グッディーズ店主の音楽試聴記
2007-01
メールマガジンでも発行しています。
<Decca/Philips> 4758133(限定盤デジパック仕様) \1980 475 8328(通常盤) \1850 メンデルスゾーン:ヴァオリン協奏曲 ホ短調 作品64 ブルッフ:ヴィオラと管弦楽のためのロマンツェ 作品85 ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲 第1番 ト短調 作品26 ジャニーヌ・ヤンセン(ヴァイオリン) ゲヴァントハウス管弦楽団 指揮:リッカルド・シャイー 録音:2006年9月 まだ若手と言える年齢(28歳)のジャニーヌ・ヤンセンのDECCA第3弾が発売 されました。ヤンセンは非常に表現意欲あふれる演奏を行います。切れ込み は鋭いのですが、大袈裟な表現にはならないため、表現の変化が多く色々と 仕掛けがある割には端正な印象が残ります。爽やかな切り口で好印象ですが、 何を表現したいのかという点でやや物足りなさが残ります。技術や表現意欲 は申し分ないのですが、それを何のために使うのかが今後の彼女のテーマで しょうか。 シャイーのオーケストラも彼女の力演に答えて、力のこもった演奏を聴かせ ています。機能的とはいえないゲヴァントハウスですので荒れた部分もあり ますが、時に古風な響きを聴かせるのは相変わらずの魅力です。 |
<RCA RED SEAL> 82876871562(SACD-Hybrid) \1450 マーラー:交響曲第1 番ニ長調「巨人」 (マーラー協会版決定稿) 「花の章」付 デイヴィッド・ジンマン(指揮) チューリヒ・トーンハレ管弦楽団 ジンマンのマーラー交響曲全集がいよいよスタートしました。まずは期待と 予想を裏切らない演奏と言えます。全体としてはゆったりと落ち着いた印象 です。第2楽章など快活な表現も聴かれますが、遅い部分がゆったりと描かれ 盛り上がる部分も力任せにならず落ち着きがあります。全体の見通しが非常に しっかりしているのも特徴です(スリルの無い演奏とも言えますが)視聴は SACDではなく通常CD部分ですが、録音もやや距離感はありますが美しい音色 が適度な奥行きで録られていて好印象です。一昔前のマーラー演奏からは考 えられないような高い完成度のもので、マーラー演奏もここまで来たかとい う感を強くします。今回は第1番で特に踏み込んだ解釈が聴かれることはあり ませんが、まずはお手並み拝見と言ったところで、次回の「復活」からは、 ジンマンの個性的な表現も期待したいところです。 |