4千万人以上。がん患者の8〜10%が病院に行かずにこうした方法だけで治療する現実がある。
補完代替医療センターの創設メンバーの1人でもあるキャシレス所長は言う。

「効くと信じて使う人がいる以上、それが本当に効果があるか、ほかの薬と併用しても大丈夫なのか、科学的に実証して知らしめるのが我々の務めです」
国民皆保険の日本ではだれもが病院で治療が受けられる。でも、主治医に内証で、効果が科学的に証明されていない民間療法に手を出す患者が少なくない。
わらにもすがる思いの患者たち。その不安を取り除くための努力を、医師は尽くしているだろうか。
(第2部終わり。坪谷英紀湖担当しました)

参考ホームページを以下に掲載いたします。
米国立補完代替医療センター(英語)とエキサイト翻訳のページです。これで日本語に翻訳してご覧下さい。
エキサイト翻訳ページのすごいところはリンク先もすべて日本語に翻訳してくれるところです。
しかし舞茸に関連した部分は見つかりませんでした。

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