RECORD Breaker
DCI Digitally Controlled Instrumentation SYSTEM CHG-3.0



この充電器は、2003年5月に株式会社ストレートから発売されたフルマニュアルチャージャーです。(様々な充電方法を設定する事が出来ます)

特徴としては、一回の充電をステージに分けて(最大3)設定可能。1st・2ndステージは、インパルスチャージをかける事でセル内部の充電され難い、相対高抵抗部位まで充電をする事が出来ます。
インパルスチャージとは、設定された電流値に単発的な高電流を一定サイクルで加える充電方法です。
ヒューズが内蔵されていますから、周辺機器との接続ミスからも主要回路を保護されています。
また、充電完了ブザー音量を5段階で調節でき、消す事も出来ます。

定格
制御方式 : RISCマイコン制御
充電方式 : 定電流 or インパルス
充電電流 : 0.1A〜9.9A (0.1Aステップ)
充電可能セル : ニッケル水素、又はニッカド電池(1〜8セル)
充電カット方式 : 刄sーク、容量検出、電池温度併用式
容量カット充電は0〜9999mAh、10mAステップ、充電深度の刄sークは1〜100mV、1mVステップで設定する事が出来ます。

それでは、次から説明書にしたがって、この充電器の操作方法と設定例を解説していこうと思います。
ここに書いてある事は説明書からの抜粋を含んでいます。
だって、この充電器の説明なら説明書が一番分かりやすいじゃん?
って思ったので載せましたが、コレって別に悪くないよね?
まあ、いいや・・・
じゃあ、解説いってみよう!!!!!
ディスプレイ、操作説明

データ表示画面

左の画面は電源を投入した状態です。
この画面の説明をします。

@状態表示
充電中は”000.1”又は”P LOCK”停止中はENDになります。
3rdステージ実行時は、ココに電圧降下実行値が表示され、電圧の変化が分かるようになります。

A充電プロファイル
ユーザーが設定した充電設定のメモリナンバーを表示します。メモリは10種類まで記憶できます。

Bサーモセンサー温度
サーモセンサーを取り付けた時に温度が表示されます。

C充電経過時間

充電開始からの経過時間を表示します。

D充電電流
充電している電流値(この値は実際に流している電流を計測した値の様なので、微妙に変化します。

E電圧
接続されている電池の電圧です。電池が接続されていない時は、親電源の電圧が表示されます。なので、電圧を変えられる安定化電源を使用する場合には、この表示を見ながら電圧を合わせれば、最適な出力に設定して充電を行う事が出来ます。一般のRCの6セル(7.2V)充電の時は、12Vに設定するのが良いようです。

F充電容量
充電器から電池へ供給された電力量がカウントされます。この値はあくまでも充電器が流した電力量であるので、電池に入った電流の量とは違います。厳密には熱エネルギーになって外に出て行ってしまったりの損失分を引いた数が実際に電池に入っている電力量となります。
このネタ
『18へぇ〜』くらい行った?


1stステージ設定画面(充電設定)

プログラムナンバーを選択した後に、そのプログラムの設定をします。これがその設定画面です。
まず、左の画面の1stステージの充電を設定します。

@ステージ表示


A1stステージの充電終了ポイントであり、次のステージへの移行ポイントです。(ココを”0”にすると1stステージを実行しないで次のステージに進みます)

B充電電流設定
1stステージの充電電流を決めます。(0.1Aステップ)

CインパルスチャージのON/OFF設定

インパルスチャージとは、設定された電流値に単発的な高電流を一定サイクルで加える充電方法です。

1stステージは刄sークを検知しないピークロックチャージが実行されます。設定した充電終了容量まで強制的に充電されます。
なので、この写真の設定だと充電開始から5.1A定電流で1100mAhまで強制的に充電されます。
この設定で既に充電されている電池を充電してしまったら、電池が大変な事になるのは言うまでもありません!!注意してください!!ちなみに僕はその失敗はありません。
しかし、万が一と言う事もありますから温度センサー(別売り)を付ける事をお勧めします。(温度が上がれば充電は止まると思う・・・)・・・と言いつつ僕は温度センサー持ってません。



2ndステージ設定画面(充電設定)
1stステージの設定が終了したら次は2ndステージの設定に進みます。左の写真は2ndステージの設定画面です。

@ステージ表示


A2ndステージの充電終了ポイントであり、次のステージへの移行ポイントです。(ココを”0”にすると2ndステージを実行しないで次のステージに進みます)

B充電電流設定
2ndステージの充電電流を決めます。(0.1Aステップ)

CインパルスチャージのON/OFF設定

インパルスチャージとは、設定された電流値に単発的な高電流を一定サイクルで加える充電方法です。

2ndステージも刄sークを検知しないピークロックチャージが実行されます。設定した充電終了容量まで強制的に充電されます。
なので、この写真の設定だと1100mAhの時点から4.5Aの電流を基本に単発的に6.7A程度の電流を流し、2200mAhに到達するまで強制的に充電されます。これがインパルスチャージです。



3rdステージの設定画面(充電設定)
2ndステージの設定が終了したら次は3rdステージの設定に進みます。左の写真は3rdステージの設定画面です。

@ステージ表示


A3rdステージの充電終了ポイント
3rdステージの充電終了ポイントでありこのプログラムの充電終了ポイントです。ココで設定した容量までしか充電を行わないので、事実上これが容量カットの設定になります。

B充電電流設定
3rdステージの充電電流を決めます。(0.1Aステップ)

C刄sーク回数設定(通常は1回)

リピーク充電の設定です最大5回まで設定可能です。

D-儼設定(刄sーク設定)
値を大きくすると深い充電になりますが、過充電になりやすくなるので注意が必要です。一般的な6セル電池の場合、ニッカドが50mV〜90mV位でニッケル水素が25mV〜45mV位だと思います。(電池の銘柄によって異なる)

Eトリクルチャージ設定
充電が終了した後に、微弱な電流で補充電を行えます。使用しない場合には0.0Aに設定してください。

3rdステージは最後の充電ステージです。2ndステージから3rdステージに切り替わる前に、10秒間送電を止めます。これは3rdステージは刄sークを検知しますので、切り替わる瞬間の電流変化による誤刄sークを防ぐためです。
また、3rdステージだけを実行する事で、追い充電が出来ます。メモリの中に追い充電用の設定を記憶させておけば、普通の充電器の様にスグに追い充電する事が可能です。(3rdステージはインパルスチャージは使えません。定電流充電のみの設定です。)

この写真の場合だと、2200mAhの時点から5.0Aの定電流で充電をして、ピークから30mV降下した時点で充電を終了する、又は容量が3600mAhを超えた時点で充電を終了と言う設定になります。
ここで紹介した物は僕がSANYO製RC3000の充電に使っているメモリ設定です。



コンディション設定画面(各種設定)
充電のメモリの最後の設定です。

@電池温度カット安全策
サーモセンサーの温度が設定温度を超えた場合に充電を終了させるための設定です。全てのステージにおいて有効です。

Aブザー音量設定

B刄sークフィルター
親電源等のノイズをプログラム的に遮断します。
通常はONで使用しています。



充電設定例
最近、レコードブレーカーが爆発的に大人気らしいんですが、色々な充電方法が『良いとか悪いとか』出回ってます。
で、俺はあんまり電池を持っていないし、平日は全く触る事が出来ないので色々な充電方法を試したり考えたりするのはチョット厳しい・・・
そこで、人の充電方法を試し、さらに自分なりの考えを加えて月一回レースで実際に実行してみて、その結果一番良いと思われる方法を取ることにしました。それを紹介します。

今回試したのは、いくつかあるんですが、いろんな意味で一番優れていたのは、ストレートさんの充電方法だったので、まずはそれから紹介します。

まずはニッケル水素(SANYO、GP系)での方法です。それぞれの電池の設定は↓こんな感じ


これは2ndステージで0.2A充電を10mAの間行うことで、電池の温度を少し下げるとともに電池電圧を安定させます。(その様です)
次に3rdステージで5.0Aのピーク充電を行うことにより、温度を上げ過ぎず深い充電を可能にしていて、温度がチョウド良く仕上がるので電圧も高くなります。(俺の見解)
この方法はGPセルに限らず、SANYO系ニッケル水素にはとても有効でした。
(注)SANYOセルの設定は、ストレートさんのGPの設定を元にSANYO用に容量値だけを変えたものです。
それとパナソニック系は電池温度が上がりやすく、充電終了温度が高いと走った時にタレる傾向があるために、別な方法を取っていますが、未だに一番は思いつかないので現在検討中です。

さて、以上の事を踏まえて俺の充電方法です。↓

RC3000 RC3300 GP3300の場合
まず、初めに電池の性能を調べます。この性能とは、メアスの容量を知りたいだけなので、なるべくフレックス(インパルス)をかけないで最初から最後まで一定電流での充電が良いと思います。


これは、定電流で、温度を上げ過ぎないように注意していれば、どんなでも良いような気がします。ただし、この時は手切りで充電を終了してください。もう知っていると思いますが、レコードブレーカーには[. o O]←こんな表示がでます。これが止まった時がその電池のデルタピーク電圧になります。そしてスグに隣の数字が増え始めるので、それが確認できたら充電を手で止めます。ちなみにこの充電している間は電池に絶対に手を触れないでください、ファンで冷却しながらの充電も止めましょう。それと、なるべく動かない安定した所で充電することをお勧めします。

それで、その電池に入った容量を記録しておきます。(SANYO RC3000で3600mAh、SANYO RC3300で3900mAh、GP系が4200mAh、これ位が普通な状態だと思います。俺のバッテリーは全部この位の数字になりました)
それで、これを元に設定に入ります。

で、上の値(容量)に0.8(80%)位を、かけた値を出します。
SANYO RC3000(2880mAh)、SANYO RC3300(3120mAh)、GP系(3360mAh)程度
この値までを1stステージで充電します。電流は6〜6.6Aに設定してください。ここでの電流値は高すぎなくてもあまり影響がないと思われますので、練習では6〜6.2Aくらいで良いと思います。
これで1stステージの設定は完了です。

2ndステージはストレートさんの方法と同じ様に、0.1〜0.2A充電を実行します。

次に、3rdステージの充電に入ります。
まず、充電電流は5.0Aくらいにしてください。次に容量カットの値は、安全かつ途中で止めてしまわない値(SANYO RC3000で3900mAh、SANYO RC3300で4100mAh、 GP系が4500mAh)このくらいに設定すれば問題ないと思います。俺は温度センサーを付けていないんですが、取り付けた場合は大体45〜50℃くらいに設定してください。
カットオフ電圧?(デルタピーク)の設定は電池一本(6セル)で6mVに設定しています。

説明書などにはセルあたり6mV(6セルだと36mV)くらいと書いてありましたが、電池一本(6セル)で6mVに設定しても誤ピークカットされる事は多分無いです。コノ値はなるべく少なく設定した方が電池が傷みません。
上記の様にデルタピークを設定しますが、レコブ特有の[. o O]←この表示が止まった時に充電を手切りする様にしてください。

上にも書きましたが、この充電中は電池に触れるのは止めましょう。手で触れたりする事により電池の熱が変化して抵抗が変わり電圧の変動が起きてしまい誤ピークが出ます。特に終了直前は電圧変動が敏感に出やすいので、電池には触れないでください。冷却もしないでください。

以上がストレートさんの方法をベースに俺が色々試して一番良かった方法です。って言うか殆ど変わんないんだけど・・・
まだ、全部試した訳ではありませんが、少なくとも俺は良い結果が出ています。みなさんも自身の判断で試してみてください。


ニッカドSANYO RC2400の場合


カワウチでは軽量を生かせるのならばマダマダ有効な電池なので、一応充電方法を紹介します。
ニッカドの充電は、充電初期に高電流充電をするとセル間のバランスが崩れるらしいので、1stステージを低い電流で充電します。大体100mAhくらい1Aで充電すれば良いと思います。
2dnステージからは大電流充電をします。7.0Aの定電流か、たまには6.5Aくらいでインパルスチャージをするのも良いでしょう。これで大体2080mAhくらいまで充電します。
3rdステージでは、6.0Aくらいに落として充電してください。カットオフは6セルで10mVくらいで2ピークに設定しています。温度設定は、これも大体50℃くらいにして、温度カットで止まらないように設定します

要チェック!!!

レースに出る場合、もしくは充電終了時間をコントロールしたい場合の追い充電

レースの場合はナルベク走る寸前に充電を終わらた方が良いんですが、ピッタリに終わる様に充電を始めるのはナカナカ難しいと思います。
そこでまず上記の充電方法で普通より早めの時間に充電を開始して下さい。
そして3rdステージに入って200mAhくらい入った所で充電を手で切ります。次に追い充電モードのプログラム(事前に3rdステージだけ実行される様に設定しておく、この時電流は5〜5.5Aくらい)に移り、レース開始15分前くらいに、そのモードで充電を開始します。

これだと、5Aで充電して大体10分〜13分くらいで充電が終了するはずです。(5A=毎分83.333…mAなので)12分だと1000mAh入りますから、それから逆算した時間前に充電開始すれば良い結果が出るでしょう。
※一回充電をカットすると自己放電が始まりますので、追い充電の時に自己放電分もキチンと考慮しましょう。
この方法ならほぼ確実に充電終了時間をコントロールできるので、電圧を維持できて少し有利に進められると思います。

この方法(17%追い充)と普通の追い充電の違い
追い充電というと普通は満充電した後に時間をおいて、かけるのですからせいぜい200mAhくらいしか入りません。
それだと、追い充電をかけている時間が短か過ぎて、電池の温度もあまりあがらず、電圧も殆ど変わりません。
しかし、この方法を行うことで、普通の追い充電より結構長い時間充電する事になるので、電池がチョウド良い温度まで上がりますし電圧も普通の充電と同じ所まで上がります。
つまり、追い充電したにもかかわらず理想の充電状態でレースが出来るわけです。

一回の充電で最後まで充電するのが一番良いですが、終了時間が予想しにくいので、いつも時間の予想とパワーのバランスが取れるこの追い充電をやっています。
この方法を17%追い充と呼んでいます。(大体15%以上20%未満を追い充電にかける事から・・・って言うのは今考えましたが・・・)

まあ、こんな感じです。ちなみにこの方法は普通の充電器でも出来ますよ。