とにかく手を抜いたら敗北を認める姿勢が生まれてしまうように思
う。
(トム・ワトソン)


どんなに優れたプレーヤーであっても、全ての試合で優勝すること
は出来ませんよね。それどころか、年に1度でも優勝できるプレー
ヤーの方が圧倒的に少数です。

言ってみれば、出場する試合のほとんどは負けてしまっているわけ
です。これは、トム・ワトソンほどのプレーヤーにおいても同じこ
とと言えます。

しかし、冒頭の言葉によれば、多くの試合において敗北していても、
敗北を認める姿勢を持ってはいけない、とのこと。では、敗北を認
める姿勢とはどういうものでしょうか。

ところで、ビジネスにおいても、やることが常に成功するわけでは
ありませんよね。これは、どんなに優れた企業もそうでない企業も
同じことと言えます。

成功する事業や、失敗する事業がありながらも、トータルで利益を
出せない企業は生き残れません。勝ちの利益が、負けの損失より多
い企業は生き残り、そうでない企業は衰退していくという単純な論
理です。

ですから、失敗するにしても、負けは負けとばかりに際限なく損失
を続けるということではなく、できるだけその負け幅を小さくして
おかないと、その企業はやがては衰退していくということです。

ここで、冒頭の言葉に戻って考え直してみれば、負けを認める姿勢
とは、負けが決まってしまったからといって、手を抜いたり、投げ
やりなプレーをすることで、負けのコストをどんどん重ねてしまう
ことではないでしょうか。

長い期間に渡って活躍するトッププレーヤーというのは、1試合、
1試合の短期で結果を見るのではなく、シーズンとか長期のスパン
で採算をとる収支感覚が働いている、というのはいささか考えすぎ
でしょうか。


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