一手損角換わりには筋違い角
2007/11/11

 
 久しぶりの更新となりました。最近はHPのUP頻度が少なくなり、更新作業技術の腕が落ちているようです。作業時間が以前の倍近くかかるようになりました。
 掲示板に更新希望があったこともあり、リハビリを兼ねてのUPです。今後はすこしUP頻度を上げていきたいですね。とりあえず最低季節毎に1回のペースで更新していきたいです。

 さて、最近は少々下火になったようですが、「一手損角換わり」が流行していました。といっても、アマチュア間ではどうだったのでしょうね?角換わり自体が少ないので、個人的にはさほど見かけなかったです。ただし、私が見た中では横歩取りよりも発生頻度が高かったように思います。

 非定跡党では、「一手損角換わりは筋違い角に出来るのでありがたい」という意見が多いのですが、具体的にどうなのか、検証してみることにしました。

初手よりの指し手
▲7六歩△3四歩▲2六歩△3二金▲7八金△8四歩▲2五歩△8八角成
▲同銀△2二銀・・・(第1図)

             

 一手損角換わりの一般的な出だしの手順です。筋違い角なら当然第1図より▲4五角と打っていくのが正解手順?となります。が、これについてはもう一度最後に考察してみましょう。

 第1図では、既に▲2五歩を突いてしまっているので、角を▲1六に引く手法(参考文献1)が使えません。必然的に角を左側に引く居飛車型となります。これは、かなり作戦が限定的となり、平凡に進展したとすると、以下考えられる展開の一例として第2図。

   


 第2図は、参考文献2の150頁の図面(第3図として掲載)と同じように進展したと仮定した場合の想像図です。第2図と第3図の違いは、
  (1)一手得のため、▲7八金が入っている
  (2)角の位置が違う(6七と7八)
です。この違いに対する評価ですが、私は
  (1)については、あまり得になっていない。現時点では▲7八金は不急の一手
  (2)については、将来の6筋からの攻めに対してあたりが強くなっているので損
と見ています。結局、通常の筋違い角よりもかえって損になっているのではないか?

 このまま引き下がっていては、非定跡党としてはちょっと面白くありませんね。それでは、どうするか?第1図に戻って次の手を考えて見ましょう。

第1図よりの指し手
▲1六歩△1四歩▲4五角

 1筋の端歩の交換を入れるのがちょっとした、しかしかなり大きな工夫です。以下、第2図と同じように組み上げると第4図。ここまで来たら、狙いはお分かりかと思います。うまい仕掛けがあります。
             
               

第4図よりの指し手
▲1五歩△同歩▲1二歩△同香▲2四歩△同銀▲同銀△同歩▲1二角成・・・(第5図)

               

 端歩の交換が入っているだけで、こんなにも違う局面になります。これは筋違い角大成功ですから、後手としては角筋を通されたまま棒銀に進出されるとまずいことになります。後手はどのように対抗するのか?ここはひとつ、後手の研究を待つこととしましょうか。

 戻って、第1図の▲1六歩に△3三銀と上がられると、残念ながら筋違い角は出来ません。ただし、その場合は▲1五歩と突き越して以下右玉にすると、これまた非定跡党らしく戦えるのではないでしょうか。


参考文献

 1)「筋違い角と相振り飛車」、木屋太二著、主婦と生活社、1997
 2)「消えた戦法の謎」、勝又清和著、毎日コミュニケーションズ社、1995

トップへ
トップへ
戻る
戻る