-------------------------------------------------------------------------- Neko−2 PICライタ説明書(Ver0.2) 1996 10/23 7K1PDM -------------------------------------------------------------------------- 本説明書は、Neko−2 PICライタのプログラム用です。 1.概要 Neko−2には、2個のCPUが実装されています。1つはお馴染みの TMPZ84C015で、もう1つがPIC16C84(以下PIC)です。 PICは、マイクロチップ社の小型で高速な1チップCPUです。PICは、 Neko−2上では、主に高速モデムを構成しています。このPICの プログラムエリアは書き換えが可能な為、TMPZ84C015のCPUと PIO、それからROM(27C256)上ファームウエアによって、 PICライタを実現しています。PICは、Neko−2上に実装したまま 書き換え等が可能です。 TNCコマンドに追加したライタファーム起動コマンド'PICWR'によって、 通常のTNCモードから、PICライタモードになります。尚、PICライタ モード中は、終了するまでTNCとしては動きません。時刻の更新もしませんので TNCモードへ戻ったら、時刻も設定して下さい。 Neko−2の組立てが終了したら、充分チェックしたのち、以下の 方法でPICへ書込んで下さい。1200bpsFSKのみの場合、 つまりTCM3105のみ使用の場合でも、NRZ−NRZI変換をPICで 行っていますので、書込みは必要です。PICの書換え可能回数は データシート上では、100回となっています(実際には、もっと可能な様です)。 ============ 注意 ============ PICライタ使用時のNeko−2への電源電圧は13.8V±0.5Vを 守って下さい 。コマンド実行中(PICLED点灯時)はPICへ約13Vが 加わります。 2.PICへの書込方法 TNCのコマンドモードから、以下の通り操作してライタモードにして 書込みをして下さい。 cmd:PICWR <- TNCのコマント゛モート゛でPICライタを起動 Neko-2 PIC writer Ver0.2 (C)WTK <- スタートメッセーシ゛ [H:help] L,W,D,V,E,Q,H>L <- ファイルロート゛コマント゛入力 HEX in![/:cancel] <- PCから'********.OBJ'を転送して下さい LOAD end <- 転送終了表示 L,W,D,V,E,Q,H>W <- 書込みコマント゛入力 erase end <- イレース゛終了表示 ........program write end <- ...書込(約10秒)中、書込正常終了表示 id & cfg write end <- ID,CFGエリア書込正常終了表示 verify end <- 念の為のヘ゛リファ正常終了表示 L,W,D,V,E,Q,H>Q <- 終了コマント゛ good by 73! <- TNCへ戻る もし、以下の様なメッセージが出た場合には、書込み失敗です。 実装ミスや電圧等を調べて下さい。 ヘ゛リファイエラー発生時の例 L,W,D,V,E,Q,H>V *verify error! ADD=A001 3FFF 289C ↑ ↑ ↑ エラー発生ハ゛ッファアト゛レス | ハ゛ッファ内テ゛ータ PIC内テ゛ータ 書込み中のエラーメッセーシ゛も同様です 3.コマンド説明 Neko−2のTNC機能を使用するのみなら、上記の書込みが終了すれば 使用出来ますので、以下のコマンドの中身を知る必要は有りません。 Neko−2はPICライタとしても使用出来ますので、興味のある方は 御活用下さい。 ライタモードになると、以下のメッセージが出て、コマンド待ちの状態に なりますから、コマンドを入力して下さい。 L,W,D,V,E,Q,H> 以下、注意事項です。 ・コマンドは、大文字で入力する必要があります。 ・コマンドは、1文字チェックで、訂正機能がありません。"/"入力で キャンセルは出来ます。 ・メッセージで最初に'*'がついたものはエラーです。 ・ライタ中はTNCとしては動きません。又、ライタ終了後はリスタート しますから、TNCは新規に作動します(パラメータは保持されます)。 ・未定義コマンドを送ると以下のメッセージが出ます。 *command error! 以下、各コマンドの説明です。 1)Lコマンド ^^^^^^^^^^^^^ PICのデータを入力し、内部バッファに展開するコマンドです。 NHX8S形式のPASMX等が吐き出すファイルを読み込みます。アドレス範囲を チェックしていますので、PICの範囲から外れるとエラーになります。 Lコマンドを入力すると HEX in![/:cancel] の表示が出ますので、パソコンから転送を開始してください。転送を開始しないと いつまでも待ちになりますから、キャンセルする場合には'/'を入力して下さい。 LOAD end が出たら、転送終了です。 PICのアドレス(プログラムやデータ)以外のアドレスが来ると以下の メッセージが出ます。 *address error! HEXファイルのチェックサムが違っていると、以下のメッセージが出ます。 *check sum error! 2)Wコマンド ^^^^^^^^^^^^^ PICへの書込みコマンドです。 予めLコマンドで読み込んであるバッファの内容を書込みます。PICライタは 起動する毎にバッファをクリアしますので、未転送で書込むとプログラムエリアは、 クリアされます。 Wコマンドは、プロテクト解除、書込み、ベリファイの3工程から成ります。 最初にプロテクト解除を行い、終了すると以下のメッセージが出ます。 erase end 書込みを開始すると ...のマークが1秒程度の間隔で出ます。 10秒程で書込みは終了し以下の状態となります。 ........program write end その後システム領域の書込みを行い、以下の表示が出ます。 id & cfg write end 最後にベリファイを実施して、書込みを終了します。 verify end 尚、書込み中は、照合も行っていますので、最後のベリファイは念の為です。 このベリファイは、Vコマンドによる実行と同一です。 書込みエラーの場合は以下のメッセージが出ます。 *write error! ADD=A001 3FFF 289C ↑ ↑ ↑ エラー発生ハ゛ッファアト゛レス | ハ゛ッファ内テ゛ータ PIC内テ゛ータ 3)Dコマンド ^^^^^^^^^^^^^ PICのデータ(EEPROM)への書込みコマンドです。 Neko−2では使用しませんが、Lコマンドでデータも転送してあると 書込みが出来ます。未転送の場合には、FFが書込まれます。 L,W,D,V,E,Q,H>D <- EEPROMへ書込み(約1秒) data write end <- EEPROM正常書込終了 4)Vコマンド ^^^^^^^^^^^^^ プログラム領域のベリファイコマンドです。バッファの内容と、PIC内の 内容とを比較します。 L,W,D,V,E,Q,H>V <- ヘ゛リファイ(約3秒)のみ実施 verify end <- ヘ゛リファイ正常終了 ベリファイエラーの場合は以下のメッセージが出ます。 L,W,D,V,E,Q,H>V *verify error! ADD=A001 3FFF 289C ↑ ↑ ↑ エラー発生ハ゛ッファアト゛レス | ハ゛ッファ内テ゛ータ PIC内テ゛ータ 5)Eコマンド ^^^^^^^^^^^^^ PICのプロテクト解除コマンドです。Wコマンドの中でも実行されますから、 特に使用する必要は有りません。 L,W,D,V,E,Q,H>E <- イレース゛コマント゛のみ実施(1秒以下) erase end <- イレース゛正常終了 6)Qコマンド ^^^^^^^^^^^^^ PICライタ終了コマンドです。ライタを終了し、TNCへ戻ります。 TNCはRESTARTします。 L,W,D,V,E,Q,H>Q 7)Hコマンド ^^^^^^^^^^^^^ HELPコマンドです。確認用に御使い下さい。以下の表示が出ます。 L,W,D,V,E,Q>H L:load file W:program write D:data write V:program verify E:erase Q:quit H:help /:cancel