パソコンの排気ダクト製作 |
夏の暑さは、CPUだけでなく人間にとっても過酷です。高速なパソコンほど結構な熱を出しますので、部屋の中はさながらサウナ状態に陥ります。パソコンの熱の多くは、後部にある電源のファンから排気されてゆきますが、この熱が部屋の中を漂い、部屋全体を暑くしている感じです。そこで、この熱いパソコンの排気を、そのまま屋外まで導いてしまおう! というのが、今回の実験です。
最終更新日:2002.7.5
今年は、未だに排気ダクトを組み立てていません。作りたくなるほど、部屋の中が暑くならないってのが理由です。モニタをCRTからLCDへ替えたのが最大の原因でしょう! 妙なダクトを作るより、モニタをLCDに交換するほうが、ずっと効果的なようです。ただし、パソコンを2台同時に動かすと、以前のような灼熱地獄に突入します。とはいえ、2台付けることは稀ですし、時期的に、外気温の方が高くなる季節なので、今年は不要そうです・・・
変わりに? クリップで何処にでも挟める扇風機を買いました。 日中は机の脚に挟んで、至近距離で送風。 夜など外気温が低い時間帯は屋外から室内向け。 結構便利です、880円で安かったし(^^;) |
今年は、去年のパイプ類を置いておいたので、早い時期から実験開始ができました(^^;) 上の写真は、屋外排気ファンからラックまでの配管です。排気ファンなどは昨年と同じですから、2000年のレポートをご覧下さい。昨年と違う処は、CRTからの熱の排気方法の変更と、ファンの電源電圧を定格12Vで運用していることです。しかし、12Vでも不足気味で、まだ、パソコン1台しか付けていないのに、すでに熱を排出しきれない感じです。 更新:7/19 2台のパソコンの熱を排気できるようにパイピングを増やしました。昨日、今日と涼しいせいか、ちゃんと熱を排気してくれるようです。これから半月くらい、2台のパソコンを駆使して仕事せねばならないので、期待しています。 |
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上の写真は、新型CRT排気システムです。無用になったペンタPRO用のCPUファンを紙箱に取り付けて、CRTの上に被せて排気します。CRT全体を覆うより、簡単ですがエア漏れが少ないので効果は高そうです。これは、消音化のため5Vで駆動します。 | |
パソコンの裏の吸い取り口も改善してみました。茶色い部分はドア隙間ふさぎ用スポンジで、これに押しつけておけばエア漏れが少なくなる寸法です。でも、押しつけなくても結構吸ってくれるようで、1〜2cm離して置く方が、効果的だったりします。(きっと、空気の整流効果が悪いのでしょう) |
7/19 1ヶ月弱ほど使用してみました。CRTの熱を含めて、ちゃんと熱気を逃がしてくれているようです。外気温が32度程度、室温が30度程度なら、我慢できる程度の室温を保てますが、これを超えてしまうと、何をやっても暑いものは暑い! ってことで我慢できません。パソコンの熱を排気することはしても、部屋の温度を下げるようなことはできませんから、当然なのかもしれません。おおむね満足ですが、窓の付いている排気用ファンが、風量の割にはうるさいのが問題です。もっと、静かで風量の多いファンに替えないと、熱より音がうっとしく感じでしまいます。
この実験には、放射温度計が大活躍しています。具体的に各装置の温度が何度になったか一目瞭然なのは便利です。強いて言うと、装置周辺の空気の温度なんかは、これでは測れません、装置自体の温度とか、配管やファン吹き出し口の温度なんかは測れるんですが・・・
とりあえず、計測値を載せておきます。外気温は絶対的な温度差比較用、ダクトの温度は排気する熱気の温度、天井と床温度で部屋の熱のこもり具合を比較、キーボード周辺は人間が感じる体感温度とコンピュータが吸い込む空気の温度、パソコン&CRT前部の温度は熱排出量が少ない時に上昇します。
日付 | 6/30 | 7/1 | 7/1 | 7/1 | 7/1 |
外気温 | 26.5 | 34 | 35 | 32.4 | 32.4 |
ダクト | 34 | 30 | 35 | 33 | 36 |
天井 | 30 | 31 | 31 | 35 | 35 |
パソコン前部 | 32(3) | 30(0) | 33(2) | 35(3) | 35(3) |
CRT前部 | 33(3) | 30(0) | 33(2) | 37(5) | 36(4) |
キーボード | 29 | 30 | 31 | 32 | 32 |
床 | 28 | 30 | 30 | 31 | 31 |
条件 | 1 | 0 | 1 | 2 | 1 |
条件0:パソコン電源OFF
条件1:排気ファン=12V CRTファン=5V パソコン=Celeron450
CRT=IDEK17inch
条件2:パソコン、CRT電源ON、排気ファンOFF、CRTファン=5V
事実上、排気システム未使用状態
全くハイテクなことはしていません。ただ、単に太めのパイプでパソコンからの排気を導いているだけです。もっとも、こんなことができるのは、パソコンから窓まで直線で1m程度と極めて距離が近いことと、窓に丁度良い換気用の小窓があったからでしょう。さらに、以前から小窓には、12Vの電源などを冷却するとき使用する12cmのクーリング用送風ファンを付けてありました。ただ、換気扇のように強力なファンでは無いので、あまり効果はありませんでした。
窓の換気用小窓に付けた送風ファン
アイディアと言えば、太めのパイプにペットボトルを使ったことです。底と先の細くなった部分をカッターで切り落とし、ガムテープで繋いで行くだけです。僅か1mくらい引き回すだけで7本もの容器が必要になります。また、送風ファンとペットボトルを繋ぐ部分と、パソコンの排気を拾う部分にはティッシュペーパーの箱を使っています。廃物利用で、ゴミさえ有れば1円も費用はかかりません
送風ファンとダクトは ティッシュペーパの空箱で接続 |
ダクト用パイプには ペットボトルを使用した |
パソコンの排気口は8cmほどです。タワー型のケースだと少し高めの位置に排気口があります。この排気口の高さに合わせて、ティッシュペーパーの箱で作った受け口を固定します。幸いにも我が家のパソコンはラックの中なので、固定は簡単にできました。これで、受け口に合わせてパソコンを置けばOKです。受け口は薄いスポンジを巻いてパソコンとの隙間を減らすように工夫がしてあります。機密性が悪いと、パソコンからの排気だけでなく、周囲の空気も吸ってしまって、効率が悪くなるようです。
後ろのティッシュペーパーの箱がパソコンの排気を受ける部分
右側の段ボール箱はCRTの熱を受ける部分で、白い紙製のダクトで熱気を導く
パソコンの熱だけを吸収すれば、灼熱地獄から解放されると思った物の、CRTからの熱の方が強力でした。そこで、CRTの熱も吸収できるように工夫してあります。まず、CRTの周辺を囲います。上はラックの棚板があるので右側面と裏側を薄い紙で囲い、左側面に段ボール板で囲います。段ボール板には余ったCPUファンを取り付け、紙で覆われた中の熱気を取り出します。この加工だけで、CRTからの熱が室内に拡散するのは、かなり回避できるようです。
室内を這い回る不細工なペットボトルのパイプ |
パソコン後部のパイプの取り回し、結構いい加減 |
ルーター向けに2台のパソコンの熱を排出できるように加工してみました。2台もあると効果はてきめんで、結構涼しくなります。ダクト用のパイプが、かなり熱いのが感じられるほどです。ファンも電圧を高めに使わないと十分な排気ができなようで、現在9Vくらい掛けていますが、パソコンの音より五月蠅くなって少し不快です。あとは、CRTの廃熱をもうすこし効率的に改造しないとダメなようです。
どこまでが本気で、どこまでが冗談だかわかりませんけど、製作者はいたってマジです(^^;) でも、ソコソコな効果はありますので、パイプ用のペットボトル(数本)と、ティッシュペーパーの空箱が溜まったら、遊んでみてはいかがですか?