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入れ歯(取り外し式の義歯)の治療

手順 (その6) 治療効果の検証
 治療後再評価をしなければ治療した意味があったかどうかを知ることはできません。治療前後の比較をじっくりすることで、今回の治療における反省点や今後気をつけてメインテナンスをすべきことなどがわかります。

青木歯科の入れ歯(取り外し式の義歯)
 ここで説明する入れ歯とは、多数歯に及び歯が無くなった時に入れる取り
外し式の義歯のことです。
 通常は精密な歯型を作り、精密に噛み合わせを決めて作っていきます。
 わたしたちはそのような治療をする時にも、普通ではあまりしないようなこともしながら作っていきます。少し手間はかかりますが、その「ほんの少し」の手間が良い結果をもたらすのであればなんの問題もありません。患者さまにとっても若干時間と検査などで煩わしいことがあるかもしれませんがその結果と比べれば小さな問題だと思います。

手順 (その1) 最初の診査
 義歯に限ったことではありませんが最初に詳細な診査をします。
顔 頭の骨格 歯並び 今までの義歯(あれば) 噛み合わせ 顎がつらくないか 他に困ったことがないか(耳鳴り、めまい、目の奥が痛い、口が開かない、、などなど)などのことについてお伺いしたり、記録に残したりします。この患者さんの場合は上に歯があるところの相手となる歯がない、すなわち歯と歯ぐきで噛んでしまう噛み合わせ(すれ違い咬合)でした。今まで使っていた義歯も高さが低く、噛み合わせの位置もずれており、義歯を替えなくてはならない状況でした。

手順 (その2) 精密な診査:総合診断
 矯正治療や大がかりな噛み合わせ治療と同じように詳しい検査をします。内容は「総合診断」の所に記載してあるので参照して下さい。歯の石膏模型を骨格との関係を考えて咬合器に装着します。また、頭蓋骨の骨格をレントゲンで記録し、その結果を分析します。

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手順 (その3) 今までの義歯を調節する
 総合診断の結果に従い、今までの義歯(旧義歯)を新しく噛み合わせる位置・高さに変えて使って頂きます。この段階が最も大きな変化が起きますので、患者さまも慣れて頂くまで少し大変です。すんなり慣れることもありますが、一般的には3ヶ月ほど様子を見ます。少しだけ噛み合わせの調整をすることもありますが、時間をかけて慣れて頂きます。
 この段階で治療の進行が正しいかどうかを判定するためにレントゲン検査などをして再評価も行います。

手順 (その4) 新しい義歯を作る(1)
 旧義歯を改変したものに慣れてきたら、次はいよいよ新しい義歯の作製を考えていきます。この患者さまの場合は上には精密な仮の歯(取り外しをしない固定式)下には最終的な義歯(金属床:金属で裏打ちをして補強が施されている)を作製しました。

手順 (その5) 新しい義歯を作る(2)
 新しい歯(上:仮歯、下:完成義歯)が入って、問題なく使えていれば今度は上の新しい義歯を作ります。上の義歯は金具が目立たないコーヌスクローネというタイプの義歯を装着しました。

手順 (その7) リコールとメインテナンス
 義歯に限ったことではありませんが、治療が一旦終了し一段落したあとは定期的な経過観察やお手入れが必要です。勿論残された歯を少しでも永く使って頂くように見守っていくことも大切です。

(左)初診時 義歯を入れて噛んだところ。 (中)奥歯の部分が低いことがわかる。 (右)すれ違い咬合の状態。

Denture

(左)顎機能検査CADIAXの結果 (中)セファロレントゲンによる骨格の分析 (右)噛み合わせの高さ・角度の基準

(左)上段:初診時、下段:新しい義歯    (右)治療前後のセファロレントゲンによる比較

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