十分練習を積んでいないショットをラウンド中に試みるべきではな
い。
(ハーヴィー・ぺニック)


ラウンド中のプレーヤーには決断を迫られる場面が多々訪れるもの
です。たとえば池の向こうにあるグリーンを直接狙うか、手前に刻
むのか。スタイミーな場所からボールを曲げて最短距離を狙うか、
刻んで真っ直ぐ進むのか。

一打で狙うか、二打で進むのか。その攻め方を選択することは多い
ものですが、ゴルフをしない人ほど「急がば回れ」の言葉どおり、
二打で進むのが賢明だと直感するのかもしれません。

しかし、ゴルファーは「一つでも少ない打数であがる」という誘惑
にとことん弱い生き物です。たとえ練習場ですら打ったことがない
様なショットでも、一旦そのイメージが頭に浮かんだならば実行せ
ずにはいられません。

目の前の一打を支払うことができないんですね。勇猛果敢と言うべ
きか、はたまた単にケチなのか。しかし、この一打を惜しんだばか
りに三打も四打も叩いてしまい、下り坂を転がり落ちて行方知れず
になったプレーヤーは一人や二人ではないはずです。

これに対し、上級者ほどリスクの低い攻め方を選択するのは、ひと
つのミスが取り返しのつかないことになることを知っているからで
しょうか。「ミスがミスを呼ぶ」と言いますが、一旦流れが悪くな
れば、それを取り戻すのは並大抵のことではありません。

二打で進む攻め方を選択したならば断じてそれを行います。そうし
て支払った一打は、ミスした一打とは性質が全く異なるものです。

「プロじゃないんだから」とか「遊びなんだから」といった理由で
失敗を恐れず果敢に攻めることを信条にしている人がいますけどね。
まずはその考えを改めないと、いつまでたってもそのレベルという
ことかもしれませんよ。


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