-------------------------------------------------------------------------- Neko−2 RSV96192/PIC モデム部解説 1996 10/26 JS1RSV/吉田功 -------------------------------------------------------------------------- ■ モデム部の特徴 Neko−2は、Z84C015を使用したTNC部分に、RSV96/pic (9600bpsモデム)と、1200bpsモデムを付けた、9600/120 0bpsモデム内蔵のTNCです。一般のTNCと大きく違っている場所は、96 00bpsモデムにG3RUHモデムのクローンや、FX489(タスコのGMS Kモデム用LSI)を使わずに、PICと呼ばれるワンチップCPU(PIC16 C84)を使用している事と、NRZI変換をCPU内部で行っていることです。 そのため、一般のTNCの回路とは大きく異なる所があります。 前作、Neko−1との違いは、モデム部のCPUが、80C31からPIC1 6C84に変更されたことです。この変更によるメリットは、部品数が少なくて済 み、ローコストで制作でき、消費電力も低減し、処理速度の向上(約2.5倍)、 そして、TNC部に拡張されたPIC用ROMライタによって、モデム部のプログ ラム(PIC16C84内部のEEPROM)を自由に書き換える事が可能になっ た事です。 ■ PIC16C84とは? Neko−1で使用した80C31というCPUは、CPU以外にもROMや幾 つかのICを必要とします。しかし、Neko−2で採用したPIC16C84は、 内部にROMを持っているため、色々な付加ICが必要ありません。そのうえ、速 度は80C31より約2.5倍も速く、パッケージサイズも小さく消費電力も少な いという良いことずくめのCPUです。このおかげで、Neko−2はNeko− 1より基板サイズが小さくできました。 でも、全く欠点が無いわけではありません。内蔵ROMの容量が少なく大きなデ ータを入れる事ができませんし、インストラクション(命令)は少々分かり難くプ ログラミングがやりにくいですし、入出力端子の数も多くはありません。しかし、 これらの欠点を考え合わせても、このようなアプリケーションには最適なCPUだ と思います。 ■ モデム部のプログラム書き換え PIC16C84の内部ROMはEEPROMです。書き込みシーケンスは少々 複雑ですが、特殊なイレーサーが無用なために、ROMの内容を簡単に書き換える ことができます。このメリットを生かして、Neko−2では一般のターミナルソ フトからモデム部のプログラムを自由に変更することが可能になりました。プログ ラムの自作や、アップグレードも簡単に行えます。 PIC16C84は内部ROMの容量が少なく、一度に多くの波形データを入れ ることができません。波形データの切り替えは、ROMの内容を書き換えることで 行います。しかし、PIC84C16のEEPROMの書き換え可能な回数(寿命) は、100回と言われています。実際には、もっと寿命は長そうですが、一般的な 使用では波形データを頻繁に変更する可能性は少ないと思いますので問題は無いは ずです。 ■ 1200bpsモデムはTCM3105 Neko−1でもNeko−2でも、1200bpsモデムにはTCM3105 を採用しています。この理由は、TCM3105は私が知る限りで、最も優れたモ デムLSIだからです。PIC程のCPUパワーが有れば、プログラムで1200 bps/AFSKを復調することも可能かもしれません。しかし、前段に気合いの 入ったフィルタ回路を付けない限り、TCM3105を越える事はおろか、並ぶこ とすら困難な事だと思われます。そこで、1200bpsでも実用に耐えられるよ うに、TCM3105を採用しました。この為、回路は複雑になり基板サイズが大 きくなってしまうのですが・・・ ■ モデム部のプログラムのサポート 「モデム部のプログラム」のテクニカル・サポートは私(JS1RSV)が行います。サ ポートは原則として「WTK−BBSの猫2のお部屋(ボードナンバー4)」で行 います。プログラムがアップデートされた場合は、このボートにてアナウンス致し ますのでご利用下さい。 WTK−BBS(0489−75−5740)ゲストID:GUESTで入り登 録して下さい。28,800bps まで対応。なお、WTK−BBSの利用は無料です。 ■ 最後に Neko−2の「モデム部のプログラム部分」は、作者(JS1RSV/吉田功) が著作権を保留します。 Neko−2は、プログラムの変更やハードの変更等で、マニュアルには明記さ れていない機能を持つ可能性があります。これは、あくまでも可能性であり現時点 では明言できませんので、マニュアルには書かれていないわけです。 比較的、実現する可能性が高いものに、プログラムの変更と若干のハードの変更 で19200bpsに対応させる事も可能だと考えています。その他の「可能性」 等、保証はできませんが、今後のアップデートにご期待下さい(^^;)