グッディーズ店主の音楽試聴記
2008-09

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<RCO Live>
RCO 08006(SACD-Hybrid) \2280
R.シュトラウス:
(1)交響詩「ドン・ファン」Op.20
(2)アルプス交響曲Op.64
マリス・ヤンソンス(指)ロイヤル・コンセルトへボウ管弦楽団
録音:(1)2007年10月18&21日、2008年1月16&17日
(2)2007年9月19, 20, 21 & 23日
アムステルダム、コンセルトへボウ(ライヴ)

意外にもどちらの曲もヤンソンスとしては初録音とのことで、RCOシリーズでは「英雄の生涯」に続くシュトラウス第2弾となります。このCDを聴いて私はRCOを実演で聴いたときの感じたオーケストラの素晴らしさを思い出しました。今回はレコーディングを意識したような細部を磨き上げたような演奏ではなく通常の演奏会をそのまま録音したような印象ですが(録音日は何日も取っているようですが)、それだけにこのオーケストラが基本的に持っている美しさが素直に感じらます。RCOはベルリンフィルのような個人技の素晴らしさが際立つオケではありませんが、楽員全体の平均レベルが高く、また個々の奏者の響きがオーケストラ全体に溶け込んでいながら、ここぞという時には奥行きのあるオケの響きの中からソロが美しく浮かび上がってくるという特徴があると思います。このCDでもそのようなこのオケの美感が十分に捉えられていて、生で良い演奏会を聴いた後のような満足感が味わえました。
ヤンソンスの指揮は前任のハイティンクに比べると奏者の音の出し方への圧迫感が少ないようで、以前より全体の響きが深まっているような印象がありましたが、この録音でもそれを再確認できました。
「ドン・ファン」は拍手無しですが、「アルプス交響曲」は場違いなブラボーの声と共に拍手入りです。この拍手は私には不要でした。



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