1998年

 3月 8日

回総会 &王亦兵さん証言集会

 

 去る三月八日(日)フォレスト仙台において、731部隊の被害者遺族王亦兵さんの証言集会が老若男女合わせて67名の参加で開かれ会場いっぱいになりました。

 宮城の会事務局の731部隊についての報告のあと、兵頭進弁護士による訴訟報告、そして王亦兵さんの証言に入りました。

 世界でもっとも極悪非道の犯罪としての731部隊の罪行、その一人として父親も殺されたこと、その真実の歴史を知ってほしいと訴えられました。

 当時王亦兵さんの父、王耀軒氏は多くの農地や店を持ち大連では写真館を経営していたが、日本軍の三光政策などに対するまわりの人々の抗日の戦いを見、商売をなげうって全てを抗日運動に打ち込むようになった。その後、大連の日本憲兵隊の知るところとなり仲間とともに逮捕され、そのまま消息が途絶えてしまった。

 一家の稼ぎ手を失った家族は、物乞いの生活を余儀なくされるなど、その具体的な生活の苦しみが王亦兵さんの口から具体的に話されるのを私たちはかたずを呑んで聞いていました。私たちにとって、日本が侵略した行為や残虐な事実については知って衝撃を受けても、その犠牲になった方たちやご遺族の方々のその後の苦しみについてはあまり考えずにきたことを改めて反省せざるを得ませんでした。

 証言のあと、会場からの発言も活発で、731部隊の予備軍で部隊に配置されそうになった中国帰還者連絡会会員の方の発言、中国旅行で「万人坑」を見学してきた方の感想、平和遺族会会員で父親が南京攻略に加わり翌年戦死したという方の日本遺族会の批判発言等活発に行われた。いずれも日本国としての正式な謝罪を求めていかなければというものでした。

 最後に17才の高校二年生から「中学二年の時731のことを知り、戦争体験者の話を直に聞いたのは、祖父が始めてで、王さんが二人目です。もっともっと知っておかなければならないと思い、こういう会に参加できてたいへん参考になった。大学では中国の歴史や731のことをもっと学びたい。これからもこういう会を通していろいろな事実を知っていきたい。という発言があり、会場の参加者や王さん一行も大変元気づけられるものとなりました。

 

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