2006.May.6 Renewal

  

純正ローター 6本スリット加工


DEXCELローター ドリルド加工

 純正フロントロータをスリット6本タイプからドリルドタイプに変更することとしました。
  スリットローターは純正ローターに6本のスリットを入れたものでしたが、今回はDEXCEL社のローターにドリルドーホール加工をした物への変更です。



<改造、そして交換になった理由>

 初めは車重とPOWERの割りにブレーキが甘いと感じたためにスリットローターに変更、初期制動力も向上し、ブレーキの効きが良くなったと感じました。勿論パットの同時交換も実施しました。

 今回は、ポルシェなどが採用しているドリルドタイプを試してみたかっただけです。
素人考えでは、ドリルドタイプのローターでもスリット加工のローターと同等の効果があり、ドリルドタイプの方が放熱効果が良いと判断したからです。
パッドは、スリットタイプの時の物を継続使用です。

 新品のローターには、加工の際の油成分が付着していますので、予めブレーキクリーナーなどで清掃しておきます。

ドリルドローターの清掃

 どうしても、ローターは錆びますのでパッドが当たらない部分と裏側もは耐熱塗料で塗装しました。ローター側面はジンクスプレー(亜鉛粉末)で塗装しました。
さらに、アクセントでドリルホールは、ブルーの耐熱塗料を塗りました。時間の経過と共に黒くなっちゃうと思いますが。・・・)

耐熱塗料で塗装

 

 ホイールを外します。
フロントキャリパーがむき出しになります。
折角でですから、シャフトドライブのブーツやブレーキラインをついでに点検します。
 ブレーキホースやシャフトドライブのブーツは、呉工業のラバーコンタクトスプレーで、劣化防止を施しました。

フロントキャリッパー

 


 キャリパー下のスライドボルトを取り外してキャリパー本体を外しワイヤーで吊り下げておきます。
 これでブレーキパッドが簡単に取り外せますので、取り除きます。
 
 さらに、キャリパーサポートを外します。
 

フロントキャリッパーを外し宙吊りの状態

 


 パットに付いている銅製のクリップは再使用しますのでなくさないように!勿論ブレーキクリーナーで清掃しておきます。
また、シムも再使用しますので一緒に取り除きます。

パットに付属のクリップ


 取り外した、キャリパーサポート・スライドピン・パッドなどは、プレー気クリナーで清掃しておきます。

キャリパーサポート・パッド・スライドボルト

 





 キャリパーを外したら、キャリパーサポートも取り外します。
 次に、既存ローターの取り外しを行います。この時、ローターがハブに固着していて外れない場合があります。
 固着している場合は、ゴムハンマーで裏側からローターを叩くか、ローターに2箇所あるサービスホールにボルトをねじ込んで固着を解除します。
 

キャリッパーを外し、更にローターを外した状態

 ハブ部分は、結構錆びていますので、ローターとの密着よ良くする為に、ワイヤーブラシなどできれいにしておきます。

ワイヤーブラシで清掃

 



 
 ドリルドローターを取り付けます。
ハブにしっかり密着するようにはめ込みますが、エアトレックはボルトなどによる固定箇所はありません。本当に大丈夫なのかちょっと不安な感じです。
 ドリルドローターは穴の部分もあらかじめ、耐熱塗料で塗装しておきました。(青色)

 次にキャリパーサポートを取り付けます。裏側でナックルに17mmのボルト2本で取り付けられています。
ここはしっかり
100±10N・mのトルクで締め付けます。

ドリルドローター取り付け

 


 





 パットを取り付ける場合は、キャリパーのビストンを事前に押し戻しておかなければなりませんよ!。 キャリパーサポートを取り付けて、キャリパーピストンをSSTを使って戻します。SSTがないときは、少々荒い気がしますが、パイプレンチで戻したりします。

 エアトレックターボのフロントキャリパーは、2ポットタイプですから、同時に2つのピストンを戻さなくてはなりませんので、ビストン戻しのSSTがあると便利です。
 しかし、私の持っているSSTは2Pot用のSSTでないので古いパッドをピストン側に当ててSSTを締め込みピストンを完全に戻します。事前にこの作業をしないと、新しいパッドを装着した時にキャリパーが入りません。

SSTによるピストン戻し




 スライドピンやパッドとシムの間、ピストンにブレーキ用のラバーグリスを塗布しておきます。
 ラバーグリスはパッド交換時や組み換え時の必需品です1本1000円くらいです。ゴム系のラバーを犯しにくいグリスですから安心して使えます。

ラバーグリスはブレーキ整備の必需品

 






 
 ピストンを戻すとブレーキフルードのりザーバータンクの量が押し戻された分増えますので、通常は絶対やらないと思いますが、追加注入を行っていた場合はフルードがあふれない様に注意が必要です。 

通常ブレーキフルードは漏れがない限り、絶対量は変化しません。
リザーバータンクの量が減少していくのは、パッドが減ってキャリパーピストンが押し出されシリンダー内のフルード量が増加するからです。

 (ブレーキフルードは、付着すると塗装面を痛めます)

 新しいパッドにクリップとシムを付けて、キャリパーサポートに取り付けます。

新品パッドの取り付け

 










 キャリパーを元に戻し、スライドボルトで完全にキャリパーサポートと固定します。

 今回交換に使用したパッドは
(株)アクレから発売されているライトスポーツというパッドで、純正パッドより初期制動力が優れている仕様のものです。




 フロントとリアを同時に交換しました。


キャリパー取り付け



Acre Light Sports
品番 F 246 / R 621

リアもパッド交換

リアのパット交換は、基本はフロントと同じです。

 







 ホイールの間隙から覗くスリットローターです。
 ちょっとかっこよかったです。

 
ホイールから覗くドリルドローター
(今回交換のドリルドローター)



 ホイールを完全に取り付けたら、はじめに
必ずブレーキペダルを数回踏み込んでください。キャリパーのピストンを一度戻しましたからパッドとキャリパーピストンの間に隙間があり、ローターとパットが密着していません。これもをやらずにいきなり走り出すと、ブレーキがすぐに効かないので、「オットトト!」てなことになっちゃいます。




   せっかくブレーキを分解したのですから、同時にブレーキの清掃を行うことをお勧めします。
 キャリッパーのピストンのゴムブッシュの隙間に砂が付着していたり、ブレーキパットのダストが結構付着していました。
 カーショップやホームセンターで売られているブレーキクリナーできれいにしました。
 Holtsのブレーキクリーナー 逆さにしても使用できます。    

 エアトレックのローターの交換目安は?

 ヨーロッパ車、BMWやベンツは特にローターの減りが早いそうです。先日、妹の5万キロ走っているBMWがなんとローター交換になった。確かに良く効くブレーキだけどローターもガンガン減ってるんですね。これは初期制動をかなり重視して設計されているからで、勿論パットもメタル・カーボン系だったりしてますから、ローター攻撃性が高いからだと思います。手入れの悪いヨーロッパ車は、みーんなホイールが真っ黒でしょ!

 右側のホイールは知人のポルシェですが、リムが真っ黒!まあブレーキの性質が全然違いますからね。ちなみにこの知人真っ黒なホイールを全く気にしていません。

 国産車はどうかというと、そこそこ止まればいいか!?みたいなブレーキが多く、街中をチョコチョコ走る日本車には、強力なブレーキよりもそれなりに止まってホイールを汚さないノンアスベスト系のカーボン量の少ないパット仕様が多いので、フルブレーキングを多用する走りをしていない限り10万キロ走ってもローター交換になることは少ないです。

 ブレーキに対する考え方の違いとでも言いましょうか。


 






 エアトレック純正のローターは、厚みが24mmです。ローターの裏側に、MIN.IN, 22.4MM と刻印されています。
 つまり、「1.6mm減ったら交換の目安だよ」ということのようですが、どのくらい走ればそこまで減るのか不明です。
メタルカーボン系のパットでも入れれば、当然早くローターも消耗しますが、通常のブレーキングではさほど気にすることはないでしょう。
ちなみにスリットローターにすると、パットの減りは早いと言われています。どの位早いのか知りません。ドリルドローターも同様と思われますが、今回スリットローターで約10000Km走行しましたが、思ったほどパッドの減りはなく2mm程度でした。ドリルドローターでのパッドの減り具合は、しばらく様子を見てみたいと思います。

ちょっと見難い画像ですみません。
ローターの内側ってこんなに真っ赤