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第1章 夢のはじめ(5)

 由利はシャワーの水温を調節すると,熱くない?と言いながら,朝里の体にかけた。 朝里は由利の体を引き寄せた。由利は抗うこともなく,朝里の首に腕を回すと,自分の方から体を密着させ,腰を上下させた。朝里の猛りは由利の刺激で,次第に硬直度を高め,しなってきた。
「元気がいいのね。楽しみだわ」
そう言って,由利は下腹部で朝里の猛りの感触を確かめながら,自から朝里の唇に,自分の唇を重ねていった。朝里は由利の唇をこじ開けて,舌を差し入れた。由利もお返しのように朝里の口に舌を入れてきた。しばらく互いの舌が行き来した。朝里はその間,由利の背中や腰を撫で感触を確かめた。皮膚は滑らかで,肉は弾力があって,しっかりと反発してきた。朝里は次の刺激を求めて,由利の体を引き離した。
「石鹸使って構いません?それとも匂いが残ると困るかしら」
由利はすぐに冷静になって朝里に聞いた。
「別にどうでも」
 朝里は,匂いがばれて面倒くさくなるような女はいなかった。付き合っている複数の女はいたが,彼女達は朝里に複数の女性がいることは知っていたし,その彼女達も,複数の男がいたのである。お互い様,彼の彼女や,彼女の彼には干渉しないし,独占もしないのが暗黙の了解であった。
 由利はボデイソープを掌に取ると,軽く泡立て朝里の猛りを中心に泡で包んでいった。
「あんたも洗ってあげようか」
朝里は丁寧に洗ってもらったお礼として言った。
「自分でしますから。先に暖まっていてもらえます」
由利はあっさりと言った。朝里は素直に風呂に浸かった。由利は足を開いてクレバスのあたりにシャワーを十分浴びせると,後ろ向きに湯船に入り,朝里にもたれかかってきた。
 朝里は後ろから由利の乳房をまさぐった。その手を下の方に回して,クレバスのあたりを下に這わし,割れ目を確かめた。由利は素直に脚を開いて,朝里の指を迎え入れた。
「なかなか触り心地のいいおっぱいだね」
朝里は間が持たなくなって,分かり切ったことを言った。由利はそれには答えず
「出ましょうか」
と言って,朝里を促した。
「そうしよう」
朝里は後ろから,由利の腰を持ち上げ起きあがるのを手伝った。
 2人は洗面所に出た。大きめの鏡が二人の裸身を映した。由利の頭は朝里の肩まであった。お似合いにカップルに見えた。
 由利はバスタオルを使って,丁寧に朝里の体を拭いた。由利が朝里の脚を拭こうとして屈むと,由利の顔が朝里の猛りの正面になった。朝里は由利の後頭部を軽く手で突いて,意志表示をした。由利は跪くと,右手を朝里の猛りに添え,獲物を確かめるように手を上下させるた後,ゆっくりと口に含んだ。
 由利は唇を使って,十分に摩擦を加えながら,舌先で朝里の先端を転がし,頭全体をゆっくりと上下に動かした。朝里のものは十分大きく,硬直していて,由利が口の奥深く,喉に着くほど飲み込んでも,握っている指を離す必要はなかった。上下動を繰り返す内に,由利のヘアバンドが外れて,髪が肩まで垂れた。由利はときどき上目使いに朝里を見上げ,ねっとりとした感じで,朝里のものを弄んだ。由利の動作は決して激しいものではなかったが,十分過ぎるほど刺激は伝わってきた。
 何て巧いんだ。朝里は心の中で呟いた。朝里とて30を過ぎた男であるから,こうした経験は十分過ぎるほどあった。若い頃ならいざ知らず,最近では,女の唇は儀式の前の戯れに過ぎず,本当に感じることなどなくなっていた。しかし,由利のは明らかに違っていた。手引き書から拾ってきたような,単なる機械的な上下動や舌の動きではなく,心がこもっているように思えた。明らかに,朝里の猛りと由利の口唇は,対話を交わしているようだった。このまま放っておくと,逝かされてしまう。朝里はそう思った。それも悪くないかも知れないが,やはり朝里は由利の体を確かめたかった。
 朝里は両手で由利の頭を後ろへ押した。由利は静かに口唇を朝里から離すと,朝里を見上げた。その目は勝ち誇っているようであった。由利は立ち上がると朝里に抱きついた。 朝里は両手を由利の背中に回ししっかりと握ると,由利の背骨が折れるのではないかと思われるほど抱きしめた。由利の背が仰け反った。
「OK,ここはこのくらいにして,ベッドに行こう」
朝里はそう言って,由利を抱いて寝室に連れていった。

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