グッディーズ店主の音楽試聴記
2009-03

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ALT 136 \2250
ステレオ
ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱」
笹田和子(Sp) 川崎静子(Alt) 布施隆治(Tn) 中山悌一(Bn)
アサヒコーラス
フランツ・コンヴィチュニー(指)
ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団
録音:1961年5月1日日比谷公会堂 NHK収録 ステレオ・ライヴ

コンヴィチュニーが亡くなる前年の来日演奏会の録音です。1961年のステレオ録音ということで、音質はきれいな聴きやすい仕上がりですが、定位の不安定な部分もあり、情報量がやや薄められている感じもします。演奏はこのコンビの1958年スタジオ盤とはずいぶん違う印象で、あちこちにスタジオ盤には聴かれない言い回しが目立ちます。これが即興的なものではなくリハーサルで作られた解釈なので、僅か2〜3年での変化には驚きです。またオーケストラもゲヴァントハウス独特の弦のきざみが聴き取れず、知らずに聴かされるとゲヴァントハウスと言い当てるのは難しいでしょう。当時の状況を考えれば、おそらく東の威信を示す意味合いもある来日でしょうから、最近のドレスデン・シュターツカペレのように大幅な来日用のメンバーの入れ替えがあったとは考えにくいので、非常に不思議な演奏でした。



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