2001年

 10月28日

混声合唱組曲「悪魔の飽食」全国縦断コンサート第10回仙台公演の開催に協力

 

宮城の近況(2000年6月10日)

 宮城では、三月二十六日(日)の総会で、二〇〇一年秋に「悪魔の飽食」合唱団の公演を開催する方針を決議しましたが、その準備がいよいよスタートしました。来年秋の宮城県は、国体(国民体育大会)の開催を控えています。その日程に重ならないよう、また本番での指揮をお願いすることになる作曲家の池辺晋一郎さんの都合も考慮して、開催日を二〇〇一年十月二十八日に絞りました。宮城で七三一部隊に関連する行事が企画されるのは、一九九三年の「七三一部隊展」以来です。久々のビッグイベントに向けて、今後各方面に実行委員会の結成を呼びかけ、公演会場となるホールを手配するなど本格的な準備に着手する計画です。


宮城の近況(2000年8月10日)

 来年十月に「悪魔の飽食」コンサートを開くことになったことは前号で報告しましたが、そのための実行委員会を八月十一日に開くことになりました。混声合唱組曲「悪魔の飽食」全国縦断コンサートプロデューサーで「支える会」の専従でもある持永伯子さんを招いて、企画の中身を詰める予定です。

 宮城では、昨年秋に宮城教育大学の先生が学生合唱団を指導して「悪魔の飽食」を公演したことがありますので、その時の皆さんにも呼びかけて、大きな輪にしていきたいと思っています。

 宮城の事務局は四人のスタッフで運営しています。今年度は皆それぞれに多忙のため、目立った活動をする余裕が見出せないでいます。しかし会員が漸減している状況を打開するためには、これまであまり声をかけてこなかった人たちに向かって行動することが必要です。「悪魔の飽食」コンサートの企画が、そのきっかけになってほしいと思っています。


宮城の近況(2000年10月10日)

 宮城の会の呼びかけで来年十月に予定している混声合唱組曲「悪魔の飽食」全国縦断コンサート・仙台公演の準備が、八月にいよいよ始まりました。

 九月初旬には、仙台を拠点に国際的に活動している作曲家の岡崎光治氏を招いて会議をもち、様ざまな助言をいただくことができました。岡崎氏は、中国人訴訟弁護団幹事長の小野寺利孝弁護士を通じて「じん肺」問題を題材にした合唱を作曲・公演されたこともある社会派の音楽家で、今回の「悪魔の飽食」コンサート仙台公演についても高い関心を示され、練習指揮者の中心としてお力添えをいただくことになりました。

 当面の最大の課題はコンサート会場の確保です。十月初日から受付が始まりますが、毎年十月から十一月にかけての時期は、県内では文化行事が目白押し。加えて来年は「みやぎ国体」や「仙台開府四百周年記念行事」が開催されることも影響して、収容人員千五百人クラスの会場を確保するのは難しい状況にあります。もし予定の日時・会場に希望が集中したときはくじ引きになります。どうか幸運に恵まれますように!


宮城の近況(2000年12月10日)

 宮城の会の呼びかけで来年十一月に予定している混声合唱組曲「悪魔の飽食」全国縦断コンサート第十回仙台公演の準備が進んでいます。公演は来年十月二十八日午後、音楽ホールとしては仙台市内で最も評判の高い「イズミティ 」大ホール(約千五百人収容)で行われます。

 この日程・会場を確保するまでの経過は、いま思い出しても「神の見えざる手」に導かれたとしか思えないほど幸運でした。会場予約抽選日の十月一日に、来年十月の大ホール使用を希望して集まった団体は二十もありました。予約交渉順位を決める抽選で「仙台公演」が獲得した順位は第九位。先立つ八団体が予約を埋めてしまえば、この企画は大きく後退するところ。案の定、私が予約窓口に行く前に、希望の日程は埋まっていました。ところが幸運にも、障壁になっている予約をしている団体と後日直接連絡できることになり、粘り強く話し合い、互いに譲歩をした結果、第一希望の日程へ予約を変更することができたのです。それは本当に素晴らしい交渉でした。全国縦断コンサートのプロデューサーでもある、「支える会」事務局・持永伯子さんのご協力なしには不可能だったと思います。リハーサルのためのスペースなどが必ずしも十分確保できない点が残念ですが、それは何とかなるでしょう。

 日程・会場が決定してからは、仙台市・仙台市教育委員会・宮城県教育委員会など公的団体、NHKほか各テレビ局・新聞社への名義後援申請をし、続々と承諾が届いています。いま「呼びかけ人」としての協力要請を、県内各方面の人びとに広めているところです。


宮城の近況(2001年2月10日)

 私たち宮城の会を含む民主諸団体は、日本会議が仙台市議会に提出していた「教科書採択請願」を、昨年夏から秋にかけての運動によって取り下げさせることに成功しました。この勝利を分かち合い今後の教訓とするため、1月25日「子どもと教科書みやぎネット21」が発足しました。中国人戦争被害者の要求を支える宮城の会は、この運動に参加した団体として、また「家永教科書裁判」の成果を引き継ぐ団体として、新たに発足した「みやぎネット」と今後も大いに協力していきます。

 さて、宮城の会の呼びかけで今年10月に予定している混声合唱組曲「悪魔の飽食」仙台公演の準備は、新年を迎えていよいよ本格化します。昨年末までに、宮城県教育委員会をはじめとする公的諸団体(5団体)とNHKを含む各テレビ局・新聞社(7社)の「後援」を獲得しました。また20数名の方々から「呼びかけ人」の承諾を得ることもできて、とりあえず外堀は埋まった、という段階です。

 2月4日には、合唱練習の詳細計画を練る会議をもち、合唱団の組織化に着手します。総勢200人に及ぶボランティアの合唱団員を公募し、半年に及ぶ練習を経て、1500人の聴衆を魅了させようという企画は、宮城の会のスタッフの誰にとっても初めての経験です。不安と重圧に押し潰されそうですが、日本人の歴史認識を塗り替えるような、感動いっぱいのコンサートになることを夢見て、頑張っています。実行委員会に協力していただける方がいらっしゃいましたら、ぜひ連絡をください。


宮城の近況(2001年4月10日)

 「宮城の会」の呼びかけで今年10月に予定している混声合唱組曲「悪魔の飽食」仙台公演の準備は、新年を迎えていよいよ本格化しています。

 去る2月4日には、合唱練習の詳細計画を決定。練習指揮者(作曲家の岡崎光治さん)・練習ピアニスト(石垣弘子さん)の了解も得て、いま練習会場の予約手続きを進めています。

 また3月25日には第1回の実行委員会を開催しました。懸案の「実行委員長」には、「宮城の会」代表委員であり、中国人戦後賠償請求事件弁護団の一員でもある青木正芳弁護士が就任しました。青木弁護士は、冤罪・松山事件で再審無罪を勝ち取った経験豊富な人権派弁護士で、地元紙「河北新報」夕刊のコラムも執筆するなど幅広い活動で知られています。

 さらに、仙台公演の地元「呼びかけ人」として、累計で40名の方々から承諾を得ました。音楽関係者、学識経験者、弁護士、教育団体・女性団体・労働組合の代表者など、実に幅広くいろいろな方々がそろっています。

 今後は、4月から地元合唱団メンバーを公募し、5月から練習を始める予定です。

 なお、私たち宮城の会を含む民主諸団体は、日本会議が仙台市議会に提出していた「教科書採択請願」を、昨年夏から秋にかけての運動によって取り下げさせることに成功しましたが、同様の請願が、仙台の両隣にある岩沼市議会と塩竃市議会にも上程されていました。このうち岩沼市議会での請願は、3月2日に教育民生委員会の審議で「審議終結」を勝ち取ることができました。


宮城の近況(2001年10月10日)

 いま宮城では、10月28日開催の混声合唱組曲「悪魔の飽食」仙台公演の成功のために多くの会員が奮闘しています。

 9月28・29の両日は、本番の指揮者となる池辺晋一郎氏を招いて合唱団の特訓が行なわれました。地元・仙台の「悪魔の飽食」合唱団のほか、仙台で定評のあるグリーン・ウッド・ハーモニーの有志メンバーと、福島県いわき市から参加予定のメンバーも加わって、池辺氏の熱心な指導を受けました。正味5時間の練習でしたが、練習指揮者である岡崎光治先生の日頃の指導が奏功して、短時間で大きく磨きがかかり、合唱団一同「至福」(=みんな「私服」だからね、とは池辺さんの洒落です)の2日間を過ごしました。

 1ヶ月後の本番は、全国8都市(遠くは九州・熊本)からの応援メンバーも加えて、およそ230名もの大合唱団が舞台に立つことになります。しかしこのコンサートは単なる大合唱が目的なのではありません。「歌って終わり」ではなく、支援の輪の「きっかけ」を作るために私たちは歌うのです。戦争の悲惨を次の世代に伝え、七三一部隊の戦争犯罪を日本人の常識にするために、私たちは声を合せます。ですから当日都合のつく方々はぜひ聴きにきていただきたいと思います。

 池辺氏の特訓に先立って、28日午前にはコンサート前最後の実行委員会が開催され、宣伝販売活動の詰めと当日の動きを確認しました。チケットの販売はあまり芳しくないようですが、残り数週間で追い込みをかけて、1500人の大ホールをぜひ満杯にしたいものです。


宮城の近況(2001年12月10日)

 10月28日、混声合唱組曲「悪魔の飽食」仙台公演は、大きな成功を収めました。

 開演1時間前から、小雨にもかかわらず受付前には長蛇の列。「悪魔の飽食」を歌う合計230名の大合唱団ゆえに、オーケストラピットまでステージを広げたため収容定員は1200席になりましたが、そこへ1140名の観客が入りました。

 第一部は全国コンクールを間近にひかえた仙台屈指のアマチュア合唱団「グリーンウッドハーモニー」のステージ。今回のために多忙を縫って練習した3曲の合唱と、ギター・ソロの演奏で快調な滑り出し。

 休憩を挟んで、第二部は森村誠一氏と池辺晋一郎氏が登場、アメリカの同時テロと七三一部隊を結び付けながら「悪魔の飽食」の意義などについて対談されました。

 そして第三部が「悪魔の飽食」の大合唱。最年少記録を更新した中学2年生の女子生徒をはじめ中学生・高校生・大学生そして七三歳までの人々が心を一つにして歌った演奏は、池辺氏みずから「純度の高い演奏だった」と語ったほどの素晴らしい出来栄え。「涙が止まらなかった」、「とてもダイナミックで心揺さぶられた」など多くの感動を呼びました。

 上演中いくつか不手際があり、多少悔しい思いもしました。前日まで必死に続いたチケット売りなどスタッフの苦労も筆舌に尽くしがたいものがあります。しかし皆がそれぞれに頑張って、一年間の準備あるいは半年の練習をやりぬいて迎えたステージは、何にも替えがたい貴重な経験でした。会計決算も赤字は免れる見込みで安堵しています。

 今回の公演をきっかけに、中国をはじめとするアジアの人々への加害責任と戦後補償裁判の存在が多くの人々に知られるようになったことを信じたいと思います。ご協力いただいたすべての皆様にこの場を借りて御礼申し上げます。


宮城の近況(2002年2月10日)

 年末の12月27日、混声合唱組曲「悪魔の飽食」仙台公演の最後の実行委員会が開催され、事業報告と会計報告について審議が行われました。

 事業報告に関しては、合唱関係など多方面のネットワークが活かされて仙台公演が大きな成功を収めたことを再確認したうえで、事務局の体制が不十分だったことなど、幾つかの反省をまとめました。

 会計については、予想以上に前売券が売れたことなどが奏功して多額の黒字になる見込で、その見込に基づいて利益処分の方針について協議しましたが、著作権利用許諾料やチケット代金の未精算分が若干残っていたため、金額は確定できませんでした。

 事業報告・会計報告ともに、3月ごろまでに残余を完成させることになっています。それが終わったら、「宮城の会」定期総会を開催する時期がやってきます。

 

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