コースに出る前はいつも緊張した。そうでなかったら、なにもでき
なかっただろう。なにも感じない日は勝てなかった。
(ボビー・ジョーンズ)


人は年齢を重ねてくると、そうそう驚いたり、悲しんだりといった
心の動きは少なくなってくるものですけどね。ゴルフをやっている
と、いくつになっても多感な青春期のような心持ちでいられます。

ゴルフの前日はなかなか寝付けないでね、お酒でも飲んでパッと寝
てしまいたいのだけど、飲みすぎて明日のラウンドに差し支えるの
も心配だなんて悶々とした夜を過ごしてしまう。翌日は目覚ましが
鳴る前には布団を出て、慣れない早起きなんかするものだから妙に
時間をもてあましたりして。

ただ、楽しいウキウキ気分はいいけれど、ここ一番というときに湧
き上がる緊張感は勘弁してほしいと言う人もいるかもしれませんね。
緊張しないように、なんて考ると余計に意識しちゃってね。普段な
らなんでもないショットやパットも格段に難しく感じる経験を誰で
も持っているのでしょう。

冒頭の言葉は、球聖と呼ばれたボビージョーンズのもの。この偉大
なプレーヤーにおいてもコースに出る前は緊張したとのこと。それ
だけでなく何も感じない日の方が勝てなかったと。

考えてみれば、ここ一番というときに全く緊張しない人というのは、
よほどの鈍感とも言えるわけです。そんな感受性に乏しい人間が、
ゴルフという英知あふれるゲームに有利というのも納得いきません。

緊張している自分に気づいたときには、そこから目をそむけてない
でね、逆に緊張している自分と向き合う気持ちが大切なのでしょう。
普段と違う状況に遭遇した時ほど状況をよく観察することです。

おそらく、緊張しない人、なんてのはいないのでしょうね。ただ、
緊張を悪いことと考える人と、よいことと捉える人がいるだけなの
かもしれません。


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