小林のり一氏は故・三木のり平さんの息子さん。編集部にぬーっと現れて面白いことをこそっと言って皆を笑わせて、インスタントコーヒー飲んで帰るという。そういう一時期があった。
のり一さんの才能は漫画でも炸裂。描けそうで描けないヘタウマの真骨頂だった。この頭がウンチだけど、なぜかお金持ちというミチル君のキャラにも相当驚いた読者がいたはずだ。最後のコマのシースルー着物を着たお母さんに笑って掲載してしまったが、前の方のページでも教室に張り出してある書道が「なんみん」「どかた」「いんかく」だったりと芸が細かかった。また、雑なようで緻密なカラートーンの貼り分けなど、こだわりがうれしい5ページ漫画だった。
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