グッディーズ店主の音楽試聴記
2010-10

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2010年10月22日(金) 19:00東京藝術大学奏楽堂(大学構内)
マーラー:交響曲 第9番 ニ長調
指揮:高関 健
オーケストラ:藝大フィルハーモニア(東京藝術大学管弦楽研究部)

新しい奏楽堂初体験です。1000人規模のホールでのマーラーということで期待していましたが、ホールの音響はやや期待はずれでした。最近のホール(サントリー、川崎、オペラシティー、等)のように多目の残響ではないのですが、音が前に出てこないため音量が少なく感じられ、オケの内部の見通しも良くありません。おそらく音は上空に舞っているのでしょうが、オペラシティーのような妙な反響も感じられませんので、木を使った壁面は見た目より吸音が良いのかもしれません。今日は1階7列目でしたが。2階バルコニーも席数は少なく、良いポジションは見つけ辛そうな印象でした。
演奏は予想通り高関氏の真面目な取り組みが素晴らしく、曖昧さのない立派な仕上がりでした。オケも若手主体で一部にベテランが加わった感じの構成で、技術的には安定していました。特に第3楽章以降は細部の表現に意欲が見られて、おそらくこの曲を終楽章交響曲と捉えているのだろう高関氏の意図はかなり達成されていたようですが、それに比べて第1楽章はもっと掘り下げても良いのではと思われる展開部が素通り気味だったのは少々残念ではありました。練習時間の問題か解釈自体の問題かはわかませんが、今後の変化に期待したいところです。



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