グッディーズ店主の音楽試聴記
2009-09

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<TUDOR>
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マーラー:交響曲第9番ニ長調
ジョナサン・ノット指揮
バンベルク交響楽団
録音:2008年9月15-19日ヨゼフ・カイルベルト・ザール,バンベルク 83:29

第5番、第1番、第4番に続くこのコンビのマーラー第4弾です。
これまで同様遅めのテンポ設定ですが、曲の性格もあるのかこれまでで一番成功していると思います。ノットの取り組み方は、バーンスタイン的なのめり込むタイプではなくあくまで知性的ですが、ジンマンや少マゼールなどのように客観性が強く印象付けられるものでもなく、知性と情熱のバランスが良い演奏と言えます。オーケストラもシュタインの時代のような武骨な感じではなくかなりの機能性を備えてきましたが、ベルリンフィルのような無国籍な響きではなく、ドイツ的な生真面目さも残しているところは好感が持てます。特に印象的なのは第1楽章で、何度かの盛り上がりの部分のこの楽章での位置付けの確かさと、そこに向かう準備と表現方法の決定のすばらしさは近年のこの曲の録音では出色といえます。今後の録音(第3番や第6番など)期待が高まります。



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