平成17年10月15日 講演会内容 [サルコイドーシスの眼病変] 

幸野メディカルクリニック副院長 眼科 幸野敬子先生

 

1.サルコイドーシスとは何か

 サルコイドーシスは原因不明の多臓器疾患です。多臓器疾患とは体中に病気が出るという意味で、サルコイドーシスの場合は爪と髪の毛以外の組織にこの病気の特徴的な肉芽腫ができ、北に多く南に少ない病気です。

みなさま方のなかでも目が霞み、充血したなどといった症状で眼科を受診したら、「これは身体からおきる病気なので、全身検査が必要です」と言われたとか、検査の結果、サルコイドーシスという聞いたことの無い病名を告げられたとか、よく分からない病気であるからとても不安になったなどといった経験をされた方が大勢いらっしゃると思います。

本日はサルコイドーシス、特に「眼科病変」について勉強し、分からないためにお持ちの不安を少しでも軽くするようにいたしましょう。

 

2.肉芽腫とその原因

 サルコイドーシスは肉芽腫が体中にできる病気ですが、肉芽腫は癌のような悪性の細胞ではありません。この肉芽腫は特にリンパ節の多いところに出やすく、できる場所と大きさ、数によってさまざまな症状がでます。特に肺のリンパ節や、眼に多くみられます。では、肉芽腫とは何でしょうか?これは身体に入った異物によって起きた身体の反応をリンパ球が取り囲んで瘤になってしまったものです。サルコイドーシスの組織をみると同じ肉芽腫をつくる結核の乾酪性肉芽腫とは違って、非乾酪性肉芽腫というものがみられます。

現在までこの肉芽腫ができる原因は何だろうと研究がされ、過去に色々なものが病因として疑われてきました。古くは分布が同じ松の花や、結核などさまざまな病原菌の因果関係が調べられてきましたが、原因は特定できていません。サルコイドーシスの病状が全身におよび、時として重症になることもあり、また病気自体が軽くなっても原因不明のために治癒したとは言い切れないために難病とされているのです。この病気になったすべての方が重症になるわけではありませんので、この難病という言葉だけで不安になる必要はありません。23年で自然治癒傾向がありますから、病状が治まり後遺症を残さないように治療に心がければよいのです。

原因をはっきりさせて根本的な治療を行うことを目標に、原因検索は21世紀のテーマとして特に注目されています。10年前からプロピオニ・バクテリウム・アクネスというニキビ菌が関係しているのではないかと注目され、医科歯科大学病理の江石先生を中心に研究されています。この菌が直接炎症を起こすことによりサルコイドーシスが起きるというのではなくて、ヒトの抵抗力が落ち免疫系が異常を起こすと、

普段はおとなしかった常在菌に対して異常な反応を起こして肉芽腫ができるのではないかという、常在細菌に対する宿主側の遅延型アレルギー素因に基づく内因性感染という新しい概念が確立されています。

 

3.病気にかかる割合

それではサルコイドーシスの方はどれぐらいいるのかというと、1991年の疫学調査では人口10万人に対して23人が新たに登録され、12.1人の方が罹患しています。活動性結核が10万人あたり50人程度の罹患率ですから、サルコイドーシスはかなり珍しい病気といえます。男性と女性を比較しますと、いずれも好発年齢は20歳代と5060歳代の2峰性を示しますが、男性は20歳代が多く、女性は5060歳台に多く見られます。特に中年の女性に発生が多く、遷延化し長く患われる方が多いので、注意深い観察が必要です。

 

4.病気の発見のきっかけ

次に、何で病気が見つかったかという発見動機をみると、昔は健康診断のレントゲン検査で胸のリンパ節が腫れているのをきっかけに無症状で見つかる方が多かったのですが、最近では眼の症状を自覚して、眼科を受診して見つかることが大変多くなってきています。他の自覚症状としては皮膚に発疹ができたり、熱が出たり、関節が痛くなったり、時には筋肉内にしこりができ、組織を調べたらサルコイドーシスだったということもあります。胸のリンパ節が腫れることが一番多い病気ですが、胸のリンパ節が腫れただけでは自覚症状はあまりありません。肺の線維化が起きてかなり重症になってくると息苦しくなってきますが、日本人は肺が重症化する方はあまり多くはありません。むしろ、眼に炎症がおきる方が多く、また心臓が冒され重症になる方が他の国より多いため、特に眼と心臓の検査は必要です。心臓が冒されると突然死にも繋がりますから、自覚症状がなくとも心電図などの定期的検査が重要になるのです。自覚症状の少ない胸のリンパ節が腫れることからサルコイドーシスが見つかるよりも、自覚症状の出やすい眼の方が早期に発見されやすいのです。

 

5.眼によって病気が発見されやすい理由

では、眼に自覚症状がでるのは何故でしょう? 眼の構造を見てみましょう。眼を横に切った図を示しますが、黒目と呼ばれている眼の表面は透明な角膜です。その奥にカメラの絞りに相当する虹彩があり、その後ろに水晶体というレンズがあります。水晶体は毛様体という組織から伸びたチンシ帯に支えられています。白眼とよばれている眼球の壁は表面が結膜に覆われ、その下にテノン嚢という結合識があり、その内側に強膜という硬い組織で眼球が守られ眼球の形を保っています。強膜の内側には血管に富んだ脈絡膜あり、その内側は眼球の中側となる網膜があります。

網膜はカメラのフイルムにあたる場所で、ここに写った画像が脳神経に伝えられるのです。また、眼球の中の水晶体と網膜の間には硝子体というゼリーのような組織が詰まっています。角膜から網膜まで透明な組織でできているため、光や画像はきれいに網膜まで達します。炎症や出血がなどを直ぐ自覚できるのは、この光の通過する通路で本来は透明でなければいけない部分に濁りがでるためです。つまり、サルコイドーシスは眼に炎症が出やすく、眼は透明な組織なので異常を早期に自覚しやすく、また、初期の細かい病変を検査で見つけやすいためです。日本は医療意識が高く、医療環境がよいのも関係しているのでしょう。

 

6.サルコイドーシスと確定診断する方法

サルコイドーシスを疑わせる所見がみられ、サルコイドーシスを確定診断するためには、多臓器疾患であるので全身検査をしなければいけません。主にツベルクリン反応が陰性化し、血液検査のγ−グロブリン値、アンギオテンシン変換酵素値(ACE)やリゾチーム値に上昇が見られます。胸部のレントゲンやCT検査では、両側肺門リンパ節腫脹(BHL)や肺野に異常がみられます。またガリウムシンチという放射線診断をしますと、サルコイドーシスが全身のどの臓器に広がっているかを診断することができます。さらに臓器から組織を採取できれば確定診断に至ります。皮膚に結節などがあればそこから簡単に取ることができますが、その場合は皮膚サルコイドーシスの組織診断群になります。BHLがサルコイドーシスによるものかを診断するには、気管支鏡で気管支内の状態を確認し、気管支内の液を採取する検査の他に、肺の組織を直接採取しなければなりません。肺から非乾酪性肉芽腫が検出されると肺サルコイドーシスの組織診断群となります。組織診断群は2臓器に組織学的に肉芽腫ある場合か、あるいは、1臓器で組織診断され他の1臓器で臨床診断されたものです。臨床診断群とは、組織診断はできないが2臓器以上に臨床診断されたものです。眼科では眼球内から組織を採取することは難しく、眼組織診断群はほとんどありませんので、臨床診断群ばかりとなります。

 

7.ぶどう膜炎とは

それでは、ぶどう膜炎(別名内眼炎)とは何でしょうか。ぶどう膜とは虹彩、毛様体と脈絡膜で構成された組織です。主に内因性つまり体からの病気が原因でぶどう膜に炎症が起こるものを総称してぶどう膜炎と呼びます。ぶどう膜炎は、虹彩炎や毛様体炎などの前部ぶどう膜炎と、毛様体炎や硝子体炎などの中間部ぶどう膜炎、網脈絡膜炎や視神経炎などの後部ぶどう膜炎、それに前部+中間部+後部ぶどう膜炎を合わせた汎ぶどう膜炎とに分類されます。これは炎症がぶどう膜のどの部分を主体に炎症が起きているのか、またどこまで炎症が波及しているかを示している解剖学的分類です。ぶどう膜は眼球の前から後ろまで覆っていますので、虹彩炎と診断されたり、網膜脈絡炎と診断されたり、あたかも違う病気の名前を言われたように聞こえるのはこのためです。

ぶどう膜炎は1990年頃まではベーチェット病が一位を占め、次いでサルコイドーシス、次に原田病が占め、これらがぶどう膜炎の三大疾患と言われています。近年1990年以降は、サルコイドーシスの頻度が上がり、全国的にサルコイドーシスが一位となっています。逆にベーチェト病は明らかに減少していますので、サルコイドーシスは特にぶどう膜炎の中でも注目されている疾患です。

 

8.ぶどう膜炎の自覚症状と検査方法

ぶどう膜炎の自覚症状は、視力低下、疼痛、充血、飛蚊症や霧視などが出ます。飛蚊症や霧視の原因は角膜炎、白内障、硝子体混濁、黄斑浮腫や眼底出血など、眼球内の光の通過する道筋に濁りが存在すれば起こります。また、角膜炎、虹彩炎、眼圧上昇などが起きると疼痛や充血が著明に起きます。ぶどう膜炎が起きたら眼科でどのような検査をするのでしょうか? 視力検査によって視力低下していないか、前眼部を見る検査で虹彩炎や虹彩結節、白内障など起きていないかを診ます。サルコイドーシスでは特に重要な所見である隅角結節やテント状をした虹彩後癒着があるかは、眼の表面に特殊なレンズを乗せて隅角検査をします。他に、緑内障になっていないか眼圧を計り、瞳を開く目薬を点して眼底を詳しく見る検査をします。眼底検査によって硝子体と網膜や血管、視神経に異常がないかを調べるのです。さらに詳しくぶどう膜炎の眼底を見るためには、蛍光眼底造影検査が必須の検査です。腕の静脈から蛍光造影剤を注入して眼底の状態を確認するのです。こうした眼の検査でサルコイドーシスが疑わしいと分かるのは、ぶどう膜炎の炎症の様相がベーチェット病や原田病とは明らかに違った所見を示すからで、また、前眼部の炎症細胞を見るだけでも、ある程度どのような病気か分類することができるのです。肉芽腫性を示すのはサルコイドーシスか結核あるいは原田病などであり、非肉芽腫性であったらベーチェット病や急性前部ぶどう膜炎などを疑うことができます。肉芽腫性のぶどう膜炎に見られる炎症細胞の特徴は大型のべたべたとした細胞なので、非肉芽腫性の炎症と違ってコロコロとした塊を作ることが多く、またその塊は粘着性が強いので癒着を起こしやすい性質があります。眼サルコイドーシス診断基準の手引きに記載してあるのはこれらの特徴を示したもので、1.肉芽腫性前部ぶどう膜炎(豚脂様角膜後面沈着物、虹彩結節) 2.隅角結節またはテント状周辺虹彩前癒着 3.塊状硝子体混濁(雪玉状、数珠状) 4.網膜血管周囲炎(主に静脈)および血管周囲結節5.多発性網膜脈絡膜滲出斑または光凝固斑様網膜脈絡膜萎縮病巣 6.視神経乳頭肉芽腫または脈絡膜肉芽腫などの所見があればサルコイドーシスが疑われます。その後、全身検査をして確定診断をするのです。

 

9.サルコイドーシスの治療法

それではサルコイドーシスの治療はどのようにするのでしょうか? 眼局所で治療することが第一で、また第一選択薬は優れた消炎作用を持つステロイド剤です。

サルコイドーシスはステロイド剤が大変よく効く病気なのです。点眼薬はステロイド剤や非ステロイド剤に加えて、虹彩を癒着させないように散瞳剤も使用します。それでも炎症がひどい場合は眼球の周囲の組織にステロイド剤を注射によって挿し込みます。眼に注射をすると聞くと大変恐ろしいと思われるでしょうが、麻酔の目薬を点してから注射をしますので普通の注射より痛くありません。それでも悪化する場合はステロイド剤の内服を開始いたします。いたずらにステロイド剤の副作用を恐れるあまり、適切な時期に適切な治療をしないまま遷延化させ治療の時期を逸すると、取り返しのつかない後遺症に苦しむことになります。ステロイド剤の内服が必要な時は、局所治療に効果が見られず活動性病変がある時や、視機能障害の恐れのある場合です。たとえば、局所投与に抵抗する重篤な前眼部炎症、高度の硝子体混濁、広範な網脈絡膜炎および網脈血管炎.網膜無血管領域を伴わない網膜あるいは視神経乳頭新生血管、黄斑浮腫、視神経乳頭の浮腫や肉芽腫、脈絡膜肉芽腫などです。第一選択薬はプレドニゾロンの経口投与で、初期投与量は30〜40mg/日・連日か重症の場合は60mg/日・連日の投与が開始され、初期投与量の投与期間は2週間から1ヶ月続き、その後1〜2ヶ月毎に5〜10mgずつ減量していきます。最終投与量を2.5〜5mg/日相当を目標にして1〜数ヶ月続けて終了します。全投与期間は3ヶ月から1年以上で、これが平均的な使用法ですが、病状によって1人1人用法用量が違ってきます。ここで一番重要なことは自己判断によるステロイド剤内服中止は絶対にしてはならない点です。リバンドによってかえって重症化することがあります。医師と良く相談し、治療計画を立て、病気を治していきましょう。ステロイド剤は原因を治す薬ではないのですが、早期に炎症を抑え後遺症を残さないようにする薬です。自然治癒傾向のあるサルコイドーシスですから、全身の活動性が収まり薬で後遺症を残さないように、炎症のひどい時期を乗り越えるために使用されるのです。ステロイド薬には様々な副作用、例えば、消化器潰瘍、感染症、精神障害、肥満・糖尿病、高血圧、心血管疾患、骨粗しょう症、白内障や緑内障などがありますが、ステロイド剤はサルコイドーシスを治すためにどうしても必要な薬ですから、副作用を十分抑えながら注意深く使用していきます。ステロイドの使用後に再燃してしまった場合やステロイド剤の単独使用では十分な効果が認められない時は免疫抑制剤なども追加されますが、これはサルコイドーシスが全身に及んでいる場合に使用されていることがほとんどで、眼科ではあまり即効性はありません。その他眼局所には眼合併症のために眼圧降下剤や角膜保護剤が使用されます。現在サルコイドーシスの原因として考えられているプロピオニバクテリウム・アクネスに対する原因治療、つまり抗菌剤による除菌療法も始まっています。その他消炎剤やビタミン剤、漢方薬、栄養補助食品、民間療法などが追加投与されていますが、これらは生体のバランスを整える、免疫力をあげる、消炎作用や精神安定作用を目的に投与されています。

 

 

10.眼合併症

それでは、サルコイドーシス性ぶどう膜炎に良くみられる眼合併症についてもう少し詳しくお話いたしましょう。特によく見られるのが白内障、緑内障とドライアイです。この中で白内障は加齢によって起きるものに加えて、炎症によってさらに進行します。それに加え、サルコイドーシスの第一選択薬であるステロイド剤は白内障を進行させる副作用がありますが、白内障が進行するからといってステロイド剤を的確に使わないとサルコイドーシス性ぶどう膜炎を治すことができません。白内障の治療は進行防止の点眼薬にカリーユニ点眼やカタリン点眼などがあります。漢方薬では八味地黄丸や牛車腎気丸が使用され、他の内服薬としてはパロチン錠が処方されることがあります。しかし、それでも進行してしまって視力が低下した場合には、手術以外には治す方法はありません。現在白内障の手術は安全性が高く、ほとんどの症例は超音波水晶体乳化吸引術で水晶体の濁りを取り人工水晶体を挿入するのが一般的な方法です。白内障手術自体の成功率は高く安全ですが、ぶどう膜炎の方には合併症が多いので、濁りは取っても人工水晶体が入れられない場合や、ぶどう膜炎がかえって悪化してしまう場合もあります。そのため、白内障手術を行う時期はぶどう膜炎が治まってからが一番安全です。しかし、眼底が見えなくなりぶどう膜炎の程度が判断できず、治療に支障をきたす場合や患者様自身の生活不自由時には、炎症があっても手術をすることもあります。また、白内障以外に視力に影響をおよぼす合併症があると、白内障手術をしても良好な視力は得られない場合がありますので、患者様は医師と家族でよく話し合い、今の眼の状態についてよく理解したうえで、手術の一番最良の時期と方法を決める事が大切です。

 

 次によくみられる眼合併症の緑内障について説明いたしましょう。サルコイドーシスでは角膜と虹彩の間にある房水の流れが炎症のために通過障害がおこり、眼の中に房水が多くなり眼の硬さが硬くなってきます。これを眼圧が上がると表現します。他にステロイド剤の副作用で眼圧が上がることがあります。このステロイド緑内障は診断が難しく、炎症を抑えるためにはステロイドは必須ですから、医師は消炎と眼圧のコントロールに大変苦労いたします。緑内障とは眼圧が上がって視神経を傷めるため視野が欠けてくる病気です。半年以上の眼圧上昇が続くと視神経が傷んでしまい完全な緑内障になってしまいます。緑内障の治療は眼圧を下げることが主体ですが、ぶどう膜炎で眼圧が上がった場合は炎症を抑えることが第一ですので、ステロイド剤や非ステロイド剤が使用されます。それに加えて眼圧を下げる薬(点眼薬、内服薬、点滴)が使われますが、薬が効かない場合は手術となります。ぶどう膜炎に伴った眼圧上昇には、一般的に線維柱帯切除術(トラベクレクトミー)という房水を結膜の下に流す手術法が選択されます。

 また、サルコイドーシスでは高い確率でドライアイも合併します。サルコイドーシスは涙腺を侵すことが多く涙の分泌量が減ってしまうためドライアイになるのですが、

ぶどう膜炎や緑内障治療のための点眼薬によっても涙の成分が変化するため、角膜を保護できない状態になり角膜表面に細かい傷ができます。自覚症状は乾燥感やヒリヒリ感、渋い、痛い、霞むなどさまざまな症状が出ます。時には涙が出すぎるような感覚になることもあります。そのため保湿剤の点眼薬や生理食塩水を頻回に点眼し、乾燥を防ぎ涙の成分を正常に保つようにします。それでも治癒しないような重症なドライアイの方には自分の血液から作る血清点眼薬を使用することもあります。

 その他に重篤な後遺症として、ステロイド剤に抵抗する硝子体混濁や黄斑部の上に膜が張ってしまい視力が回復しない場合には、硝子体手術が行われることもあります。

 

11.最後に

サルコイドーシスの重症化の要因は、診断治療の遅れた時、眼内病変が多彩な時、つまり硝子体病変や黄斑病変などまで眼球全体に炎症が及んでいる場合や、緑内障の併発により視神経萎縮が起きた場合です。また中高年の女性であると、遷延化して重症例が多くみられます。またこれら重症化の要因としてストレスが引き金になることが明らかになっています。ストレスを貯めないように、過度な仕事や睡眠不足は大敵で、安静を心がけることが大切です。そのためには家族にも病気を理解してもらい、適度な仕事適度な遊びにより楽しく穏やかに過ごしましょう。

 

以上サルコイドーシス、特に眼を中心にお話いたしましたが、自分の病気を知り、受け入れ、医師に現在の病気の程度と広がりを聞き、医師と具体的な検査法と治療法を相談しながら、前向きに治していきましょう。眼はサルコイドーシスを診断する窓口です。早期発見早期治療が基本です。少しの変化でも専門医の診察を受けましょう。