朝、目を覚まし窓から空を見上げれば
いつもと同じ、青い空がそこに在る
それは毎日変わることなく続くこと
あの日の出逢いも今日みたいな
空の青い日だった

あれからいくつもの月日が経ったけれど
もう逢う事はないのかもしれない
世界をまわり、世界一のポケモンマスターを目指す
忙しい旅を続ける彼に

あの日渡すはずだった一枚の絵
それは風のいたずらか
または神様のいじわるか
カンバスの上には残っていなかった

いつもと変わらぬ日々
それは決して退屈なものではないけれど
いつも何かがに欠けていて
なぜかどこかが色褪せて・・・
まるでモノトーンのように

色褪せたこの世界
けれど海は青く、永遠と続き
毎日変わらず波は浜に打ち寄せている

防波堤でいつもと変わらず絵を描く
潮風は優しくほおをなで
私を通り過ぎ、空を駆け
未知なる大陸へと走っていく
ふと気付けば
いつも考えているのは同じこと
「風になれたら」
風になったらいつでも彼に逢いにいける
そんな甘い幻想に浸っている

感傷する自分を格好良いと思う
黄昏る自分を哀れだと思う
そんな訳ではないのだが
ただ毎日をなんとなく過ごす自分が
儚くも、美しく感じているのかもしれない
結果的にそれが格好良いと思うことと同じということに
気付かない自分がそこに有り…

私はただ待ち続けるのかもしれない
彼の姿をもう一度この目に映すその日を
それがいかに虚しいことで
虚ろなことなのかもわからずに
虚無の世界でヒカリを探す
そんな自分に酔いながら