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博礼塾

 『編入学に失敗しないための7つのポイント
  〜これを読むまで、試験を受けないでください!』


1.編入学をめぐる厳しい現実


編入学を実施する大学は全国で増えてきています。


「やったー広き門だ!」と考えたあなたは、要注意です。


実施している大学が多いということは、それに見合った受験生が生み出されているということです。


「石を投げれば浪人生にあたる」(^^;;


大学の募集定員より、大学入学希望者の数が大幅に上回る空前の「受験ブーム」「受験戦争」などと呼ばれた時代がかつてありました。
少子化により、それも今では過去の話です。


2005年度には大学の募集定員が受験者数を上回る、いわゆる「全入」時代に突入するといわれています。
しかし、このことは、すべての受験生が、自分の希望する大学に入学できることではありません。(そうだったらいいのですが……)


自分の希望を曲げることができれば、合格できる大学がどこかに存在することを意味しているわけです。


大学を巡るこのような状況は、否応なく大学の二極分化を生み出しました。


人気大学とそうでない大学です。


人気大学は大学受験においても一定の難易度を維持しつつ、受験者を集めています。
それに対して、そうでない大学は「定員割れ」を起こすなど、経営的にも厳しい状況にあるようです。


こうしたことを背景に、以前はあまり知られていなかった編入学試験が「表舞台」に登場してくることになるわけです。
当然、編入学においても、上記の「大学の二極分化」の現象が見られます。
そのことを十分に理解した上で編入学受験を考えていかなくてはだめです。

受験者(学生)を確保するための一手段としての編入学。


この側面は、否定できません。
社会のニーズの高まりだけで「編入」がクローズアップしてきたわけではないと言えます。

大学側としては、社会により開かれたイメージを付加しようとしたり、大学学部内の「沈滞した学生」の状況に「風」を吹き込むためなどさまざまな理由はあるかもしれません。


ただ、これらも大学の経営戦略の一環といえるのかもしれませんね。




2.偏差値のない試験の落とし穴


高校や大学受験を経験された方ならご存知でしょう。
「偏差値」が受験校・大学を決定する、大きな要素であるということを。


このことは、「行きたい大学」よりも「入れる大学」に行くという選択を、受験生の大多数がしている(余儀なくされている?)ことからもうかがえます。


この現実自体に、批判的な人は多いと思います。
しかし、私は、そうとばかり言い切れないものも感じます。



「いきたい大学に何が何でも合格してやる!」という気持ちは、目標を設定しそれをクリアしていくことのすばらしさを、教えてくれるでしょうし、成功しても失敗しても、その後の人生の大きな糧になることでしょう。


それに対して、特定の大学に行くことが目的ではなく、「大学で学ぶこと」もしくは「楽しむこと」が目的なので、「入れる大学」で充実した学生生活を送ることを決めたという人の考え方にも納得させられます。


一つのことにこだわりつづけて、一向に前に進めない人より、常に前進しつづける態度には「たくましさ」を見出すこともできます。



受験生が、偏差値を含む「自分以外の声」に耳を傾けることは大切ですが、最終的に決断するのは本人でなければならないのです。



編入学はどうでしょうか?


「○○短期大学→京都大学合格」
すごいですね(^^)
こんなケース、編入学であります。


なんだかワクワクしている人がいるかもしれませんね。
そんなあなたこそ、要注意です!


一般的に、編入学には「偏差値がない」と考えられています。
編入模試を実施している予備校もあると聞きますが……。


これまで編入学に携わってきた者の実感としては、生徒と、授業や面談、確認テストなどを通じて、「合格できそうな大学」が見えてきます。

「この大学なら大丈夫!」「あの大学に合格するためにはもっと英語力が必要!」「論文が弱い」などなど。



ただ、編入学を希望する生徒は、あらかじめ自分の実力とは無関係に「いきたい大学」を決めているケースがほとんどです。


○○大学
△△大学
××大学


ここ2〜3年増えてきているのは、編入学を「大学受験の敗者復活戦」と考える人たちです。
この人たちは、現在(過去)通う大学・短大・専門学校に何らかの不満を持っている人たちです。当然、大学受験の「偏差値」で言うと、よりハイレベルの大学を目指そうとします。何らかの問題意識をもって、大学編入し、学ぶことが目的ではない場合が多いようです。



大学に合格することが何よりの目的なわけですから。



編入学後、大学に通わなくなってしまう学生が増えているとも聞きます。


大学入試の「偏差値」の影を、編入学に映してみる人は多いと思います。
それも無理のないことかもしれません。


だた、そんな編入学受験生の増加は、編入学そのものの難易度を確実にアップさせています。もちろん「1」でお話した「人気大学」においてです。
合格の目安となる「偏差値」が存在しないが、難易度が確実にアップしている編入学。


つかみ所のない入試にチャレンジするためには、それなりの決意が必要です。



安易な入試など存在しません。




3.学部変更の難しさは本当にあるのか?


編入学の専門試験は、大学の主に1年・2年の専門基礎科目で学ぶ範囲から出題されます。たったの2年間ですが、その量と質は、決して馬鹿にできません。


これまで学んできた専門科目を、よりよい環境でさらに学びたい。
このような理由で、同一学部(同一学科)に編入する場合、専門試験の障害はほとんどないといってもいいのではないでしょうか。


大学や短期大学に入学してから、学び始めた分野ですから、毎日しっかりと授業に出て疑問点を解決しながら、前・後期の試験に取り組み、クリアしていけばいいわけです。


ただ、勉強というものはよく言われるように「積み重ね」です。
小学・中学・高校で習得していなければならない基本的な知識や、勉強そのものに対する姿勢が抜け落ちている人は、いくら大学からスタートといっても困難を伴うでしょう。


「大学からがんばるぞ!」という気持ちが大学の最初の授業、でもろくも崩れ去る人がいても不思議はありません。


そうであるなら、他学部からの受験は、より困難で不可能か? というと、そうではありません。


実際、経済学部から文学部、短大の家政科から国際関係学部、文学部から工学部建築学科などに合格しています。


基本となる知識を計画的にマスターしていく努力さえ怠らなければ、不可能ではありません。むしろ、他学部や他学科を目指し、合格している受験生の方が多いぐらいです。


しかし、数学や物理・化学の知識がまったくないにもかかわらず、医学部や歯学部の編入学受験を目指そうとする人がまれにいますが、この場合、そのままでは合格の可能性は限りなくゼロに近いと言えます。


文系学部から医学部・歯学部を目指す場合、編入よりも「大学入試対策」をして一般入試を受験したほうが賢明かもしれません。厳しいことをいうようですが、それだけ責任の伴う学部ですから。




4.何が勉強したいのかわからないでは済まされない。


心理学を勉強したいから○○大学。
国際関係学を勉強したいから△△大学。
法学を勉強したいから××大学。


こんな感じで学びたいこととの関連で大学を選ぶ人のことを、目的意識もしっかりした、編入学受験生の「お手本だ!」「鏡だ!」と考えている人は多いのではないでしょうか?


自分は、何が学びたいのか、よくわからないが、今の大学はいやだから編入なんだ! と考えているような人は、こんな人をうらやましいと感じるかもしれませんね。


しかし、一見、志望大学や学部が明確に決まっているように見える人であっても、実際に話しをしてみると、その大部分が具体的に何を勉強したいのか自分でもよくわかっていないようです。そして、こういったタイプの人は、ここ数年、増えつづけているように思います。なんとなく心理学、なんとなく経営学……、そんな人がホントに多いのです。


はじめから「こんなテーマをこういった方面からアプローチして〜に役立てていきたい。将来はこんな分野で活躍したい」などと完璧に言ってのける編入学希望者がいたら、反対に驚きかもしれませんね(^^;;


なーんだ、みんなも自分と同じなんだと感じた人は、要注意です!!
(もうええって(^^;;)


受験勉強は、本音で言わせてもらうならば、自分が本当にやりたいことに向かうための手段であり、ステップに過ぎません。(受験勉強自体を否定しているわけではありませんよ。受験勉強で培われる基礎基本となる知識は重要なものだと断言できます)


しかし、その手段であるべき受験勉強自体を、目的として、編入学に臨もうとする人がいます。
わかりやすく言い換えるなら、何がやりたいのかもはっきりしないまま、論文の勉強や社会学の勉強をしてしまうわけです。


あまりに堅苦しい理想論を言いたくはないのですが、できれば編入学に臨むにあたって、具体的に何が勉強したいのかをはっきりさせておくべきです。
現実的には、それは非常に厳しいことは私も理解しているつもりですが……。


嘘でも(^^;; 具体性を手に入れなければ不合格になってしまいます。
(人気のある大学・学部などに限りますが……)


志望理由書や面接で尋ねられる「志望理由」は具体性が求められます。
具体性こそが、その人の勉強に対する「本気度」をはかる物差しになるからです。


一般的な大学受験と編入学試験との決定的な違いはここにあります。


是非、「具体性」を手に入れてください。
具体性を手に入れる方法は確かにあるのだから。




5.合格したのはいいけれど……。


大学編入して、以前の大学の単位がどれだけ認められるのかな?? どんな科目をとって、具体的にどう動いていけばいいの?? なんて不安に感じている人もいるのではないでしょうか。


心配ありません! 大学でしっかりガイダンスもありますし、相談窓口も完備されています! …… そんなことを期待している人いませんか?


確かに、編入学生に対してしっかりフォロー体制が整っている大学もあると聞きます。
しかし、基本的には「自己責任」が常に問われるのが、大学という場です。単位認定もすべて大学任せ、履修選択も先輩任せでは、「自己責任」を果たしえているとは言えません。
ましてや、フォロー体制がほとんどない大学もあるようです。そういった大学では、自らが積極的に動かなければ何も問題は解決しません。


友人関係も同じではないでしょうか?


以前、編入学した生徒が久しぶりに塾を訪ねてきてくれました。
塾をやっていて、本当にうれしい瞬間でもあるわけです(^^)


彼女が入学した大学は、編入学生が少なく、フォローもほとんどなく、ゼミの選択も苦労するそうです。さらに友人と呼べる人間がゼミ内にいないことを辛そうに話してくれました。幸い、彼女は所属するサークルに積極的に関わっているようで、そこでの人間関係が彼女の支えになっているようでした。


大学での勉強も、人間関係も、自分自身が「見えない壁」を作っていては、いつまでたっても良い方向に向かうはずがありません。


編入以前の学生生活が面白くなかった人は注意するべきです。
自分が変わらなければ、大学が変わったところで同じことの繰り返しになってしまうでしょう。


自分をバージョンアップさせよう(^^)




6.就職の厳しさはハンパじゃない!? 
  資格を取るための安易な編入学も危険!?


「臨床心理士」「社会福祉士」「介護福祉士」「司法書士」「税理士」「社会保険労務士」「弁護士」「中小企業診断士」「行政書士」「宅地建物取引主任者」「管理栄養士」。
これらの資格は大学を卒業すれば手に入れることができる資格ではありません。いずれも国家試験などにパスしなければならないわけです。


資格を取ることで、なにやら生活が保証され安定するかのように考えている人が多いのに驚きます。
以前からよく言われていることですが、「資格では食えない」のです。


すべての資格は必要条件であって、それで十分ではないのです。


資格を取り実力をつける。
ただ、実力があっても食っていけない人はいます。
独立系の資格において、実務的な能力を仮に実力と呼ぶなら、実力だけでは如何ともしがたいものがあります。


私の知り合いの税理士なんか大変のようです。
顧客(お客さん)を獲得していくプロセスは、上記の実力とは全く関係がないからです。


「実力があればいつかは顧客がついてくれる」
「地道に努力していれば必ず報われる」


ビジネスの世界ではこんなことは絶対にありません。
(編入学などの受験の世界とは対照的ですね。受験勉強は正しい方向で取り組みさえすれば報われるものですから)


資格を取れば、後は安泰と考えているあなた、覚悟して資格を取りましょう(^^;;


また、編入学生の就職は、かなり厳しいという情報もあります。
某有名人気大学の就職率は、一般学生に比べて低いと聞きます。


編入学に全力を出し切り、燃え尽きてしまい、就職まで考えられない人。
単位の履修が大変で、4年次に、かなり多くの授業に出席しなければならず、就職活動が思うようにできない人。
合格がうれしくて、うれしくて、うれしさの延長で大学生活を送ってしまう人(^^;;


理由はさまざまでしょうが、結局は本人次第のように私は考えます。


しっかり学んで、しっかり楽しみ、希望する就職もしている学生を私は何人も知っています。




7.編入学試験で一番大切なもの。


これまでの1〜6までの項目で、どちらかといえば、編入学のマイナス面を強調してしまったかもしれませんね。


編入学という仕組みを、はじめて知ったときに感じた「天にも上るようなワクワクした気持ち」(^^) も吹き飛んじゃいましたか?


それでも、どんなにマイナス面があろうとも自分の力で未来を切り開きたい。
編入学の制度を利用して、自分の夢をかなえたい!
成り上がってやる(^^;;
ビッグ・マネーを掴んでやる! (^^;;


そう考えているあなた自身の思いが、何より大切です(^^)
そう考えているあなたは、いったいこれから何をすべきなのでしょうか?
具体的に何をどのように勉強していけばよいのでしょうか??


そのことについては、『編入学に楽して!? 合格するための7つのポイント』で詳しくお話ししますね。




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