ある時代にチャンピオンになれるひとは、いつの時代でもチャンピ
オンになれるんじゃないかと思う。なぜなら、トップになるのに普
遍的な能力を持っているからだ。
(ベン・ホーガン)


現在のゴルフは、昔のゴルフに比べると随分と変わってしまったよ
うですね。最も目覚しく変わったのは、道具の進歩であり、それに
合わせるようにスイングや技術も変化しました。

昔はね、ラウンドのスコアも随分と低かったようです。

1970年、ゴルフの聖地セントアンドリュースで開催された全英
オープンはジャックニクラウスが優勝しました。そのときの優勝ス
コアは5アンダー。

それから時を隔てること35年、2005年の全英オープンは、と
ころ同じく聖地セントアンドリュースで開催され、現代のゴルフ界
において世界最強と呼ばれるタイガーウッズが14アンダーという
スコアで優勝しました。

その差9ストローク。

もちろん単純に比較できるものではありませんし、このストローク
差を見て、ジャック・ニクラウスがタイガーウッズよりも劣るのか
と言えば、答えはもちろんノーですよね。

この二人が同じ時代に全盛期を向かえていたならば、ゴルフ史に残
る名勝負を繰り広げたに違いありません。

チャンピオンになる人は、スイングなどの技術が優れているという
こともあるのでしょうけど、そういった差はわずかなものであり、
勝つために必要な能力とは、もっと別のところにあるのではないで
しょうか。

優勝ラインを的確に見極めて、そのスコアを実現する戦略を練り、
技術などの実現手段を磨き上げる。言わば自分が優勝する未来から
逆に考えるメソッドを確立しているかどうか。

今、過去のゴルフチャンピオンの写真を見ると、随分と古めかしい
感じがしてね、スイング理論といったものも随分と変わってしまっ
たようですが、それがその時代のゴルフが求めていたものであり、
チャンピオンはその要求に的確に答えてきたということではないで
しょうか。

ある時代にチャンピオンになれるひとは、いつの時代でもチャンピ
オンになれるし、どの分野においてもチャンピオンになれる普遍的
な能力を持ち合わせている。

だからこそ、ゴルフチャンピオンになれる人は、ビジネスの世界に
おいてもトップになれる、かく思うわけです。


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