KAMEARUKI
種子島 編
(13-14th/Aug/2002)


日本の歴史を変えた3つの始まりの島


屋久島と並ぶように存在する種子島は面積約450平方キロ。
屋久島が1,000メートルを越える山々を擁するのに比べると、
種子島は一番高いところで282メートルしかありません。
面積では屋久島より小さいのですが平坦な地形のおかげか
屋久島の約2.5倍にあたる約36,000人が暮らしています。

種子島は日本の歴史の転換点とも言える3つの技術の
発祥の地となった不思議な縁を持つ島です。
古代においては稲作の始まりの地であり、
中世においては鉄砲伝来の地となり、
そして現在は宇宙開発基地がこの島にあります。
「屋久島のついでに…」なんて安易な気持ちで
立寄ったのですが、なんのなんの、魅力一杯の島です!


▲大崎射場(種子島宇宙センター)


古代へ!宝満神社と玉依姫と稲作の秘密

まずはいっきに古代へと時代を遡ってみましょう。
種子島の南部に創建年代がわからないほど古くから
この地にご鎮座される宝満神社があります。
御祭神は玉依姫。その昔、18人の従者を連れて
種子島の地にやって来たという伝説が残る女神です。

この玉依姫が持参していたものが赤米で、
それが日本の稲作発祥の地と言われる由縁となりました。
宝満神社は今でもオセマチと呼ばれる神田を持ち、
4月にはお田植の神事が執り行われるそうです。

玉依姫が伝えた赤米、ルーツはインドネシアの品種に
遡れるそうで、種子島には3万年以上前の立切遺跡や
縄文晩期の長崎鼻遺跡、弥生時代中期の広田遺跡と、
考古学的にもとても重要な遺跡が残っています。
太古の昔から人間が定住していたという証拠ですね。
玉依姫は一体いつこの地に現れたのかを空想しながら
島内の遺跡や神社巡りをするのも楽しいかも。
玉依姫の神威が今も伝えられる種子島は
日本一収穫の早い米どころでもあるそうです。

宝満神社には人の手が入らない聖域が今も残り、
参道をたどると種子島最大の淡水湖である
宝満の池にたどり着きます。稲作に水は不可欠ですし、
玉依姫は水の女神でもあったのかもしれません。
余談ですが、種子島宇宙センターのロケット打上げ時には
宇宙開発事業団の方が成功祈念にお参りするそうです。


▲島で最古の神社「宝満神社」


中世へ!鉄砲伝来の影に悲しいエピソード

1543年の出来事、日本史で習った事を覚えてます?(^^;
種子島最南端の門倉岬に一隻の明国船が漂着。
当時、島主だった種子島 時尭(たねがしま ときたか)公は
その時なんと16歳!好奇心&知識欲の旺盛だった彼は、
乗船していたポルトガル人から金2千両で火縄銃を2丁購入。
(現在の貨幣価値に換算すると2億円になるとか…)
さらに彼は島の刀鍛冶だった八板 金兵衛に国産火縄銃の
製造を命じたのでした。日本人ってスゴイですよね。

八板 金兵衛は苦心の末に国産火縄銃を
完成させたのですが、最後まで苦労した部品は
銃身尻の雌ネジだったそうです。彼は、なんと
娘の若狭(わかさ)をポルトガル人に嫁がせて
銃の製造法を手に入れたのでした。
ま、今で言うところの産業スパイですね。

現代の我々の眼からすると実にケシカラン話ですが、
実際のところ若狭が実在したかどうかは不明で、
親を思う一心だったのか、父親の犠牲だったのか、
全ては後世のフィクションのようです。(ちょっと安心)
現在、種子島北部の西之表市に若狭公園があります。
それまでの戦法を一気に変えた兵器、鉄砲が世に広まる様を
この心優しいヒロインはどのように感じていたのでしょう?


▲種子島最南端の門倉岬

もちろん、今、鉄砲作りはしていないのですが、
種子島の鍛冶技術はハサミ・包丁作りなどに残っています。
お金に余裕があれば種子島土産にぜひどうぞ。
値段は少々高めですが、切れ味はバツグンです!


ダチョウ牧場を見つけました!


宇宙ヶ丘公園にて


干潮時に現る千座(ちくら)の岩屋


ギンカクラゲが大発生!


宝満神社の参道をたどると…


種子島最大の淡水湖「宝満の池」



現代から未来へ!種子島宇宙センター

NASDA(宇宙開発事業団)は1969年の設立。
目的はズバリ、日本の宇宙開発と宇宙利用促進です。
ロケット開発から打ち上げ、人工衛星開発と追跡管制、
地球観測、宇宙環境での実験や技術開発など、
日本の宇宙開発の中核的役割を担っています。
あの有名な毛利さん、向井さん、若田さんらも
皆さんNASDAの宇宙飛行士です。

種子島宇宙センターは国内最大のロケット打上げ射場で、
現在、人工衛星打上げの中心的役割を果しています。
約860万平方メートルの広大な敷地内には、
国産ロケットとして有名なH-2Aをはじめとする
大・中型ロケットを打ち上げる大崎射場や、
小型ロケットを打ち上げる竹崎射場の他に、
地上試験から追跡管制までの関連施設があります。
また我々一般市民向けには、構造物の原寸大模型や
宇宙実験シュミレーションが体験できる
宇宙科学技術館があり、こちらはなんと入場無料!


▲将来の夢は向井さん?


なぜ種子島が選ばれたのでしょう?

NASDAの方お二人に別々に聞いてみました。
何故かお二人とも第一声が「良い質問ですね!」
偶然だったのかな?それとも何か理由が?
よく小学生に聞かれるとか!?(笑)

人工衛星は読んで字の如く「人工」的な「衛星」で、
地球を回る軌道の代表的なものが「静止軌道」です。
具体的には赤道上高度約36,000キロの円軌道を
毎秒約3キロの速度で回ると約24時間で一周します。
これを地上から見上げた場合、常に静止しているように
見えるために「静止衛星」といわれます。
一定地域の観測や電波の受送信に向いているため、
気象衛星や放送衛星などに広く利用されています。

つまり人工衛星を静止軌道に打ち上げるには、
赤道に近い場所から発射したほうが有利となります。
そこで、日本国内でなるべく赤道に近い場所で、
大型貨物輸送にも比較的便利な平たんな地形、更には
東(静止衛星打上げ)から南(極軌道:南北に回る軌道)
の方向に人が住んでいないこと(人家に落ちたら大変!)
…などの理由で種子島が選ばれたそうです。
当時、沖縄がアメリカから返還されていなかった、
そんなことも大きな要因の一つだったようです。

…と、ここまでは科学的な話ですが、実は、
種子島の地図を見ると不思議なことに気付きます。
宝満神社を中心に種子島宇宙センターと、
鉄砲伝来地の門倉岬がキレイに並んでいるのです!
これは歴史の偶然か?それとも玉依姫の導きか?
アレコレと想像の翼を伸ばすのも楽しいかも。


▲センター内で記念撮影 v(^^)v


H-2Aロケット3号機の打ち上げ準備真っ最中!

今回、わたしと家人3名を含めた一行は幸運にも
種子島宇宙センター内を見学することができました。
時はあたかもH-2Aロケット3号機の準備の真っ最中。
テレビ中継でお馴染みの管制室、打ち上げられなかった
100%国産部品で作られたH-2Aロケットなどを間近に
見ることができ、全員がNASDAファンに変身!(笑)

平成14年9月10日17時20分(日本時間標準時)、
データ中継技術衛星(DRTS)の「こだま」と、
次世代型無人宇宙実験システム(USERS)宇宙機を載せ、
H-2Aロケット3号機は無事宇宙へと旅立ちました。
我々は夏休みの屋久島・種子島旅行の余韻に浸りながら
各々の職場で打ち上げの成功を祝ったのでした。(^^)



※宇宙開発事業団(NASDA )は2003年(平成15年)10月、
 宇宙航空研究開発機構(JAXA)に生まれ変わりました。

種子島情報が満載!
種子島ご出身 『種子島原人』 さんのホームページもぜひ!

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