誤りが最も少なかったプレーヤーが勝つ。
(ハーヴィー・ぺニック)
私はゲージュツには明るくありませんけど、おそらくその世界では、
一つの完成作品を創るために試行錯誤を繰り返してですね、試作品
を創っては壊し、また創っては手直しして、といったことを作者が
納得のいくまで続けるのでしょうね。
そうして作者の心から納得のいく作品が出来上がってようやくお披
露目です。一つの完成作品の背後には何十、何百もの試作品が山と
積まれているに違いありません。
例えば陶芸家といいますと、自分で創った碗なんかを手にとって見
ましてね、少しでも気に入らない部分があると叩き割ってしまう、
こんなイメージがあるでしょう。
これに比べますとゴルフは製品を造ることに似ていませんか。一つ
のショットは一個の製品です。で、製品というのは何千、何万個と
いった単位で相当量を造るわけです。
芸術の世界とは違いましてね、作者のおおいに納得のいく完成品が
一つ出来ればよい、というわけにはいきません。いくつも造った製
品のユニットの質が高くないといけないのです。
製品の品質を管理するうえで質をあげるということは、不良品を除
去することです。同じくゴルフにおいても不良品の少なかった者、
すなわち誤りが最も少なかったプレーヤーが勝つ、ということです。
ゴルフゲームで勝つには、スーパーショットを放つ技術力ではなく、
ゴルフユニットの質を高めるマネジメント能力が必要なのです。
ゴルフの戦略がビジネスや人生に通じるものが多いのはここに秘密
があるのかもしれません。