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書評:松下幸之助『社員心得帖』

この記事の最終更新日:2006年8月27日

社員心得帖
社員心得帖松下 幸之助

PHP研究所 2001-05-01

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『社員心得帖』は、企業で働く社員の心得をつづったものです。新入社員、中堅社員、幹部社員の3つに章が別れています。それぞれの段階の社員に向けて、松下さんがしごく基本的だが大事な心得を、あたたかい言葉でつづっています。

松下さんは、新入社員として入社したからには、会社とのめぐりあわせを運命と感じる覚悟が大切だと言います。上司はあなたの成長を期待しているし、世間は会社の成長を期待しています。社員全員が成長を喜び合う風土がよろこばしいと松下さんは言います。

私自身も、確かにふりかえれば、入社した会社にいることは運命だと感じます。たくさんのことを学べるし、会社でしかできない経験が山ほどあります。

松下さんは、会社をけなす人はいるが、誉める人は少ないから、誉めると注目されると言います。何より、親や友達に会社の不平を言うと、心配されてしまいます。自信をもって大丈夫だ、いい職場だと言いきると、親も友も安心するからよいと松下さんは言います。

無理解な上司に当たったら、名人になれるチャンスだと思うといいとも言います。そういう上司のもとでは、自ら会得するしかないので、画期的な名人が生まれやすいというのです。全てをプラスにとらえ、成長のチャンスを大切にする松下哲学がここにも伺えますね。

松下さんは、自分は経営の最高責任者として会社で一番の給料をもらっているが、給料額の10倍の働きをするよう常にこころがけている、どれくらい会社の成長に貢献できているか常に自問自答していると、ある松下電器の社員に言います。そして、給料以上の働きをこころがけることを読者にすすめています。

働いているとついつい、給料以上の働きをしていると傲慢にも勘違いしてしまうものです。こんなに仕事ができるのだから、もっと給料のいい会社にいった方がいいかもと思ってしまうことが過去にありましたが、多くの若者がそう感じるものなのでしょう。常に給料以上の働きをすること、会社に貢献することを心がければ、心が素直に、円満になることでしょう。

部長、課長の人は、個人事業主のつもりで、自主性をもって働くと部署全体の成績がのびると松下さんは言います。個人事業主なら成果に応じて報酬が上がるものですが、企業人はそんなに給与が増えるものではありません。それでも、自主性と責任を持って精一杯働くと、自分も、部下も、会社もいきいきと伸びると言います。

ごくごく基本の心得が、優しく、わかりやすい語り口でつづられています。本を会社のデスクにおいて、暇をみては読み、同僚にもすすめるのがよいでしょう。


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