だから18ホールあるのさ
(ベン・ホーガン)
これといった問題もなく平穏無事な時というのは、人はみんな穏や
かでね、悪い面は見えにくいものですけれども、一旦困ったことが
起きたり、一時に仕事が集中したりすると、その人の器量が見えて
くるものです。
「大変だ」「どうしよう」とうろたえるばかりで、事が前に進まな
くなったり、何だかイライラしてしまってね、周りにいる人間が近
づき難い雰囲気を醸し出してる人っているでしょう。
有事における対処によって、そこから、さらに悪い流れが続いて行
くのか、それとも、なんとか踏みとどまって被害を最小限に食い止
めることができるかが別れますし、そこでどういう行動をとるかと
いう所に人の器量が現れるものです。
冒頭の言葉はベン・ホーガンが「あそこであんなミスをするなんて
ついてなかったね」とかけられた質問に答えたもの。
いくつかミスをしてもいいように18ホール用意されているのさ、
と言った意味でしょうか。さらに言えば、いくつかミスをするよう
に18ホールも用意してある、ということかもしれません。
ゴルフのラウンドという長期戦においては、ミスなくプレーを終え
る者はありません。そして、そのミスへの対処にこそプレーヤーの
真の実力が現れるのです。
幾つかのショットが悪かったからといって、気を落としたり、気を
抜いている場合ではないのですね。プレーヤーの実力を試すために
ミスはあらかじめ用意されているのですから。