2008.Apr.1 Renewal                  

Tri−Ex社 Model LM470D

 ワイヤーとプーリーの交換編
 









 LM470は、引き上げワイヤー5本、引き下げワイヤー1本の合計6本のワイヤーで構成されています。
 オリジナルのワイヤーは細く、日本で販売された物は6mmのワイヤーに変更されています。

 私のタワーの場合、引き上げ用ワイヤーの一部がタワーの部材に接触してしまっていたためワイヤーに錆が出てしまいました。

 ワイヤーグリスを給油していたつもりですが、やはり屋外の風雨にさらされている環境では当然のことながら痛みが出ますし、ワイヤーも少しずつではありますが細く痩せてきます。
接触して錆の出たワイヤー








 ワイヤーのストランドに切れはないが、かなり錆付いていた。
このままにしておくと、ストランドが1本切れ2本切れ終には完全に切断という事態になりかねない。
 ワイヤーにグリスを添加すると、埃や砂が付着して良くないなどと言われた時期がありましたが、切れるよりましです。
今後はしっかりと給油することにします。

 もう少し、こまめにワイヤーグリスを給油しておけばこんなにはならなかったはず! 最低でも年2回は給油することにします。
 使用するグリスは、クロムモリブデングリスを使用することにします。
少々値段が高いですが、雨などに曝されても流れ出し難いです。
 難点を言えば、黒く衣類などに付着すると取れないことかな。
錆だらけのワイヤー
新しいメインワイヤーと引き降ろし用のワイヤー

3・4段目のユニットに付くワイヤーは、各2本ずつ取り付けられる。
1段が2本のワイヤー(2面)で引き上げられている。




 タワー伸縮用に当然ですがプーリーが使われています。
プーリーは、中心部がグリス封入型のベアリングになっていますが、2段目ユニットの下側に付けられている2個のプーリーのグリスは完全に抜けていた。


 回転させてみると、ベアリングのゴツゴツ感か感じられた。これでは交換だ!
新(左)日本製・旧(右)アメリカ製プーリー(小)



 プーリーは、アルミ製、やはり10年以上使用するとワイヤーが通る部分は磨耗する。古いプーリーの溝が深くなっている。
プーリーの溝が磨耗して深くなれば、運動するワイヤーは内側に移動しますからタワーに部材に接触してしまうことになります。
新(左)日本製・旧(右)アメリカ製プーリー(小)




 2段目のユニット下側をメインワイヤーが通るが、この部分に一番加重が掛かる。このプーリー(2個)を交換しました。

 ワイヤー交換時に全てのプーリーを取り付けているボルトも交換されました。
交換されたプーリーとメインワイヤー






 ウインチローラーに新しいメインワイヤーがグリスを添加されながら巻かれていきます。

 ウインチローラー駆動用のベルト交換もしようとしたが、10年以上経っているのに毛羽立ちやひび割れがないからまだ使用可能とのこと。
 呉化学工業製の
ラバーコンタクトスプレーを結構まめに吹き付けしていたからなのか理由は判らないけど、長寿命で助かります。
 もし交換する場合は、A40というタイプのVベルトが代用になるが、3年位で結構ボロボロになってくるそうです。

このベルトは
GoodYear製でプーリー接触面にコグ(溝)付きのベルトです。どこかにないでしょうか?非常に優秀なベルトです。
キンクを作らないように巻き取られるメインワイヤー

 このワイヤーにクロムモリブデングリスを塗ることにします。 
きれいにドラムに巻き取られたワイヤー






 ワイヤー巻取りドラム左側の軸受けベアリングには、ニップルがある。
ここからベアリング内にグリスポンプでグリスを注入する。
私は、当初からこの部分のグリスにクロムモリブデングリスを使用しました。黒く写っているのが、クロムモリブデングリス。

 ニップルからグリスポンプで注入すると、古いグリスがはみ出てくるので、はみ出てきた古い余分なグリスは、取り除く。
ドラム下側から見た軸受けベアリング













 4段目のセクションに取り付けられている引き下げワイヤーテンション調整用のスプリングに保護カバーが取り付けられました。
風雨でこのスプリングが痛むのを防止するためだそうだ。
 私のタワーのスプリングは腐食していなかったが、FTIの話によると結構錆びて腐食したものがあるようです。

 今回のメンテナンスを終えて、タワーの伸縮時の音が静かになりました。ワイヤーとプーリーの交換だけでなくタワーにワイヤーが接触しない様にタワー各段の調整、さらに給油や部分塗装等など総合的なメンテナンスをしてもらった結果です。
今回のメンテナンスにはとても満足しています。

 クランクアップタワーは、機械です。日頃のこまめなメンテナンスが非常に重要であることを改めて認識いたしました。
ワイヤーテンション調整スプリングに付けられた保護カバー