<Haiku Reading Solo Performance HAILA-10th by Mononofunokai>
俳句志{もののふの会}第89回俳句活動
「俳ラ10」朗読作品集
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Imamizo Kanau◇ハイクブルース弾き叫び!一途一念!
■一番目【雑居ビルのブルース】 かなう
1.便所の上は真夜中だった
2.誰かをはねた電車とは誰も言わない
3.中国女が歌のようなものを歌ってる
4.路肩の車がきれいな花を売ってる
5.真昼からその町で死んだ種をまき
6.ヘルメットのポン引きが壁の中
7.手に持ったアンパン食わぬギャンブラー
8.荒れた皮膚のような路上、紙袋
9.群集の中からふと黒目が白い浮浪者
10.老人から雨のにおいが抜けない
11.紡錘形の女の後ろで鳩がくたばる
12.あの娘は洗ったばかりの体を汚す
13.野良猫が地面を見つけ野良猫を生む
14.一匹の子猫の片目が開かない
15.夕暮れがひしゃげて鳴ってる耗居ビル
16.曲がり角野良犬の上、空のびる
17.川沿いに街婦の肌の臭い立ち込める
18.脱走した患者が丸坊主の唄歌う
19.ありもしない路地裏を歩く
20.某日、海と蕗地裏は青かった
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Kitaouji Tubasa◇青年将校俳句革命成るか(初出演)
■二番目【いもむし】 北大路翼
1.秋澄めり頭を掻けばフケの出て
2.ピーマンの頭の中を掻いてやる
3.月光を浴びてお風呂に入らない
4.鼻水が邪魔でため息すらできぬ
5.かまどうま行列のできる配給所
6.干柿はイエスの鼻糞かも知れず
7.懐かしき体臭の来る秋の風
8.東スポに包まってゐる寒さかな
9.水澄めり公衆便所の水道も
10.一つだけ違ふティッシュや秋湿り
11.秋深しオナニーによる自爆テロ
12.虫時雨精子も鳴いてゐたりけり
13.付き合ってくれなきや鰻で首を吊る
14.付き合ってくれたら鰻が暴れだす
15.恋文の追伸にゐる秋の蝿
16.ワンカップ温め女陰を吸ふ如し
17.おおげさに過去を語りし月見酒
18.稲妻に気がつかぬくらい酔つてゐる
19.芋虫が毛穴を出たり入つたり
20.枯原に排泄物のつやつやと
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Kasuga Sanki◇自由律滑稽爆弾の瞬発信管暴発す
■三番目【永久脱毛】 春日三亀
1.うなだれてやりすごすのですか
2.老眼鏡をかけて思い出せ
3.熱いですね天皇ごっこですか
4.夕食の並んだテーブルに誰もいない
5.私は妻とけんかするために
生まれてきたんじゃないんですよ
6.離婚届を食べちゃった
7.すべてを計らなければ消えてしまう
8.風見鶏よ卵を産むのだ
9.ロリコンの定期券だから切れまくるのだった
10.涙ぐんでいるのは
あなたの愛がおへそにゴミをためているからよ
11.戦争に行くなら永久脱毛せよ
12.おはようと言う妻にかみそり負け
13.肛門でたばこを吸っちゃった
14.記憶力のいいアジの開きをください
15.計れば計るほど短くなっていく
16.携帯を両手で持てば聖徳太子
17.終電で妊婦の妻が泣いている
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牙城が捌く俳ラ名物◇飛び入りの功名
―休憩・飛び入り― 山本翠様、里俳句会の皆様、百句会の皆様、他の皆様
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Miyazaki Jiken◇天狗仮面俳句怒号!!
■四番目【弁慶天狗変】 宮ア二健
<前口上> [「牛若丸」の曲をBGMに自らナレーションしたテープを再生]
昔々あるところに内弁慶と泣き弁慶が住んでおりやした。
内弁慶は、家ではたいそう元気ですが、
外ではまるっきし空元気もないのでありやした。
泣き弁慶は、普段はとても普通で、
都合が悪くなると泣いて意地を張り通すのでした。
実は、この二人は同一人物でありやして、
二重性格同一性障害という気の病に冒されているのでありやした。
そこで、手柄が欲しい天狗仮面は、自ら弁慶となって、
その病巣に潜む鬼に立ち向かうのでありやした。
[自作楽器のホラッパを吹きながら厳かに登場、BGMはツトム・ヤマシタのLP「いろは」]
1.おいそこのめめしい鬼っ子のおたんこなすめ
(あぎゃーやめておくんなましー後生やさかい)
2.鴉にほじくりかえされた種だったし
3.鞍馬の山の祟りがまた紅を注したし
4.その上五条大橋の弁慶の泣き所で芋を洗ったし
5.生殖器と放尿器の連立方程式を解かなければならない
6.玉子の性質からして泣き弁慶の夜鳴きそばか
7.自分の歴史を正当化する茄子であった
8.てやんでぃ瓢箪から鼠など出しゃがって
9.大薙刀の親分が手前だったことをなぜ教えてくれなかったんだ
(えっなんだって)
10.太鼓持ちと弁慶がいっしょにされたから天狗酒なのだ
(さっ呑みねえ呑みねえ)
11.こりもせず貧乏性の隙間大根ばっかし食いやがって
12.蒟蒻の勧進帳が役立たねえだろう
13.泣くんじゃねえ泣くんじゃねえ弁慶様のお輿入れじゃねえか
14.残菊ことさら仲人じみていたかった
(あれだアルバート・アイラーの聖者の行進をかけろ)
[ホラッパを吹き、惜しまれながらゆっくり退場。BGMはA.アイラーの「聖者の行進」]
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Simada Gajyo◇朗読火山俳の入魂漢飛来せり
■五番目【橋】30句プラスα(俳句読演第5回原稿) 島田牙城
[「となりのトトロ」挿入歌「さんぽ」にて入場]
歩こーー 歩こーー わたしは元気 歩くの大好きーー
どんどん行こうーー 坂道ーートンネルーー草つ原ーー
一本橋にーーーでこぼこーじゃり道ーー
蜘蛛の巣くぐってーー 下りっ道ーー
1.一本橋二本もあれば皆迷ふ
2.橋の端を嘴で突く鳥箸で指す
なんて口で言ったって、どの「はし」がどの「はし」だか分かるまいて。
橋がない 橋がない 橋がない
3.向日葵曲立釘を使わず架けし橋
ほら、まともな俳句が出てきてしもうた。
そろそろ読演でもやるか。(前の客に注意)
今年の夏は暑かったなぁ、九月も末になって、
長野牧場で十万本の向日葵が咲き誇っ ておった・・・。
年は取りたや 老いたくはなし
散らぬ紅葉の 凍るが良かろ
草の実ひとつも 道連れにして
橋の袂に 氷るが良かろ
解けることなく 氷るが良かろ
4.水戸街道は橋から橋へ雪降り積む
5.中仙道を途切る千曲に氷橋
6.北斎の北国街道橋曲げ凍つ
7.橋脚折れ曲がる凍て来るわが銃後
8.池島の社への橋八つ手匂わず
年は取りたや 老いたくはなし
何処行きなさる 御仁の脛の
毛が触れたとて 窪むも良かろ
9.こつじきの四十五十を橋に凍つ
年は取りたや 老いたくはなし
春になりても 凍りてをらば
桜落花に 埋もるるも良かろ
10.仏壇の釈迦の偶像橋陽炎ふ
11.花が散る平仮名よりも橋大切
12.久米の仙人橋下の花に惑ひ落つ
13.桜より貧しき酒を橋の下
梅雨のしとどを 凍りつづくは
凍りを厚う なすこそ良かろ
かみなりさまの 元気な夏は
艸の茂りに 凍りて転ぼ
年は取りたや 老いたくはなし
14.余る仏花を抱え渡らん橋の灼け
15.橋の真ん中西日に近くダーツの矢
16.一歩より短き橋を蛇食ひつつ
17.蛇兎猿の脳食ひ夏を遣る
18.橋灼けて六分七分の勝ちばかり
19.コンクリート橋錆付いた爪切
20.ハイライト・いこい・ピースみな空き箱の夏の橋
21.勝鬨橋で失恋夜を好む蠅
22.日光街道朱塗りの橋の税熱し
23.兄嫁と婚姻す暑き橋渡りきらば
年は取りたや 老いたくはなし
24.西国街道一文橋へ帰省かな
25.橋に名を残す桔梗といふ遊女
月の照るとて 虫の鳴く夜は
凍りて耳を 塞ぐも良かろ
26.橋となる白鳥の座を鵲襲う
27.橋冷えて桃井かおりが瘠せてゐる
28.橋に降る紅葉ネックレスのやうな首輪
29.難しすぎる言葉は月の橋より落せ
年は取りたや 老いたくはなし
散らぬ紅葉の 凍るが良かろ
30.凍橋書かれず日本地図大きすぎ
31.犬の遠吠え橋の遠吠えすでに涸る
32.涸れる橋億年を数珠繋ぎにて
いつか雪ふる 冬が巡らば
戦さや餓ゑや 凍り凍りて
凍る我がとて にぎにぎしかろ
年は取りたや 老いたくはなし
年は取りたや 老いたくはなし
散らぬ紅葉の 凍るが良かろ
散らぬ紅葉の 凍るが良かろ
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Ginema◇俳ラの中核に君臨するサトビの女王
■六番目【噛み跡】 ギネマ
1.目を病んでカンロ飴探す 母はどうしているか
2.口の臭い親を持ったが為に私の人生はメチャクチャだ
3.シュシュポポシュシュポポシュシュポポシュシュポポほんとは惚けてないんだろう
4.パン生地を練って練って年寄りに与えるのだ
5.父のいなくなった朝スリッパの中で何か踏んだ
6.盲のへその上で気まずくなっている金蝿
7.性病三昧の家族だった
8.家が建つ朝鮮朝顔乾涸びて
9.ニュータウンに引越しても首吊り坂があり
10.偏った布団の綿に父の連絡先
11.決意の朝便槽に陽が差して
12.去年のコオロギまた来ている
13.私のペニスは車輪だと思っていました
14.皮膚の上で病気の君が広がる
15.貴方の体日向に干しても乾かない
16.恋人のシャンプーが混ぜるな危険だ
17.合わせ鏡の後ろ側にいるぞ!
18.排水溝に詰まっていたのは恋だったっけ?
19.嘘つきね経血沈殿する夜の浴槽
20.ニワトリの約束母屋の裏だったね
21.母屋の壁にずっとある後悔
22.カビのようなキスマークだ
23.キスマークのようなデキモノだ
24.デキモノのような恋人だ
25.恋人のようなワイセツ犯だ
26.ワイセツ犯のような約束だ
27.ニワトリが約束繰り返している
28.誰が吹き込んだか穴の中では咲いていたんだ
29.耳がついているからこれは彼岸花よ
30.この噛み跡は遺伝です
31.君の花は実に申し上げにくい咲き方をしています
32.赤い印つけたところだけが膿む
33.信心深い主治医のマスクが汚れている
34.信心深い主治医のハンコが通販だ
35.信心深い主治医の紹介状にノシがついている
36.君の子は安い病だ
37.骨だけになりたい願い強過ぎて骨も無くなる病になる
38.犬轡の犬と同室だ
39.先生糊の利いた死体にしてね
40.彼岸花私が列車に潰される事知っていたでしょ
41.黒髪にコオロギ居残るもう恋なんてと言った後
42.痴漢の窓越しに春は来ていてなんて遠い花だ
43.よそ行きの紙袋が濡れてしまう
44.逢いたい風鈴聞こえているか



