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◆オーダーシャツ物語

◆クラシックな装い物語

◆アイテム別整理 ・・・・・   ネクタイ 結び  スーツ コート 正装 小物 
◆靴のメンテナンス物語

オーダーシャツ物語     →→→back

シャツを仕立てよう。これはオーダーシャツに命をかけた男の物語である。

 I氏の行動 クラシック評論家の声
 今回のテーマはからだにフィットしたクラシックなシャツを手にいれることだ。
 I氏は店に出向く前にチェックポイントを整理した。
 シャツの色は白。  クラシックにきめたければ、シャツの色は白か淡いブルーにとどめをさす。黄色人種の日本人は淡いブルーが皮膚色との相性はいいらしい。しかし、クラシックは白なのだ。
 カラーはワイドスプレッド
 衿の長さ7センチ。
 衿にゆとりを持たせない。(日本では指1本1センチのゆとりを持たせるのが慣例のようになっているらしい。噴飯ものなのである)
 モダンクラシックはワイドスプレッド。ただし、フォーマルに決める場合はレギュラーなのだ。
 衿の長さは7センチが正統。
 衿の高さは上衣の衿から1.5センチほどシャツが覗くカラー高4.5センチが基本。
 カフスデザインはシングルカフス。
 袖口に遊びを作らず、しっかり手首に留まるようにする。
 ボタンはひとつ。(緩めに留めることもできるように袖先に2つのボタンがつけるものもあるが、これは止める。今回は背水の陣なのだ(太らんぞ!俺は)
 カフスデザインは大別して2種。
 袖口に折り返しの無い一般的なシングルカフス。正確には、ボタンで留めるものを「バレル・カフス」と呼ぶ。
 二つ折りにしてカフリンクスを利用するのがダブルカフス。盛装用にはこちらが望ましい。
 ただし、カフリンクスの選択にはセンスが必要である。
 シャツの袖口は上衣の袖から1.5センチ覗いていなければならない。上衣の動きつられて袖が上下しないようにピッタリと留めるのである。
 イニシャルは入れない。  クラシックスタイルではシャツにイニシャルは入れない。
 もしイニシャルを入れるとしても、スリーピースのベストで隠れる胸の脇に小さく入れるのが欧州のスタンダード。
「よし」
 イメージトレーニングは完璧だ。I氏は勇躍家を出た。向かう先は百貨店のオーダーシャツコーナーである。
「シャツの採寸をお願いします」
 戴き物のお仕立て券つきシャツ生地を握り締め、I氏は店員に声をかけた。
生地はこちらでよろしいですか」
 豊富な生地に目を奪われ、さっそく気持ちがぐらつくI氏。
(いかん、いかん)
「はい、お願いします」

「カラーはどちらになさいますか」
 店員の背後にはさまざまなヴァリエーションのカラー見本が並んでいる。再び気持ちが揺らぎ始めるI氏。
(いかん、いかん)
「ワイドスプレッドの7センチ長で」
「B××番ですね」
 店員は見本のナンバーを事務的にメモする。
 ありゃ、7センチという長さすら見本にちゃんとあるわ。
生地はコットン(綿)。
高級なエジプト綿(番手の高い糸(細い糸のこと)がイチオシ。番手が高くなればなるほど絹のような光沢が出る。

タブカラーピンホールカラーなどは噴飯もの。
いずれもネクタイの生地の質が今ほど洗練されていない時代に厚ぼったい結び目により、カラーの浮きを防ぐために考案されたもの。
その意味で、ポロ競技の際、衿がはためくのを防ぐために考案されたボタンダウンも同様。
衿の生地(芯地)と表面の生地を接着した既成服の場合、衿にシワが出にくい。一方クラシックシャツにはナチュラルなシワが生まれる。
「カフスはどのタイプになさいますか」
 再び見本の山。
 ぐらつく自分。
(いかん、いかん)
「シングルカフスでお願いします」

「では、こちらのタイプでよろしいですか」
 店員が指差した見本はカフリンクスも使用できるタイプ。
「いえ、ダブルとの兼用タイプではない方がいいので・・・(明らかな誤用、I氏は何を勘違いしているのであろうか。)
 
袖口にボタンがふたつ、留め位置の調節可能なタイプを「アジャスタブル・カフス」と呼ぶ。無論クラシックの範疇には入らない。
ボタンでもカフリンクスでも留まるタイプを「コンバーチブル・カフス」と呼ぶ。
I氏はカフスリンク仕様の袖口スタイルをすべからくダブルと呼ぶものと勘違いしているのであった。ダブルは上述のとおり折り返して二つ折になっている袖口スタイルのこと。店員は心の中で「プっ」と手で口をふさいでいたに違いない。
袖ボタンは袖先のほかに袖開きと呼ばれる袖の奥のほうにもついている。袖開きの部分を「剣ボロ」と呼ぶ。
「イニシャルは、英字で?漢字で?」
 よし、きた
「イニシャルはつけません」
 ちょっと、怪訝な顔の店員。
 すべての日本人がオーダーシャツにイニシャルを入れるものだと思わないでいただきたい。イニシャル入りが仕立ての証というわけではあるまい。初心貫徹。これこそがクラシックなのだ。欧米の紳士が和服に名前を縫い付ければ、笑いものであろう。自己正当化をはからねばならない点がいまいちスタイルとして定着していないI氏。
では洗濯ネームは
「はい?」
 ああ、想定外の進行。
実はイニシャルだけではない。
クラシックスタイルにこだわるならば、ポケットもつけてはならないのであった。
そもそも、人前で上衣を脱ぐことなど前提にない正式の洋装ルールにのっとれば、シャツのポケットは意味をなさないものである。
たとえやむを得ず上衣を脱いだとしても、スリーピースのベストがあるので、やはりシャツのポケットは不要である。
しかし、高温多湿の日本で秋冬春はいざ知らず、夏場をこのルールに固執して乗り切ることができるのであろうか、
湿度の低いヨーロッパと同一に語っても良いのであろうか。
洗濯ネームはクリーニング用に背中の衿下のタグにつけるネームであった。これは採用。
「では、サイズをはからせていただきます。上着をお脱ぎください」
 店員がサイズをはかりはじめる。
「首まわりは指1本分、ゆとりをもたせますか」
 きたきた。ここが見せ場だ
「いえ、ジャストフィットでお願いします」
「では、0.5だけ詰めますね」
「・・・お願いします」
衿まわりの採寸は日本では1センチほどのゆとりをもたせるのが一般的。
これは大きな誤りなのだが、咽喉がつぶされ、ボタンがピン、ピンとはじけ飛んでゆく光景が脳裏をよぎり、強くあと0.5ミリの詰めを主張できないI氏であった。
・・・今日はこれで勘弁してやる。
吉本新喜劇の捨て台詞を心につぶやくI氏。
 背タックは今おめしのシャツと同じように2本でよろしいですか」
 ああ、再び想定外。背タックぅ?
「・・・はい、お願いします」
「全体にゆとりを持たせてお作りしますか」
「いえ、ジャストフィットでお願いします」
「では、背タックはないほうがよろしいですね」
「・・・・はい」
 そういえばズボンのタックもゆとりを持たせる仕掛けだものな。嗚呼、付け焼刃の悲しさ。
背タックは背中上部にある縦に入ったタック。全体にゆとりをもたせるシルエットの場合は有用。しかし、不必要なルーズさはスーツの中でシャツが遊び、上衣のしわや不自然なシルエット形成を助長する。
袖のボタンをきつめにするのも、上衣のズレにあわせてシャツが動くのを防ぐため。
「前立てはどうしますか」
 ああ、またまた想定外。
 前立てってトラウザー(ズボン)のチャックのことじゃないの?・・・ってことは前ボタンのことか。
 思わずネクタイをあげて前を出すI氏。これはあたり。
「今お召しのように前に出して、3センチでよろしいですか」
「・・・はい」
前立てはI氏が咄嗟に気づいたとおり、シャツの前、ボタンが一列に並んでいる帯の部分。
前身頃をしっかりとさせ、波うちをおこさせないための補強の役割を担う。
純正クラシックでは前立ては表に現れないが、現在ではクラシックシャツでも前立てはOK。ただし、標準は3.3センチであった。
シャツ素材がしなやかな高級品の場合、前立てはつけないほうが正統。

クラシックなシャツはフロントボタンは7つ。
ボタンは4つ穴のクロスステッチド・ボタン。
トップボタンとその下のボタンとの間隔は6センチ、2番目以降のボタンの間隔は7センチ。
トップと一番下のボタンホールは横切り。真中の5つのボタンホールは縦切り。これはシャツをズボンに入れるためにひっぱった時、ボタンが外れにくいため。
「袖タックはいかがしますか」
 ああ、もうどうにでもしてえ
「・・・・・・」
「今おめしのように2本でよろしいですか」
「・・・はい」
袖タックは袖先にあるひだ(プリーツ)のこと。クラシックスタイルでは複数のプリーツが入っている。袖先に緩やかな曲線が生まれ、美しいシルエットとなる。
「ありがとうございました。×月×日の仕上がりになります」
「宜しくお願いします」
 来店時に比べ、極端に無口になったI氏であった。

 参考文献:日経ビジネス1996/3/1号・紳士のブランド/堀けいこ・サライ編集部(小学館)・男の服装術/落合正勝  はまの出版・紳士の服装/林勝太郎(小学館)

クラシックな装い物語     →→→back

さあ、完璧なクラシックフォーマルを身につけよう。
簡単、簡単。以下の格好をしていれば
世界中どこのパーティでも臆することなく闊歩できる
そうです・・・ああ。

手縫いもしくはグッドイヤー・ウエルト製法による
プレインキャップトゥあるいはストレートチップ
黒または濃い茶の
予算が許す限り高価な牛革の 5つ穴の紐靴。
これを、78センチ長の靴紐をパラレルに結び、
黒無地(靴が茶ならば黒無地か濃紺)の靴下で自然に足を覆い、
ネクタイは、紺地に白のピンドットの上質なシルク。
これを大剣の先がベルトを隠す位置になるようにダブルノットで長さを調整しながら結び、
白、もしくは薄いブルーのワイドスプレッド・カラー(衿)の胸ポケットのない
当然イニシャルなどは縫い付けられていない
咽喉もとに決して指1本のゆとりをもたせない、
袖口もきっちりと遊びなく留めることのできるコットンのシャツを
シングル、2つボタンの鉄紺の紺地に緩やかなチョークストライプ
ウールのスリーピースから1.5センチ程覗かして着ればいいのである。

                    参考文献:落合正勝著 男の服装術 はまの出版

服装に関する無関心は自殺に等しい。
(バルザック)

ファッションの大量生産と大量のマーケティングによって、
まちがった、ろくでもないファッションが私たちの衣装ダンスの中に大量につめこまれています。
(カテリーヌ・ミリネア/キャロル・トロイ)

クラシックで上質な靴とネクタイは、
スーツが上質でもそうでなくても、スーツスタイルを際立たせる。
逆に靴とネクタイが貧相であれば、
それがたとえ注文服であっても、全体の印象は驚くほどみすぼらしくなる。
(落合正勝)

ブランド名を覚えるより先に、服装術を見につけることは大切である。
服が具体的に見えてくるからだ。
(落合正勝)

流行も度を越すと一つの漫画になる。
だから人を欺こうというような流行はそもそも長続きしないし、悪趣味なのだ。
(バルザック)

基本的には装うということもほかのすべての行為と同じです。
そのための知識と練習が必要になります
(アラン・フレッサー)

デザイナーの名前がついているものなんか、私は絶対身につけません。
テーラーの名前ならいいですけど。
たとえばイヴ・サンローランが、私の生い立ちや私のものの考え方と、
いったいどんな関係を持ってくれるというのですか。なにもないじゃありませんか。
(リチャード・マーキン)

秋はいい。冬も大丈夫だ。春も何とかしのごう。
だが、日本の夏でカッコつけられるってえならつけてみやがれ!
(世田谷区 H.I)                
                            参考文献:落合正勝著 男の服装術 はまの出版)

アイテム別整理     →→→back


Shoes   
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プレイン・キャップ・トゥ 甲の部分に横一直線のラインが入っているのはストレートチップと同じだが、このラインに小さな円形の模様が入っている。
クラシックなスタイルにも通用する。
オンビジネスにイチオシ。


(YANKO)
ストレートチップ 甲の部分に横一直線のライン(切り替え線)が入っている。
最もクラシックなスタイル。
オンビジネスでもパーティでも通用。


(LOAK)
ウイングチップ 翼のような飾り革と甲の部分に水はけ用のメダリオン(丸い穴)がついている。
メダリオンの数は150程度。アメリカの方がイギリスのものよりメダリオンの数が多い。
クラシックの範疇ではあるがややスポーティなため、スリーピースなどにはあまりそぐわない。
ブリティッシュスタイルに起源がある。


(SCOTCH GRAIN)
Uチップ 爪先にU字のアッパーがついたタイプ。
ややカジュアルな雰囲気。スリーピースなどにあわせるのは本来不似合い。
トゥの切り替え部(モカ縫い部)に立て線が入っているタイプと入っていないタイプがある。
このモカ縫い部が立っているほうがカジュアル度が高く、寝ている(爪先から遠い)方がオンビジネスには向く

(LOAK)
プレイントゥ 甲の部分に飾りが何も無い紐靴。
クラシックの範疇。
ややシンプルすぎるきらいがある。
黒のプレーントゥは堅苦しいイメージを醸し出す。濃い茶にするとややドレッシーになる。

画像の靴はワインレッドの色味がかっている
革はコードバン(馬の尻の皮をなめしたもの)


(JOHNSTON&MURPHY)
モンクストラップ 紐無の靴の中では唯一クラシックの範疇に入る。
修道僧の靴が起源。
甲を巻き込むようにに太めのベルトとそれを留めるサイドの留め具によって成り立つ。
オンビジネスでも通用。

トゥはプレーンなタイプが多い。
画像のデザインはモンクストラップとしては珍しい


(YANKO)
タッセル・スリップオン 甲部にふたつの飾り房がついている。
カジュアル色の強い靴。
オンビジネスとしてはドレスコードのうるさい職場では茶のタッセルは難しかろう。
足元に視線を集めやすいのでコーディネイトに注意する。


(YANKO)
ローファー ローファーとは怠け者の意。
アメリカンインディアンの履いていたモカシンに起源をもつ。
カジュアル色の強い靴。はだしもOKなどと言われている。
つま先(バンプ)部分の長さにより靴のイメージがかなり変わる。甲にわたされたストラップ部の穴にアイビーリーガがコインをはさんだのでペニーローファー、コインローファーなどと呼ばれる。ローファーは靴下の露出度が高いので着こなしに注意。



(JOHNSTON&MURPHY)
スリップオン  アメリカの靴メーカー「コールハーン」はローファー専門のイメージが強かった。
 いつの間にか、ナイキに買収されていたらしい。
 エアエッジのようなローファーっぽいスリップオンシューズだ。
「なんか、格好いいでないかい?」 というだけで購入した筆者にしては珍しい物欲起動物件。ソウル部がいかにもナイキしている。ちゃんとエアエッジ仕様だしね。
(COLEHANN)

Collar
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ワイドスプレッド ウィンザー公爵考案のウィンザーノットでネクタイを結ぶと、レギュラーカラーでは結び目が大きすぎる。このためカラーの角度を広くしたシャツをウィンザー公が考案し、これをウィンザーカラーと呼ぶ。ワイドスプレッドカラーの原型である。ダブルノットもOK。
セミワイドスプレッド 衿の開きがワイドスプレッドとレギュラーの中間。
タイはダブルノットか、ウインザーノットで。
レギュラー 一番ポピュラーで標準的なカラースタイル。
メーカーあるいは仕立ての好みによってカラーの長さなどに差が現れる。
衿高もワイドスプレッドより低く猪首の多い日本人に向いている。タイはダブルノットかセミウインザーノットで。
ボタンダウン BDシャツなどと標記されるカジュアルなシャツ。
着こなしのサンプルとしてケネディ大統領がひきあいに出されることがあるが、プライベートシーン以外で彼がBDシャツをオフィシャルシーンで身に付けたことはないはず。タイはプレーンノットで。
ラウンド 丸みを持たせた衿先
クレリック 袖先とカラー部分が白無地。
クラシックでドレッシーなイメージ。
ピンホール 左右の衿先を1本のピンで繋いで留めるカラータイプ。
タブ 左右の衿下から留め具が繋がっているカラータイプ。
ウイング  フォーマルの範疇。 
 前立ては比翼仕立てで、ボタンが見えない。
 胸部の布は厚め。イカ胸とヒダ胸の2種がある。
 布を厚くしただけのシンプルなイカ胸に対し、胸奥にたたみこむようにヒダ状の構造のヒダ胸はややカジュアル寄り。
 タイは蝶でも棒でも対応できる。ネクタイが首から逃げてしまわないよう、ベルト通しのようなタイ通しがある。
ネクタイ
Necktie
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ソリッド 無地。
ソリッドに始まり、ソリッドに終わると言われる。
生地の模様により、表情を出すものもある。
ドット 水玉。
一番小さいのがピンドット、ポルカドット、コインドットと大きくなってゆく。
ドットは正円で対象形で配置されているものがクラシック
クレスト 家紋・紋章
フラード 小紋
ストライプ 右上がりが英国式。右下がりが米国式
レジメンタル ストライプの一種。
英国連隊旗に由来する。
色・幅などに厳密な規格を適用する極めて集団帰属性の高い柄。公の席では絞めないほうが無難。
ペイズリー 羊歯のような渦巻き模様。
英国のペイズリー地方に由来する古典柄
ロイヤルクレスト スコットランドの伝統的紋章をあしらったものがクレスト
トラディッショナルな装いには不可欠な柄
このクレストとストライプの組み合わせも重厚
レジメンタルの間にクレストが入って
ロイヤルレジメンタルもあり
オールオーバー 全面に同一パターンのプリント柄を配置
結び
Knot
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ダブル 樽のような太長の結び目となる大剣を二巻きして作る。
クラシックなスタイルに似合う。
生地・タイのスタイルによりトリプルに巻くことも。
ウインザー ウィンザー公爵考案のワイドスプレッドに似合う逆三角形のような太結び。ディンプルがきれいに出る。
生地の厚いタイでこの結び方にすると日本人には不釣合いな大きさになってしまうから注意を要する。
セミウインザー エスカイアーノットとも。プレーンとウィンザーの中間
プレイン シングルノットとも。一番細身の結び目。
アメリカントラッド。ボタンダウンに合うとされる

Pattern
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チョークストライプ 黒・紺地などに白いチョークを引いたような縦縞(しま)が特徴。
ストライプ幅は1.5センチ程度。
クラシックスーツに最適の柄。嫌味の無い落ち着いたイメージ。
ペンシルストライプ 鉛筆で引いたようなイメージの縞模様。
チョークストライプとの違いは縞糸の太さによる。
チョークストライプよりも縞の主張が強くなる。
ヘアラインストライプ 毛髪のように細い縞模様。離れると無地に見える
オルタネイトストライプ 2種類の縞が交互に並んだ模様
キャンディストライプ 縞糸がほぼ水平に近く、縞と地の面積がイーブン
タッターソール 白地に赤と黒・黄と茶などの2色の細い格子
ヘリンボーン 和名は杉綾。ニシンの骨という意味。
ヘリンボーンにストライプが入れると、ヘリンボーンストライプとなる。
グレイまたは茶系で揃えておくのが基本。
ハウンドトゥース 和名は千鳥格子。
犬の牙のような尖った模様が並ぶ。白黒または白茶の配色が基本。
トラウザー(ズボン)にこの柄をそろえておくと、ジャケットとの着まわしに幅が出る。
グレンチェック 大柄の大小の格子をまとめた図柄。
チェックは本来カントリー仕様だが、オンビジネスにも通用する夏冬を問わずオールシーズンむけの古典的な柄。
ピンチェック 横糸に白または色糸、縦糸に色糸を使う極細の平織格子柄ほとんど無地に近い上品な柄。
ギンガムチェック 平織の格子柄。白地と青、赤、黒など単純な格子。
タータンチェック スコットランドのハイランド地方に源流を持つ古典的格子柄。家ごとに名前のついた柄を使用(例えば、靴下に多いアーガイルはアーガイル伯爵に由来するタータンチェックの一種)家格が高いほど多くの色を使用。
ブラック・ウォッチ(青地に緑と黒のタータンチェック)などは紺ブレに合わせるトラウザーとしては最適(紺ブレにはグレイのトラウザーが基本だが・・・)
スーツ
Suit
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シングル 2ッ釦・3ッ釦・3ッ釦中掛
ツーピース・スリーピース
ベスト 5ッ釦・6ッ釦
2ッポケット・4ッポケット
ラペル有・ラペル無
尾錠付・尾錠無
上衣を脱いだときにシャツ姿になる非礼を避けるためにイギリスで考案された。
ベストの一番下の釦は外す。
筆者は5ッ釦、3ッポケットが多い
ダブル 6ッ釦2ッ掛・6ッ釦1ッ掛・4ッ釦2ッ掛・4ッ釦1ッ掛
フランスは6ッ釦、イギリスは4ッ釦が多い。6ッの方がクラシックイメージが強い
パターン 反身・屈身・下り肩・怒り肩・ツキ取
身体的特徴を把握してスーツを作ろう
ショルダーラインが怒っているのがラテン式、なで肩が米国式、その中間が英国式
ウエストを絞るのは英国式、ストレートは米国式
ノッチ・セミノッチ・セミピーク・ピーク
シングルはノッチドラペル、ダブルはピークドラペル
ベント センター・サイド・ノー
ベントは好みで、英国はサイド・米国はセンター・ラテンはノーベントの傾向が多い
背抜・総裏
トラウザー ベルト ベルトレス・ループ付・持出しループ付
タック 無・1本・2本
シングル・ダブル
フォーマルはシングル。傾向としてダブルがクラシカルに
ポケット 斜め・立て
前立 チャック・釦
コート
Coat   →→→back
チェスターフィールド チェスターフィールド6世愛用のコート。
スーツの上衣を伸ばしたイメージ。着丈は膝下程度。
ノッチドラペルで、上衿は黒のベルベット地、前合わせは比翼仕立て(ボタンを隠す仕立て)が最もクラッシー
ポロコート スポーツ観戦用のコート。クラシックなチェスターフィールドをややカジュアルにしたイメージ、したがって現代のチェスターフィールドはこのポロコートと同様のイメージ。
ステンカラー 正式名称はバルカラー。第1ボタンを絞めてもあけても良い衿型のこと。衿先のボタンを閉めると衿を立てることができる。
ラグランスリーブでオーソドックス。
トレンチ 第一次大戦時、英国陸軍が開発。多くのベルトは手榴弾をつるしたり(Dリング)、銃や双眼鏡を掛けたり(エポーレット=肩章)するのに考案され、長い塹壕戦に耐えられるよう8ッボタンのWブレスト(左右どちらからでも留められる)や肩生地を2枚にしたり袖口にカフストラップ(袖ベルト)を設けたりと防水に配慮が施されている。
ダッフル ベルギーのダッフルという地名に由来する北欧の漁民が愛用していたコートの総称。英国海軍に採用された。
モントゴメリー元帥がダンケルクの撤退時に漁民から贈られ、タートルネックのセーターの上にそれを羽織った彼のスタイルはつとに有名。彼のコートは淡い褐色だったが、英国海軍は濃紺。これが戦後放出され一般に普及した。
正装
Formal
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モーニング 夕刻までの正装
テイルスーツ 夕刻以降の正装。和名燕尾服
ディレクターズスーツ 夕刻までのモーニングの準礼装
タキシード 夕刻以降の燕尾服の準礼装
ダークスーツ カジュアル性の強い略礼装
ブレザー カジュアル性の強い略礼装
ブラックスーツ ジャパンローカルのオールマイティな冠婚葬祭用和製洋装
小物
Accessory   →→→back
時計
手袋
ベルト サスペンダー(米国←→英国)ブレイシズ・バックル
財布
ポケットチーフ スリーピーク・トライアングラー・TVフォールド・パフ・クラッシュ
カフス・ラペルピン
マフラー
筆記具
手帳

参考文献:男のカラーコーディネイト事典/渋川育由・高橋ユミ(河出書房)紳士のブランド/堀けいこ・サライ編集部(小学館)紳士の服装/林勝太郎(小学館)男の服装術/落合正勝(はまの出版)Begin1995/2(世界文化社)男のスタイルブック’96(婦人画報社)男のスタイルブックトラッドの新ルール’98(婦人画報社)Men's EX1996/4

靴のメンテナンス物語     →→→back

 靴にはシューキーパー、服にはブラシ。これはもう常識である。
 でも、今まで買ったことがありません、シューキーパー。
 いつも靴に付属でついてくる浮き袋のようなエアクッションでごまかしていました。ごめんなさい、許してください。
 でも、シューキーパーの重要性を説くわりに、なぜそれが必要なのかの理由付けが希薄な解説書や雑誌が多いのも問題である。
「浮き袋」だって詰め物としては十分ではないか。そんな言い訳で自分を納得させてきました。しかし、もういけません。靴の病が発症しました。
 病状は以下のとおり。
 初期症状は甲の部分の反り返り。
 やがて甲の反り返りに連動して甲の両サイドのシワが増加。
 シワがやがてひび割れになる。
 そうか、そういうことか。遅まきながら、ちゃんとすることにしました。
シューキーパー    →→→back
「バネ式」と「ネジ式」がある。
「バネ式」はバネの反動を利用して甲の反り返りを抑えるので、シワ伸ばしに有効。
「ネジ式」は靴の型にあわせて堅固な維持力を保持。
 オンステージの靴には「バネ式」、長期保存の靴には「ネジ式」の利用が推奨。
 脱いだ後の靴に入れるのは「バネ式」。
 素材は「プラスチック製」と「木製」。
「プラスチック製」は吸湿性がないので「木製」のほうがおすすめ。
「プラスチック製」でも通気に配慮して穴があいているもの、また抗菌処理が施されているものもある。


クリーム    →→→back
「メルトニアン・シュークリーム」
 英国王室御用達のこの一品が推奨品。
 あの落合正勝をして「艶出しも汚れ落としも必要ない。この一品で大丈夫」と言わしめたシュークリーム
 
「ミンククリーム」
 透明な靴・鞄用クリーム。靴底の革のメンテナンスに推奨。
「M.モゥブレィ・シュークリーム」 メルトニアン製品の販売中止
 びっくりである。メルトニアン製品が製造・販売中止になっていた!製品は引き上げだそうである。2003年の10月頃らしい。
 代替品はこれ。M.モゥブレィ。メルトニアンと同様の成分。意匠もメルトニアンに似せている。販売元のR&Dが新ブランドとして推しているのだ。
 販促策のためメルトニアンより微妙に嵩が高い(容量増だ)
「LA CORDONNERIE ANGLAISE(コルドヌリィ・アングレーズ)」
 モゥブレィにワイン色の靴用の「ボルドー」がないのである。
 そこで登場、コルドヌリィ。
「バーガンディ(赤ぶどう酒色)」という名称なんだけどね。
 蜜蝋(動物性。モゥブレィは植物性)で水分がモゥブレィより少ない。伸びにくければ若干水を含ませた方がよいかも。いずれにせよ、フランスのなかなかに実績のあるブランド。
メンテナンス    →→→back
 新品の靴は履く前にクリームを塗って、メンテナンスをしておく。
 メンテナンスをするときはシューキーパーを入れたままで。
 汚れを布切れなどで落とし、
 コバ(靴底の革が甲との結合部で張り出している部分)の汚れを歯ブラシなどで掻き落とす。
 クリームを薄くのばす。
 靴底(ソール)も革の場合はソールにもクリームを。
 30分程放置。
 ブラッシング(ブラシで)
 ストッキングで艶出し(ストッキングで擦ると、瑕がついたり、静電気が・・・などと言うが、無視、無視)

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