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書評:『世界の自己啓発50の名著』

この記事の最終更新日:2006年7月30日

世界の自己啓発50の名著―エッセンスを読む
世界の自己啓発50の名著―エッセンスを読むT・バトラー=ボードン 野田 恭子 森村 里美

ディスカヴァー・トゥエンティワン 2005-01-10

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自己啓発の名著50冊が紹介されている本です。ポジティブ思考、目標達成、人生の成功を説くビジネス書系の自己啓発書から、聖書、仏典、老子、自省録といった歴史ある自己啓発の古典的名著、さらには精神世界系の癒し本まで、幅広い分野の本が紹介されています。

当然、著者によって、諸子百家のごとく考え方が真っ向から対立することもあります。精神世界系の著者は物質的成功や富の獲得より、心の豊かさに価値をおきますし、絶対成功する簡単な方法を教えると豪語する著者もいれば、簡単な成功法などなく、悩み、苦しみながら人は成長していくものだという著者もいます。

本書の著者ボードンは、様々に意見の対立する50冊の本を並べながら、どの本の内容にも肯定的な紹介文を書いています。この本を読めば、自己啓発にも様々な考え、流派があり、真っ向から対立する思想もあるが、どの主張にも一理あり、自分に適した考えを選択すればよいとわかります。

アメリカで最近はやりの自己啓発の源流に、19世紀の思想家エマソンがいます。エマソンはアメリカ流個人主義の基礎づけを行ないました。彼は個人の自由と精神的独立性、自己向上を説きますが、実は物質的富を否定しており、彼の思想の源流にはインドの古典哲学があることがわかります。

一方エマソンの思想を受け継ぎ、目標達成と社会的成功の方法を説く最近の自己啓発家は、物質的成功の方法を説きながら、実は心の力を高める方法を説いていることもわかります。

心の平安と愛を説く精神世界系の書家の考えは、あらゆる社会生活に役立つこともわかります。

50冊、様々に異なる本が並ぶと、自己啓発という分野に通底している考えに触れることができます。

日本では小さな出版社から邦訳書が一冊しか出ていない思想家でも、アメリカでは大人気で有名な場合もあり、知らない作家、本をたくさん知ることができました。

この本に取り上げられている本の中で読みたくなったのは、『バガヴァッド・ギーダー』、『小さな自分で満足するな!』、『愛と心理療法』、『哲学の慰め』、『肩をすくめるアトラス』、『鉄のハンス』、『森の生活』、『失われた心 生かされる心』、『人生を開く心の法則』です。


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